茶・サプリ(健康強調+cGMP)
表示・アレルゲン・健康強調(misbranding)
⚠ FDAが指摘した実例その健康茶のラベル、「効く」と言い切っていませんか?
緑茶、抹茶、健康茶、ハーブ系サプリメント。日本にはお茶文化に根ざした商品がたくさんあります。ただ、米国向けに販売する時、ラベルや広告の一言が原因で「食品」ではなく「未承認の医薬品」として扱われてしまうことがあります。今回は、そのわかりやすい実例を見ていきます。
はじめに——「効能」の書き方ひとつで扱いが変わる制度
米国では、食品やサプリメントに「病気を治す」「予防する」といった表現を付けると、その商品はFD&C法(連邦食品・医薬品・化粧品法)上の「医薬品(drug)」として扱われる場合があります。これを健康強調表示(health claim)・疾病クレーム(disease claim)の問題と呼びます。医薬品として扱われると、本来必要な承認(新薬としての審査)を受けていないため、「未承認新薬(unapproved new drug)」という、食品会社にとってはかなり重い指摘につながります。さらに、サプリメントを製造・包装・保管する事業者には、cGMP(current Good Manufacturing Practice、適正製造規範)という製造管理のルールを守ることも求められます。サプリメントのcGMPは、21 CFR Part 111という規則で定められています。
実際の例——茶製品メーカー「Get The Tea」社への警告書
2018年3月22日、FDAはアリゾナ州コットンウッドの茶製品メーカー「Get The Tea」社に警告書(MARCS-CMS 538965)を出しました。きっかけは2017年9月の施設査察です。同社の「Life Change Tea」(レギュラー/スーパー・ストレングス)などの製品について、ラベルやウェブサイトの表現が指摘されました。たとえば、サルサパリラという原料について「風邪・インフルエンザ・咳・気管支炎・関節炎・リウマチ・糖尿病に効くとされる万能薬」という説明、「がんに使う人もいる」という記載がありました。加えて、顧客の体験談として「夫は糖尿病で膀胱がんと診断されたが、この製品を飲み続けたことで医師から健康のお墨付きをもらった」といった投稿もサイトに掲載されていました。FDAはこれらの表現を総合して、製品が病気の治療・軽減・予防を意図した「医薬品」に該当すると判断しました。
何が指摘されたか
指摘は大きく二つに分かれます。ひとつは前述の「疾病クレーム」で、ラベル表現だけでなく、企業が転載・掲載した顧客の体験談(testimonial)も、企業自身の主張とみなされて指摘の対象になった点が重要です。「自分たちが言った言葉ではない」という言い分は通りませんでした。もうひとつは、サプリメントのcGMP(21 CFR Part 111)に関する製造管理上の不備です。さらに、「Life Change Tea Super Strength」については、製造者・包装者・販売者の名称と所在地をラベルに記載していなかったことも、21 CFR 101.5に基づく虚偽表示(misbranding)として指摘されています。
日本企業が注意すべきこと
緑茶や健康茶、サプリメントを米国向けに販売する際は、ラベルだけでなく、ウェブサイトやSNS、そしてお客様の声(レビューや体験談)の扱いにも注意が必要です。特に「がんに効いた」「糖尿病が良くなった」といった第三者の声を自社サイトに掲載する行為は、企業自身が発信したものと同じ扱いを受けるリスクがあります。
- 「デトックス」「解毒」「〜を軽減」など、体の機能や症状に触れる表現がラベル・サイトにないか
- お客様の体験談・レビューの中に、病気の改善や治癒をうかがわせる内容が含まれていないか
- サプリメントとして販売する場合、cGMP(21 CFR Part 111)に沿った製造・記録管理ができているか
- ラベルに製造者・包装者・販売者の名称と所在地が正しく記載されているか(21 CFR 101.5)
表現ひとつが、輸出のリスクになる前に
今回の事例は、原料の伝統的な効能を紹介したい気持ちや、お客様の喜びの声を伝えたい気持ちが、そのまま規制上のリスクに変わってしまった例だと言えます。日本語では自然な「健康にいいお茶」という表現も、英語のラベルやサイトでは疾病クレームと受け取られる場合があります。
ワールドシフトでは、米国向け商品のラベル表現やウェブサイトの記載内容を、FDA規制の観点から事前にチェックするサポートを行っています。「このお茶の説明文、このままで大丈夫だろうか」「お客様の声をサイトに載せたいけれど、どこまでなら問題ないのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——