価格改定はどこまで自動?下限価格と追従の決め方

Amazonの価格改定はどこまで自動にしていい?下限価格の設定と、ライバルの値下げへの追従を決める方法

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出品数が増えてきて、ライバルの値下げに毎日手作業で合わせるのが追いつかなくなってきた。価格改定ツールを使えば楽になりそうだけど、全部を自動にして、気づいたら赤字の価格で売れていた……ということにならないか心配——。

出品数が増えてきた方から、よく聞く悩みです。

「価格改定は、どこまで自動にしていいの?」

この記事では、Amazonの価格改定を自動にするときに決めておくこと、ライバルの値下げにどこまで合わせるかの判断、自動に任せる範囲の決め方を、実務の視点で整理します。Amazon以外の販売先で価格改定ツールを使う場合にも同じ考え方が使えます。

価格改定を自動にするときの考え方

価格改定は、「全部自動」か「全部手動」かで考えないのがポイントです。通常の値動きは自動に任せ、例外的な動きは人が判断する。この分け方で運用すると、手間を減らしながら利益も守れます。

そのために、自動にする前と後で、次のことを決めておきます。

自動価格改定ツールに任せられること

出品数が増えると、ライバルの価格の変動に手作業で対応し続ける負担は大きくなります。数十、数百の商品の価格を毎日見て、1つずつ変えるのは現実的ではありません。

自動価格改定ツールを使うと、設定した条件に沿った価格の調整を任せられます。Amazonのセラーセントラルにも価格を自動で調整する機能があり、外部の価格改定ツールもあります。

ただし、ツールが自動でしてくれるのは、あくまで「設定した条件どおりに価格を動かす」ことです。どこまで下げてよいか、誰の価格に合わせるかを決めるのは自分です。条件の設定が間違っていれば、ツールは間違った価格を自動で付け続けます。

自動にする前に、商品ごとの下限価格を決める

自動にする前に、いちばん大切なのが下限価格の設定です。下限価格とは、自動改定でもこれより下には下げない価格のことです。

下限価格は、仕入れ値・送料・関税・販売手数料などをすべて含めて、必要な利益が残る価格にします。商品ごとに費用が違うので、商品ごとに決めます。全商品に同じ割引率をかけるような決め方では、利益が残らない商品が出てきます。

下限価格の計算例

米Amazonで販売する商品で、次の費用がかかる場合を考えます。

項目金額
仕入れ値20.00ドル
国際送料(1個あたり)4.00ドル
関税2.50ドル
FBA手数料5.00ドル
必要な利益3.00ドル
販売手数料売値の15%
下限価格約40.60ドル

下限価格の出し方

下限価格 =(費用の合計 + 必要な利益)÷(1 − 販売手数料率)

この例では、(20+4+2.5+5+3)÷(1−0.15)= 約40.59ドル。切り上げて40.60ドルを下限にします。

販売手数料は売値に対してかかるので、費用を足すだけでは足りません。上の式のように、手数料率で割り戻して計算します。

必要な利益を0にした「これより下げると赤字になる価格(赤字ライン)」の出し方と、そこまで段階的に値下げする方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

赤字ラインの出し方を詳しく解説Amazonの在庫処分プログラムに出すと、いくら戻る?処分の前に「赤字ライン」までの値下げを試す

誰の価格と比べるかを決める

自動価格改定は、ライバルの価格を見て自分の価格を動かします。そのため、誰の価格を比べる相手にするかが大切です。同じ商品ページでも、出品の条件が違うライバルの価格に合わせると、必要以上に安くなることがあります。

比べる相手を決めるときに確認すること:01 商品の状態(新品と中古、中古の中でも状態の違い)、02 送料込みの価格(商品の価格は安くても、送料を足すと自分より高い。例:40ドル+送料20ドル=60ドル)、03 FBAか自己発送か(FBAは配送が早く購入者からの信頼が高い。自己発送は自分で梱包・発送し、出品者によって配送品質に差がある)、04 配送予定日(すぐ届く出品と、届くまで日数がかかる出品。例:2〜3日でお届けと、2〜3週間でお届け)

こうした違いを踏まえて、使うツールで、比べる相手の条件をどこまで指定できるかを確認します。たとえば、FBAで出品しているのに、届くまで数週間かかる自己発送の出品の価格まで追いかける必要はありません。

ライバルの値下げに、どこまで追従するか

自動価格改定で迷いやすいのが、ライバルが値下げしたときに、どこまで合わせるかです。状況ごとに考え方を分けます。

1人の出品者が急に値下げしたとき

1人の出品者が急に値下げしても、必ず追従する必要はありません。在庫を早く現金にしたい出品者が、一時的に価格を下げているだけのこともあります。

その値下げが一時的なものか、相場全体の下落かを、次の3つから判断します。

  • 価格履歴:過去にも同じような値下げがあり、そのあと戻っているか
  • 競合の状況:値下げしているのは1人だけか、ほかの出品者も続いているか
  • 自分の売れ行き:値下げのあとも、自分の在庫は売れているか

複数の出品者が値下げしているとき

複数の出品者が値下げしている場合は、相場そのものが下がっている可能性があります。この場合も、すぐに追従するのではなく、下限価格と販売実績を確認してから、次のどれにするかを決めます。

判断向いている状況
価格を維持する自分の在庫は今の価格でも売れている
追従する下限価格の範囲内で、追従すれば売れる見込みがある
追加の仕入れを止める下がった相場では利益が残らない

判断するときは、利益と、資金の回収の両面から考えます。利益を守るために価格を維持しても、売れずに資金が戻らなければ、次の仕入れができなくなります。

価格が戻るのを待つとき

Keepaなどで過去の価格の推移を見ると、「前にも下がって、また戻っている」ことが分かる場合があります。過去の推移は参考になりますが、価格が戻る保証はありません。

