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表示・健康強調2017-04

抹茶(疾病クレーム)

表示・アレルゲン・健康強調(misbranding)

⚠ FDAが指摘した実例

「抹茶の点て方、効能はがん対策」——その一文が薬機法違反になった話

実例で学ぶ(実録)|抹茶・緑茶の「がんに効く」表示が招いた警告書

日本茶や抹茶は、もともと健康的な飲み物というイメージで語られやすい商品です。でも「健康にいい」を一歩越えて「病気に効く」と書いてしまうと、米国では食品でも薬でもない、扱いに困る商品になってしまう場合があります。今回は、実際にFDA(米国食品医薬品局)から警告書を受けた抹茶販売の実例をご紹介します。

はじめに——「効能」の一言が食品を薬に変えてしまう制度

米国のFD&C Act(連邦食品・医薬品・化粧品法)では、ある商品が「薬」かどうかは、成分ではなく「どう説明されているか」で決まる場合があります。販売者が「がんに効く」「病気の治療に使える」といった趣旨の表現を使うと、それだけでその商品は「病気の治療・予防・軽減を意図した製品」、つまり薬だとFDAに判断されることがあるのです。薬として扱われると、当然ながら薬としての承認手続き(FD&C Act第505条)が必要になります。承認を受けていなければ「未承認新薬」として指摘されてしまいます。

実際の例——抹茶の点て方紹介に添えられた「がんと闘う」という一言

2017年、FDAはNature's Treasures, Inc.という会社のウェブサイト(mynaturestreasures.net)を確認し、同年4月17日付で警告書を出しました。このサイトでは複数の製品が販売されており、その一つが「Matcha Tea(抹茶)」でした。

問題視されたのは、同社が発信していた「Art of making matcha green tea. Benefits…fights cancer.(抹茶の点て方。効能…がんと闘う)」という趣旨の表現です。FDAは、この一文があることで、この抹茶が「病気の治療・軽減・予防を意図した製品」、つまり薬だと判断しました。さらに、こうした病気への効果は本来、医師などの専門家の判断なしに一般の人が自己判断で使うべきものではないとされ、素人向けの「正しい使用方法の説明」を製品に記載すること自体が不可能だとされました。この結果、抹茶はFD&C Act第502条(f)(1)項に基づき「不正表示(misbranding)」、また同法第201条(p)項・第505条(a)項に基づき「未承認新薬」と判断されています。

出典(FDA Warning Letter)↗

なぜ問題なのか

「抹茶にはがんと闘う効能がある」という表現は、一見すると商品の魅力を伝える宣伝文句のように思えます。でもFDAの目線では、これは「この製品を飲めば病気に対処できる」というメッセージそのものです。しかも、その効果を裏付ける承認や科学的根拠の審査は経ていません。効能を語れば語るほど、その商品は食品から遠ざかり、「未承認の薬」に近づいていってしまう。これが今回のケースの核心です。

日本企業が注意すべきこと

日本茶や抹茶は「体にいい」というイメージが強く、生産者や販売者自身が善意で健康効果を語ってしまいがちです。でも「がん」「糖尿病」「認知症」といった具体的な病名を挙げて、その予防・改善・治療をイメージさせる表現は、米国向けの表示としては危険信号になる場合があります。点て方の紹介、商品説明、SNS投稿、パッケージのキャッチコピーなど、どこに書かれた一言でも同じように審査対象になり得ます。

  • 商品説明やSNSで「病気の名前」を出していないか
  • 「効く」「治す」「闘う」といった治療を連想させる言葉を使っていないか
  • 健康的なイメージを伝えたい場合、病気への言及を避けた表現に置き換えられているか
  • 点て方・飲み方の紹介ページなど、本文以外の箇所にも同様の表現が紛れ込んでいないか

表示のチェックは、輸出の前に済ませておきたいこと

抹茶や緑茶のように「健康にいい」というイメージが先に立つ商品ほど、うっかり病気への言及をしてしまいやすいものです。今回のケースのように、発信した一言が原因になることもあります。

ワールドシフトでは、米国向け商品説明・パッケージ表示の疾病クレームチェックもサポートしています。「うちの商品説明、これは大丈夫だろうか」「健康的なイメージは伝えたいけれど、どこまでなら書けるのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。

※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。

出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗

自社の商品で同じ指摘を受けないために——

WorldShift Trade Watch — 出典はFDA。