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医薬品的表現2025-08

美白美容液(ハイドロキノン配合)

医薬品的な効能表現・使えない成分

⚠ FDAが指摘した実例

「シミ・肝斑に」は化粧品では言えない?美白美容液が「未承認医薬品」とされた実例

実例で学ぶ(実録)|FDA公表:2025年8月1日付 Warning Letter

化粧品を米国へ輸出する際、多くの企業がまず気にするのはMoCRA(米国化粧品規制近代化法)の施設登録や製品リスティングです。しかし、実際にFDAの警告書(Warning Letter)で摘発される化粧品的な製品の多くは、登録の問題ではなく「効能表現」と「成分」が原因です。米国では、製品の表示や販売サイトの文言から「病気の治療・予防」や「身体の構造・機能への作用」を意図していると判断されると、化粧品のつもりで売っていた製品でも、法律上は「医薬品」として扱われます。今回は、FDAが2025年8月に公表した、ハイドロキノン配合の美白美容液に関する警告書をもとに、効能表現と成分のリスクを整理していきます。

実際の事例でFDAが指摘した内容

今回の警告書は、FDAの医薬品部門(CDER)が、英国ロンドンの販売会社に宛てて発出したものです。対象となったのは、ハイドロキノン2%を配合した美白系の美容液でした。

FDAが問題としたのは、製品の販売ページなどにあった次のような表現です。

  • 「明るくトーンアップする(lightens and brightens)」「色素沈着・肝斑・シミ・加齢によるシミに最適(Ideal for: Hyperpigmentation, Melasma, Dark Spots, Age Spots)」
  • 「頑固な色素トラブルには、ビタミンAとハイドロキノン(2%)を組み合わせたこの美容液」といった、成分の作用を打ち出す説明

FDAは、こうした表示を根拠に、この製品はFD&C法201条(g)にいう「医薬品」に該当すると判断しました。

そのうえで、OTC(市販薬)の皮膚漂白(skin bleaching)製品について、FDAは2006年の規則案で「安全かつ有効と一般に認められる(GRASE)とはいえない」との判断を示しており、ハイドロキノンを含むこの種の製品は、承認申請なしには販売できない扱いになっていると説明しています。

その結果、この美容液は「未承認新薬(unapproved new drug)」としてFD&C法505条(a)違反、あわせて502条(ee)のmisbranded(不正表示)と指摘され、15営業日以内に是正内容を書面で回答するよう求められました。

出典(FDA)↗

この事例から押さえたい2つの注意点

① 製品の区分は「何を配合したか」より先に「何を謳ったか」で決まる

1つ目は、米国では、化粧品か医薬品かの区分が、表示や販売ページの文言から判断されるという点です。

「治す」「改善する」だけでなく、「肝斑に」「色素沈着に」のように症状名を挙げて効果を示す表現も、医薬品としての意図(intended use)の証拠とされます。判断の対象には、製品ラベルだけでなく、自社サイトや関連サイトの説明文も含まれます。

日本国内で通用している訴求をそのまま英訳して使うと、米国では医薬品的な表現に該当してしまう場合があります。米国向けの表示は、日本語の販促文とは切り離して、米国の基準で確認しておくことが重要です。

② 成分がOTCで認められていない場合、表現を弱めても解決しない場合がある

2つ目は、成分そのものの位置づけです。

今回の事例では、ハイドロキノンを含むOTCの皮膚漂白製品というカテゴリ自体が、FDAの規則案で「GRASEでない」とされていることが摘発の根拠になっています。

このように、成分によっては、表現を調整するだけでは足りず、その成分を配合した製品を米国で販売できるのかどうか、という段階から確認が必要になる場合があります。

化粧品輸出の前に確認したいチェックポイント

同じような指摘を避けるために、米国向けの販売を始める前に、次の点を確認しておくことが重要です。

  • 製品ラベル・自社サイト・SNSの英語表現に、症状名や治療・改善を示す文言がないか
  • 配合成分が、米国のOTCモノグラフや規則でどう扱われているか(使える成分か、使えない成分か)
  • 「化粧品」として売れる範囲と、「OTC医薬品」の手続きが必要になる範囲の線引き
  • 日本の販促文をそのまま英訳して使っていないか

効能表現は、広告担当者が良かれと思って書き足した一文が原因になることもあります。米国向けの表示は、出稿・掲載の前にチェックする体制を整えておくことが大切です。

ワールドシフトなら、継続運用まで支援します

ワールドシフトでは、化粧品の米国輸出を検討している企業様向けに、MoCRAの施設登録・製品リスティングだけでなく、製品が化粧品とOTC医薬品のどちらに当たるかの確認や、効能表現のチェックポイントの整理まで含めたサポートを行っています。

「この成分は米国で使えるのか」「この表現は医薬品的表現にあたるのか」といった不安がある場合は、輸出前の段階でご確認いただくことをおすすめします。

※本記事は、FDAが公表したWarning Letter(一次情報)をもとに要点を日本語で整理したものです。企業名・正確な文言は、リンク先のFDA原文(英語)をご確認ください。記載の指摘はFDA発出時点のものであり、その後に是正・解決されている場合があります。本記事は一般的な情報提供であり、特定企業の評価を目的とするものではありません。

出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov・2025年8月1日付)↗

自社の商品で同じ指摘を受けないために——

WorldShift Trade Watch — 出典はFDA。