
動物の素材を使った商品は海外に売れる?象牙・べっ甲・革製品など、CITES輸出許可書が関係する素材の見分け方と、国内で売る判断
状態のよい古い三味線や、ワニ革の財布、べっ甲のかんざしを仕入れた。日本の品物は海外でも人気があり、アメリカのAmazonで売れば高く売れそうだ。ところが出品の準備をしているときに、三味線の撥や糸巻きに象牙が使われているかもしれないと気づいた。国内では普通に売られているものだけれど、海外に送っても大丈夫なのだろうか——。
動物の素材を使った商品は、国内では売れるものでも、国外に出す瞬間に扱いが変わることがあります。象牙やべっ甲のように、海外へ販売できない素材もあり、商品の一部の部品に使われているだけでも関係します。
「動物の素材を使った商品を、海外に売ってもいいの?どんな素材に注意すればいいの?」
この記事では、象牙・べっ甲・革製品などを例に、動物の素材を使った商品を海外に売れるか、注意が必要な素材の見分け方、海外で売れない場合に国内で売る判断を整理します。
動物の素材を使った商品を考えるときの考え方
動物の素材を使った商品は、何の動物を使っているかで、海外へ販売できるかが変わります。象牙やべっ甲のように海外へ販売することが原則としてできない素材もあれば、種類や由来によって条件が変わる素材もあります。
そして、商品の一部の部品に使われているだけでも対象になることがあります。海外で売れないと分かった商品は、国内で売ることを考えます。
やること
象牙・べっ甲など、海外へ販売できない素材がある
野生の動植物の国際取引は、ワシントン条約(CITES)で規制されています。対象の動植物を使った商品を輸出するには、原則として輸出国の許可書(CITES輸出許可書)などが必要です。
このうち、附属書Ⅰに掲載される種は、商業目的の国際取引が原則禁止されています。象牙(ゾウ)やべっ甲(タイマイの甲羅)も、商業目的の国際取引は原則として認められていません。加工した製品も規制の対象です。
- 例外的な取り扱いはあるが、「中古だから」「古いものだから」という理由だけで輸出できるわけではない
- 日本は、1994年に条約の留保を撤回し、べっ甲(タイマイの甲)の輸入を認めていない
海外の購入者へ販売する目的では、象牙・べっ甲を使った商品は輸出できないと考えて、海外販売を前提に安易に仕入れないことが大切です。
小さな部品に使われていても対象になる
三味線や和装小物には、商品本体だけでなく、小さな部品に象牙やべっ甲が使われていることがあります。部品だけの使用でも、規制の対象になることがあります。
三味線のほかにも、べっ甲のかんざしなど、和装小物に使われていることがあります。商品のどこに、何が使われているかまで確認しましょう。
革や毛など、動物の種類で扱いが変わる素材
三味線の胴に張られた皮、ワニ革・ヘビ革のバッグや財布、毛皮の製品、動物の毛を使った筆やブラシなども、素材の確認が必要です。
ただし、動物由来の素材を使っている商品が、すべて輸出できないわけではありません。動物の種類によって条件が異なります。米国へ販売用の商品を送る場合の例は、次のとおりです。
| 素材 | CITESの対象か |
|---|---|
| アフリカゾウの象牙 | 対象 |
| タイマイの甲羅(べっ甲) | 対象 |
| ワニ類の皮 | 対象(種類や由来によって条件が異なる) |
| ニシキヘビ類の皮 | 対象 |
| 家畜の牛の皮 | 通常は対象外 |
| 家畜の羊・ヤギ・馬の毛や皮 | 通常は対象外 |
※牛・羊・ヤギ・馬は、通常の家畜由来であることが前提です。野生の個体や別の種では、扱いが変わります。
また、「CITESの対象外=手続きなしで輸入できる」ではありません。米国独自の規制や動物検疫が関係する場合があります。たとえば、犬・猫の毛皮の製品は、CITESとは別の米国の法律で輸入が禁止されています。
また、ワニ類やニシキヘビ類など野生動物の製品を販売目的で米国へ輸入するには、CITESの書類に加えて、原則として米国魚類野生生物局(USFWS)の輸入業者のライセンスと、輸入の申告(Form 3-177)が必要です。
仕入れる前に「何の動物の、どの部分か」を確認する
仕入れる前に、何の動物の、どの部分を使っているのかを確認しましょう。
- 表示だけで判断しない:「天然毛」「本革」といった表示だけでは、何の動物かは判断できない
- 仕入れ先・メーカーに確認する:動物の種類と、素材の入手の経緯を確認する
- 資料を残す:説明書や証明の資料を、商品ごとに保存しておく
中古品や古い品物は、素材が分からないこともあります。素材が確認できない商品は、海外販売の対象にしないのが安全です。
