スナック菓子(外国製造者)
表示・アレルゲン・健康強調(misbranding)
⚠ FDAが指摘した実例「原材料表示」を書き忘れただけで、輸入ストップに——外国製スナック菓子の警告書に学ぶ
米国向けに食品を送り出すとき、パッケージの「表示」がすべて完璧に見えても、FDA(米国食品医薬品局)の基準では不十分と判断されることがあります。今回は、スナック菓子を製造していた海外メーカーが受け取った警告書を例に、どんな点が指摘されたのかを見ていきます。
はじめに——食品表示のルール「21 CFR 101」とは
米国では、食品のラベル表示について「21 CFR 101(連邦規則集タイトル21・パート101)」という細かいルールが定められています。内容量の書き方、原材料の並べ方、アレルゲンの表示方法など、日本の感覚では「そこまで細かく決まっているの?」と驚くほど具体的です。ここに違反すると、製品そのものに問題がなくても「misbranding(表示不備)」として扱われ、輸入が止められてしまいます。
実際の例——National Food Industries, LLCのケース
2022年8月18日付でFDAが発出した警告書によると、対象となったのはアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに拠点を置くNational Food Industries, LLCという会社です。2022年3月14日から18日にかけて、同社のレディ・トゥ・イート(そのまま食べられる)スナック菓子の製造施設が査察を受けました。指摘された製品は「Mr. Krisps」ブランドのサラダチップス、ピザ味チップス、チーズボールでした。
なぜ問題なのか——指摘された中身
警告書で挙げられた指摘は、主に次のような内容でした。
サラダチップスとチーズボールは、パッケージの正面(主表示面)に「内容量」が表示されておらず、21 CFR 101.7に違反しているとされました。ピザ味チップスについても、内容量をポンド・オンス表記で記載していなかった点が、21 CFR 101.7(b)(1)違反として指摘されています。さらに、サラダチップスとピザ味チップスは「原材料が一つひとつ正しく表示されていない」として、21 CFR 101.4にも抵触するとされました。加えてこれらの製品は、「未申告のアレルゲンを含む、またはアレルゲン表示が不適切な食品」を対象とするFDAのインポートアラート(輸入警告)#99-22の対象にもなり、米国の税関で現物確認なしに留め置かれる(Detention Without Physical Examination)状態に置かれています。
日本企業が注意すべきこと
今回のケースは海外メーカーの事例ですが、日本のスナック・菓子メーカーが米国輸出を考えるときにも、同じ落とし穴があります。「日本の商品パッケージをそのまま英語に訳しただけ」という表示は、米国の細かいルールに合っていないことが少なくありません。内容量の単位、原材料の表記順、アレルゲンの明記など、一つでも抜けていると、今回のように輸入の入り口で止められてしまいます。
- 内容量は、米国式(ポンド・オンスなど)の単位で、パッケージの正面に正しく表示されているか
- 原材料は、使用しているものすべてを漏れなくラベルに記載しているか
- アレルゲン(乳・卵・小麦・大豆・ピーナッツなど)の表示に抜けや誤りがないか
表示の見落としが、輸出全体を止めてしまう
今回の事例からわかるのは、「製品の品質」以前に「表示の書き方」だけで輸入が止まってしまうということです。パッケージデザインを作り込む前に、米国の表示ルールに沿っているかどうかを一度確認しておくことが大切です。
ワールドシフトでは、米国向け食品パッケージの表示内容が21 CFR 101の要件を満たしているかどうかの確認もサポートしています。「うちのスナックのラベル、このまま米国に送って大丈夫?」「アレルゲン表示はこの書き方で正しい?」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——