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フッ素歯磨き・多面OTC2024-11

ハイドロキシアパタイト歯磨き(子供用含む)

フッ素歯磨き等(虫歯予防のOTC医薬品)

⚠ FDAが指摘した実例

「フッ素フリー」の落とし穴。ハイドロキシアパタイト歯磨きが「未承認医薬品」になる理由

実例で学ぶ(実録)|FDA公表:2024年11月21日付 Warning Letter

日本では、ハイドロキシアパタイト配合の「フッ素フリー」歯磨きが人気です。しかし米国では、「虫歯予防」「プラーク除去」「歯を強くする」といった訴求をした瞬間に、その歯磨きはOTC医薬品(anticaries等)となり、使える有効成分はモノグラフで決められています。今回は、FDAが2024年11月に公表した、米国カリフォルニア州のオーラルケア企業への警告書をもとに、この論点を整理します。成分・表示・登録・製造管理の問題が一度に現れた、教材のような事例です。

実際の事例でFDAが指摘した内容

FDAは2024年4月に同社の製造施設を査察し、次の点を指摘しました。

  • 未承認医薬品——ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き・マウススプレー(子供用含む)について、「プラークを除去」「虫歯のない笑顔に」「歯を白く・強くする」等の表示から、OTCの虫歯予防(anticaries)・抗歯肉炎/抗プラーク医薬品にあたると判断。ハイドロキシアパタイトは虫歯予防のOTCモノグラフ(M021)で認められた有効成分ではないため、これらは未承認新薬(505条(a))であり、misbranded(502条(ee))にも該当する
  • Drug Facts欠落——ハンドサニタイザー製品のラベルにDrug Facts(医薬品表示)パネルがなく、misbranded(502条(c))
  • 登録・リスティング——施設登録が2023年12月31日に失効しており、対象製品もリスティング未提出(510条(j))。これによりmisbranded(502条(o))
  • cGMP——原料の受け入れが目視確認のみでCOA(試験成績書)もレビューせず、グリセリンについて有害不純物DEG/EGを検出できるUSPの同定試験を実施していない。完成品の出荷試験も行われておらず、品質部門も機能していなかった

FDAは、再三の要請にもかかわらず同社から回答を受け取っていない、とも記載しています。

出典(FDA)↗

この事例から押さえたい2つの注意点

① 「フッ素フリー」の代替成分は、米国では未承認扱いになり得る

日本での差別化ポイント(フッ素の代わりにハイドロキシアパタイト)が、米国では「モノグラフに収載されていない有効成分」=未承認、という逆方向の評価になることがあります。訴求したい効果と、その効果を担う成分がモノグラフで認められているかは、必ずセットで確認が必要です。逆に、効果を謳わなければ化粧品として扱える余地もあり、この線引きの設計が輸出戦略そのものになります。

② 登録・リスティングは「一度出したら終わり」ではない

この事例では、施設登録が年末の更新を経ずに失効していました。米国の医薬品登録・リスティングには年次の更新・認証があり、切れると製品がmisbranded扱いになります。担当者の異動などで更新が漏れやすいポイントなので、更新カレンダーを仕組みとして持っておくことが重要です。

輸出前に確認したいチェックポイント

  • 訴求している効果(虫歯予防・美白・歯茎ケア等)と、OTCモノグラフの対応関係
  • 配合成分がモノグラフに収載された有効成分か
  • Drug Facts表示の要否と内容
  • 施設登録・製品リスティングの更新カレンダー管理
  • グリセリン等の高リスク原料に対するUSP同定試験(DEG/EG)

オーラルケアは「化粧品と医薬品の境界」が最も細かく分かれるカテゴリです。製品ごとの判定をおすすめします。

ワールドシフトなら、継続運用まで支援します

ワールドシフトでは、歯磨き・オーラルケア製品の米国輸出にあたって、化粧品/OTC医薬品の区分判定、成分のモノグラフ適合確認、登録・リスティングと年次更新の運用まで含めてサポートしています。「この訴求は米国でできるのか」という段階から、お気軽にご相談ください。

※本記事は、FDAが公表したWarning Letter(一次情報)をもとに要点を日本語で整理したものです。企業名・正確な文言は、リンク先のFDA原文(英語)をご確認ください。記載の指摘はFDA発出時点のものであり、その後に是正・解決されている場合があります。本記事は一般的な情報提供であり、特定企業の評価を目的とするものではありません。

出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov・2024年11月21日付)↗

自社の商品で同じ指摘を受けないために——

WorldShift Trade Watch — 出典はFDA。