物販の開業届いつ出す? 法人化を判断するときに比べること

物販の開業届はいつ出す?副業のAmazon輸出で考える提出のタイミングと、法人化を判断するときに比べること

公開日 最終更新日

副業で始めたAmazon輸出が、月30万円ほどの売上になってきた。そろそろ開業届を出したほうがいいのか。売上がもっと増えたら、法人にしたほうが得なのか。どこかに「この金額を超えたら法人化」という線があるのか——。

開業届と法人化は、どちらも「事業を始める・広げる」ときの手続きですが、判断に使う材料が違います。

「開業届はいつ出せばいい?法人化はどう判断するの?」

この記事では、開業届の役割と出すタイミング、あわせて考える届出、法人化を判断するときに比べることを整理します。

開業届と法人化を考えるときの考え方

開業届は、事業を始めた段階で考える手続きです。一方の法人化は、売上の金額だけでは決まりません。利益や税金、社会保険料、会社の維持費、今後の事業の方針まで含めて判断します。

開業届とは、事業を始めたことを税務署に知らせる書類

開業届は、個人で事業を始めたことを税務署に知らせるための書類です。開業日・事業の内容・屋号などを書きます。

手続き内容提出後の立場
開業届個人で事業を始めたことを税務署に知らせる個人事業主
法人化会社を設立し、個人で行っていた事業を会社として運営する会社(法人)

開業届は法人を設立する手続きではありません。提出したあとも、個人事業主として活動します。

開業届は、事業を始めた段階で準備する

個人の事業としてAmazon輸出を始める場合は、開業届を提出します。利益が一定の額になるまで待つのではなく、事業を始めた段階で準備しましょう。

国税庁の案内では、開業届は事業を開始した日の属する年分の確定申告期限までに提出することとされています。

青色申告は、別に申請が必要

開業届を出すだけで、青色申告になるわけではありません。青色申告を希望する場合は、別に「青色申告承認申請書」を提出します。

原則として、その年の1月16日以後に開業した場合は、開業日から2か月以内に申請します。

輸出なら、消費税の選択もあわせて考える

輸出をしている場合は、開業届とあわせて、消費税の課税事業者を選ぶかどうかも考えておきます。選び方によって、翌年以降の納税や還付が変わります。

課税事業者を選ぶかどうかの判断と、届出の縛りは、こちらの記事で詳しく解説しています。

課税事業者の選び方を詳しく解説輸出をしているなら課税事業者を選ぶべき?免税事業者とどっちがいいかの判断と、消費税課税事業者選択届出書の2年の縛り

法人化は、売上ではなく税金と社会保険料の合計で比べる

法人化を検討する理由の一つに、税負担を抑えられる可能性があります。ただし、法人化すれば必ず得になるわけではありません。

比べるときは、売上ではなく、経費を差し引いた利益をもとに、次の合計を比べます。

法人化を決める前に比べたい4つのこと:01 税金(個人のままの場合と、会社+役員報酬にかかる税金を比較)、02 社会保険料(個人のままの場合と、会社負担+本人負担の合計を比較)、03 設立・維持の費用(設立費用・法人住民税の均等割、決算・申告の費用などを見積もる)、04 利益の継続と事業計画(通常の月も含む年間利益と資金繰り、卸取引・雇用・自社ブランドなどの方針)。売上額だけで決めず、年間の負担と今後の計画で判断。※個人・法人それぞれの負担は、税理士に試算を依頼して比較。

「月の売上が〇〇万円を超えたら法人化」という一律の線はありません。税理士に個人・法人それぞれの年間の負担を試算してもらうと、比べやすくなります。

法人化すると増える負担

法人化すると、設立の費用や、続けてかかる負担が増えます。

増える負担内容
会社の設立費用設立の登記などにかかる費用
法人住民税の均等割原則として、赤字でもかかる
社会保険料の会社負担会社として負担する分が生じる
決算・申告の費用税理士へ依頼する場合の費用

税負担が減っても、維持費が増えて仕入れの資金が足りなくなるなら、時期を見直す必要があります。

今の利益が続くか、事業で何をしたいかも判断材料

Amazonの物販では、今の利益がこれからも続くかを確認することが大切です。出品の制限やアカウントの停止、競合の増加などで売上が落ちた場合も、会社の維持費を払い続けられるかを考えましょう。

一時的な好調だけで判断せず、通常の月も含めた年間の利益と資金繰りを確認します。

税金のほかに、今後の事業の方針も判断材料になります。

  • 卸の取引を広げたい
  • 人を雇いたい
  • 自社のブランドを育てたい

会社として何を実現したいかを整理し、直近1年の実績と今後の計画をもとに判断しましょう。

まとめ

開業届は事業を始めた段階で準備し、法人化は個人と法人の年間の負担や事業の方針を比べて判断します。

  • 開業届は、個人で事業を始めたことを税務署に知らせる書類。法人の設立ではない
  • 開業届は、利益が出るまで待たず、事業を始めた段階で準備する
  • 青色申告は別に申請が必要。輸出なら消費税の課税事業者の選択もあわせて考える
  • 法人化は売上ではなく、利益をもとに税金と社会保険料の合計で比べる。一律の線はない
  • 設立費用、赤字でもかかる均等割、社会保険料の会社負担、決算・申告の費用が増える
  • 利益が続くか、事業で何をしたいかも含め、税理士の試算をもとに判断する

よくある質問

開業届を出すと、法人になりますか?

なりません。開業届は、個人で事業を始めたことを税務署に知らせるための書類です。提出後も個人事業主として活動します。

開業届は、利益が出てから出せばいいですか?

利益が一定額になるまで待つのではなく、事業を始めた段階で準備します。国税庁の案内では、事業を開始した日の属する年分の確定申告期限までに提出することとされています。

開業届を出せば、青色申告になりますか?

なりません。青色申告を希望する場合は、別に「青色申告承認申請書」が必要です。原則として、その年の1月16日以後に開業した場合は、開業日から2か月以内に申請します。

売上がいくらになったら法人化すべきですか?

売上額だけで決まる一律の線はありません。経費を差し引いた利益をもとに、会社・個人それぞれの税金と社会保険料を合わせて比べ、会社の維持費や今後の事業の方針も含めて判断します。

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※本ページは一般的な情報提供を目的としたものです。届出の期限や税金・社会保険料の扱いは、個人の状況や制度の改正によって異なります。個別の判断は、税務署・税理士にご確認ください。