待つと決めた場合は、保管費や資金の余裕を踏まえて、いつ見直すかを決めておきます。期限を決めずに待ち続けると、そのあいだも保管費がかかり、長期保管の手数料の対象に近づいていきます。

FBAに長く置いたときに保管費がいつから、いくら増えるかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

保管費の増え方を詳しく解説FBAの長期保管手数料はいつから、いくらかかる?保管日数ごとの基準と、手数料がかかる前の対策

自動にする範囲と、人が判断する範囲を分ける

ここまでの内容を、自動に任せる範囲と、人が判断する範囲に分けると、次のようになります。

自動に任せる範囲と人が判断する範囲:自動に任せるのは通常の値動き(下限価格の範囲内での小さな価格の上げ下げ)で、設定した条件どおりにツールが調整する。人が判断するのは、価格が急に下がった商品(一時的か、相場全体の下落かを確認する)、下限価格に達した商品(維持・追従・仕入れ停止のどれにするか決める)、売れ残っている商品(値下げ・見直す時期・割引を決める)

自動改定で下限価格に張り付いたまま動かない商品は、ツールに任せたままにせず、一覧で拾い出して個別に確認します。

これまでの経験から

コンサルティングで相談を受けると、自動改定を入れたあと、下限価格を一度も見直さずに半年たっていた、ということがよくあります。仕入れ値や送料が変われば、下限価格も変わります。自動にしたあとこそ、「例外」を見る時間を毎週少しでも取ることが、利益を守るいちばんの近道です。

数値と折れ線が並ぶ分析画面

売れ残りを、まとめて拾い出す

米AmazonリサーチツールPROFiNDER

30・60・90日売れていない滞留在庫を抽出し、Amazonに登録した最低価格を割らないか確かめながらまとめて値下げ。値下げの履歴が残るので、同じ商品を重ねて下げすぎるのも防げます。

PROFiNDERを見る →

設定したあとも、定期的に確認する

自動価格改定は、設定したら終わりではありません。販売数・利益・価格履歴を定期的に確認し、設定が今の状況に合っているかを見直します。

特に確認したいのが、値下げだけでなく、値上げにも対応する設定になっているかです。

  • ライバルが値上げしたとき、自分の価格も上がる設定になっているか
  • ライバルが欠品して出品者が減ったとき、価格が上がる設定になっているか

値下げにしか反応しない設定だと、相場が戻っても自分だけ安い価格のまま売り続けることになります。必要以上に安い価格を続けないように、上がる方向の設定も確認します。

最安値でも売れない商品は、割引して資金に変える

最安値に設定しても、長いあいだ売れない商品もあります。その場合は、自動改定に任せて待ち続けるのではなく、30%、50%と割引して、在庫を資金に変えることも大切です。

売れない商品を持ち続けるほど、保管費はかかり続け、資金も在庫に止まったままです。割引して現金に戻せば、その資金で売れる商品を仕入れられます。

割引しても売れない場合に、処分や返送とどちらが多く戻るかの比べ方は、記事の前半でも紹介した在庫処分の記事で詳しく解説しています。

値下げと処分の比べ方を詳しく解説Amazonの在庫処分プログラムに出すと、いくら戻る?処分の前に「赤字ライン」までの値下げを試す

まとめ

価格改定は、通常の値動きは自動、例外は人が判断するという分け方で運用します。

  • 自動にする前に、仕入れ・送料・関税・手数料を含めて必要な利益が残る下限価格を、商品ごとに決める
  • 商品の状態・送料込みの価格・FBAか自己発送か・配送予定日を踏まえて、比べる相手の条件を決める
  • 1人の急な値下げに必ず追従する必要はない。一時的か相場全体の下落かを、価格履歴・競合・自分の売れ行きで判断する
  • 複数の出品者が値下げしているときは、下限価格と販売実績を見て、維持・追従・仕入れ停止を決める
  • 価格が戻るのを待つときは、見直す時期を決めておく
  • 急落・下限到達・売れ残りは人が個別に確認し、値上げにも反応する設定かを定期的に見直す
  • 最安値でも長く売れない商品は、30%・50%と割引して資金に変える

よくある質問

Amazonの価格改定は、どこまで自動にしていいですか?

通常の値動きへの対応は自動に任せ、急落した商品、下限価格に達した商品、売れ残っている商品などの例外は、人が個別に判断する運用がおすすめです。

自動価格改定の下限価格は、どう設定すればいいですか?

仕入れ値、送料、関税、販売手数料、FBA手数料などの費用をすべて含めたうえで、必要な利益が残る価格を商品ごとに設定します。

ライバルが急に値下げしたら、必ず追従するべきですか?

必ず追従する必要はありません。1人の出品者による一時的な値下げか、相場全体の下落かを、価格履歴・競合の状況・自分の売れ行きから判断します。

Keepaで価格が戻っていれば、値下げせずに待ってもいいですか?

過去の価格の推移は参考になりますが、価格が戻る保証はありません。待つ場合は、保管費や資金の余裕を踏まえて、見直す時期を決めておきます。

最安値にしても売れない商品はどうすればいいですか?

長期間売れない場合は、30%、50%と割引して、在庫を資金に変えることも大切です。持ち続けるほど保管費がかかり、資金も在庫に止まったままになります。

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米Amazon輸出コンサルティング

任せるところは任せて、
判断すべきところで迷わない運用をつくる。

どこまで自動にして、どこを自分で見るかは、商品数や扱う商品で変わります。ワールドシフトは、米Amazon輸出を一から教え、年商1億円に届いた方も出してきたコンサルティングと、FBA納品の物流を長年続けてきました。

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