ランチドレッシング(大豆未表示)
表示・アレルゲン・健康強調(misbranding)
⚠ FDAが指摘した実例「シーザー」のはずが、容器の中身は違っていた——ドレッシング大豆未表示事件
サラダドレッシングを作っていた米国の食品メーカーが、ある日「大豆」の表示漏れでFDAから警告書を受け取りました。原因は、工程の途中で使う容器のラベル管理ミスでした。日本の食品輸出者にとっても、他人事ではない話です。
はじめに——米国の「主要アレルゲン」表示制度
米国では、食品に含まれる主要アレルゲン(米国で必ずラベル表示が義務づけられた食物)を、成分表示のどこかにきちんと書くことが法律で決まっています。大豆(soy)は、この主要アレルゲンの一つです。もし製品の中に大豆が入っているのに、ラベルにその表示がなければ、それだけで「不適切な表示(misbranding)」とみなされてしまいます。中身がどれだけ安全でも、表示が抜けているだけで違反になる、というのがこの制度の厳しいところです。
実際の例——ドレッシング容器の取り違え
今回のケースは、Litehouse, Inc.という会社が製造していた「Simple Truth」ブランドのプラントベース・ランチドレッシングで起きました。FDAによると、この製品はリコール(自主回収)の対象になっています。原因は、工程の途中で使う中間容器(ワークインプロセス用の大型容器)のラベル管理ミスでした。本来はシーザードレッシング用だった容器が、プラントベース・ランチドレッシング用の容器と取り違えられ、大豆を含むシーザードレッシングの中身が、大豆表示のないランチドレッシングのパッケージに詰められてしまったのです。さらにFDAは、この会社が2021年にも、同じようなラベル取り違え・充填ミスによるアレルゲン未表示のリコールを2件起こしていたことを指摘しています。
なぜ起きたのか
FDAは、この会社が21 CFR Part 117(食品の適正製造規範・予防管理に関する規則)が求める予防管理を、十分に実施できていなかったと判断しました。具体的には、アレルゲンのような重大なリスクに対しては、工程のどこかでミスが起きても製品に混入しないよう、あらかじめ仕組みで防ぐ管理(予防管理)が必要です。今回は、容器のラベル表示や工程管理という、いわば「基本の確認作業」の部分に穴があったことが、繰り返しのリコールにつながったとみられます。
日本企業が注意すべきこと
大豆は、日本の食品にとても身近な原料です。醤油、味噌、豆腐、豆乳、多くの調味料やたれに使われています。そのため「うちの製品にも実は大豆が入っている」というケースは、加工食品を輸出する日本企業にとって珍しくありません。今回のように、製造ラインの途中で容器やラベルを取り違えるミスは、規模の大小に関わらずどの工場でも起こり得ます。輸出前には、次のような点を確認しておくことが大切です。
- 最終製品のラベルに、含まれている主要アレルゲン(大豆を含む)がすべて記載されているか
- 製造工程の途中で使う中間容器やタンクについても、中身とラベルが一致する仕組みになっているか
- 過去に似たようなラベル・充填ミスが一度でも起きていないか、その原因が仕組みとして解消されているか
表示ミスは、仕組みで防ぐもの
今回の警告書が示しているのは、「うっかりミス」であっても、それが繰り返されれば会社としての管理体制そのものが問われるということです。ラベルの内容だけでなく、工程の途中で中身とラベルがずれない仕組みを作っておくことが、結果的に輸出をスムーズにする近道になります。
ワールドシフトでは、輸出前の製品ラベルにおけるアレルゲン表示のチェックや、工程上のラベル管理体制の確認もサポートしています。「うちの醤油ベースのたれには、大豆表示は必要なのだろうか」「工程の途中で容器を使い回しているが、これは問題になるのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——