相手国とAmazonのルールは、別に確認する
日本から輸出できることと、相手国で輸入・販売できることは別です。日本から輸出できても、相手国では輸入が禁止されていたり、追加の許可や証明書が必要だったりする場合があります。
さらに、輸出・輸入できることと、Amazonで販売できることも別です。法律上の条件に加えて、販売先のAmazonの出品ルールも確認しましょう。象牙のように、Amazonの出品ルールでも販売が認められていない素材があります。


出品できる商品かを、仕入れる前に
米AmazonリサーチツールPROFiNDER
米Amazonで出品できる商品かを、仕入れる前に確認できます。素材がワシントン条約の対象に当たるかは、この記事の手順で別に確認し、出品できない商品を仕入れてしまうことを防ぎましょう。
PROFiNDERを見る →楽器証明書は、販売には使えない
CITESには、楽器証明書という制度があります。これは、演奏や展示などのために楽器を持ち出し、日本へ持ち帰るための、非商業目的の制度です。
そのため、海外で販売するためや、AmazonのFBAへ販売用の在庫として送るためには使えません。演奏のための持ち出しと、販売目的の輸出は別のものとして考えましょう。
海外で売れないものは、国内で売る判断をする
素材を確認した結果、海外で売れないと分かった商品は、国内で売ることを考えます。
国内で売る場合も、ルールがあります。象牙製品の販売には、種の保存法にもとづく事業者の登録(特別国際種事業者)が必要です。べっ甲は、甲羅の一部・端材・半加工品を業として取引するには届出が必要で、全形を保った甲羅は1点ごとの登録が必要です(眼鏡やかんざしなどの完成品は対象外)。国内で販売する前に、環境省・経済産業省の案内で確認しましょう。
海外で売れない商品を在庫として抱えないためにも、仕入れる前に素材を確認することがいちばんの対策です。
まとめ
動物の素材を使った商品は、何の動物を使っているかで海外へ販売できるかが変わります。象牙やべっ甲のように海外へ販売できない素材もあるので、部品の素材まで確認し、海外で売れないものは国内で売る判断をしましょう。
- 象牙やべっ甲は、ワシントン条約(CITES)で商業目的の国際取引が原則として認められていない。加工した製品も対象で、中古・古いものでも同じ
- 撥・糸巻き・駒、かんざしなど、小さな部品に使われていても対象になることがある
- ワニ類・ニシキヘビ類の皮もCITESの対象。家畜の牛・羊・ヤギ・馬は通常は対象外だが、相手国の規制や動物検疫は別に確認する
- 仕入れる前に、何の動物の、どの部分かを確認し、資料を残す。「天然毛」「本革」の表示だけで判断しない
- 輸出できることと、相手国で輸入できること、Amazonで販売できることは別
- 楽器証明書は、演奏や展示のための非商業目的の制度で、販売には使えない
- 海外で売れないものは国内で売る判断をする。国内の取引のルールも確認する
よくある質問
象牙が使われた古い三味線など、動物の素材を使った商品を海外に売ってもいいですか?
何の動物の素材かで変わります。象牙やべっ甲は、ワシントン条約(CITES)で商業目的の国際取引が原則として認められておらず、「中古だから」「古いものだから」という理由だけで輸出できるわけではないので、海外へ販売しないのが基本です。家畜の牛の革のように、通常はCITESの対象外の素材もあります。
撥や糸巻きなど、一部の部品だけに象牙が使われていても対象ですか?
対象になることがあります。商品本体だけでなく、撥・糸巻き・駒など小さな部品に使われている場合も、規制の対象になる場合があります。
動物の皮や毛を使った商品は、すべて輸出できませんか?
すべてではありません。ワニ類やニシキヘビ類の皮はCITESの対象ですが、家畜の牛・羊・ヤギ・馬の皮や毛は通常は対象外です。ただし、CITESの対象外でも、相手国独自の規制や動物検疫が関係する場合があります。
CITESの楽器証明書があれば、販売用に送れますか?
送れません。楽器証明書は、演奏や展示などのために楽器を持ち出し、日本へ持ち帰る非商業目的の制度です。海外での販売や、AmazonのFBAへの販売用の在庫の納品には使えません。
輸出できる素材なら、Amazonで販売できますか?
別に確認が必要です。法律上の輸出・輸入の条件に加えて、販売先のAmazonの出品ルールも確認します。

米AmazonFBA納品代行サービス SLC
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