
Importer of Record(IOR)とは?FBAへ送る前に「輸入者は誰か」を決める方法と、輸入者代行の選び方
海外のFBAへ商品を送ろうとしたら、配送会社から「Importer of Record(IOR)は誰になりますか?」と聞かれた。インボイスに書く名前のことだと思っていたら、どうやらそれだけではないらしい——。
海外のAmazonや現地の倉庫に在庫を送るとき、多くの方がここで手が止まります。そして、次の疑問にぶつかります。
「輸入者(IOR)は、誰にすればいいの?」
「自分がなるべき?それとも代行に頼むべき?」
この記事では、Importer of Record(IOR)の意味と、輸入者を誰にするかの決め方、輸入者代行を選ぶときに比べるポイントを、国際物流の実務の視点でお伝えします。
輸入者(IOR)を決めるときの考え方
海外のFBAへ商品を送るなら、送る前に、誰を輸入者(IOR)にするのかを決めておく必要があります。AmazonやFBA倉庫は、納品する商品の輸入者にはなってくれません。
選択肢は大きく2つです。自分が輸入者になるか、対応できる事業者に輸入者を依頼するか。どちらを選ぶにしても、IORはインボイスに名前を書くだけの役割ではなく、輸入の申告・関税の支払い・規制への対応に責任を負う役割だということを、まず押さえておきます。
そして依頼する場合の選び方の基準は、「いちばん安いところ」ではなく、自分の商品・販売先・輸送方法に合い、問題が起きたときにも対応を続けてもらえる相手であることです。そのためにやることは、次の4つです。
Importer of Record(IOR)とは
Importer of Record(IOR)とは、輸入する国で、その貨物の輸入者として責任を負う人や会社のことです。日本語では「輸入者」や「名義上の輸入者」と呼ばれます。
IORが責任を負うのは、主に次の3つです。
| 責任 | 内容 |
|---|---|
| 輸入申告の内容 | 品名・価格・品目番号(HTSコードなど)・原産国などの申告が正しいこと |
| 関税などの支払い | 輸入にかかる関税・税金・手数料を支払うこと |
| 輸入規制への対応 | その国の法律や規制(安全基準、表示など)に合っていること |
つまり、申告に誤りがあったり、規制に合わない商品だったりした場合、責任を問われるのはIORです。名前を貸すだけ・借りるだけ、という軽い役割ではありません。
AmazonやFBA倉庫は、IORにならない
よくある勘違いが、「Amazonの倉庫に送るのだから、Amazonが輸入者になってくれる」というものです。実際には、AmazonやFBA倉庫は、納品する商品のIORにはなりません。Amazonを輸入者として書いた納品は受け付けられず、送り返されることもあります。
そのため、送る前に、IORを自分にするか、ほかの事業者に頼むかを決めておく必要があります。
IORを誰にするか:2つの選択肢
IORの決め方は、大きく分けて次の2つです。
| 比べる項目 | 自分が輸入者になる | 輸入者代行に依頼する |
|---|---|---|
| 準備 | 国ごとの登録や届け出、通関業者との契約などを自分で行う | 代行業者の手続きに沿って準備する |
| 責任 | 申告・関税・規制の責任をすべて自分が負う | 代行業者が輸入者になる(自分で準備する書類などは残る) |
| 費用 | 登録・通関・保証などの費用が自分にかかる | 代行の料金がかかる |
| 向いている人 | 販売する国が決まっていて、継続して大きく輸入する人 | 個人事業主や少量から始める人、複数の国で試したい人 |
どちらが正解ということはありません。販売する国・扱う量・自分で負える責任の大きさで決めます。
米国で、自分が輸入者になる場合の準備
たとえば米国では、外国の事業者でも、必要な届け出をすれば輸入者になることができます。主な準備は次のとおりです。
- 輸入者番号の取得:米国税関(CBP)に「Form 5106」を届け出て、輸入者番号を取得する
- 通関業者への委任:米国の通関業者に、委任状を出して通関を任せる
- 関税の保証(カスタムズボンド):関税などの支払いを保証するための保証を用意する
外国の事業者が輸入者になる場合の条件は、見直されることもあります。最新の要件は、依頼する通関業者に確認してください。
販売先の国ごとに、必要な登録や代理人の条件を確認する
IORの条件は、販売する国ごとに違います。米国で通用したやり方が、ほかの国でもそのまま使えるとは限りません。たとえば次のような違いがあります。
※各国の条件は変更されることがあります。最新の内容は、各国の税関や通関業者に確認してください。
複数の国で販売するなら、国ごとに「誰を輸入者にするか」を決める必要があります。
輸入者代行を選ぶときに比べる8つの項目
IORを依頼するときは、料金だけで決めないことが大切です。次の8つの項目を比べます。
特に見落としやすいのが⑧の契約終了時の扱いです。輸入から時間がたってから、税関から過去の輸入について照会が来ることもあります。そのとき、すでに契約を終えた相手が対応してくれないと、困るのは自分です。
レスポンスの速さも、大事な比較項目
通関では、輸入者への確認や追加の書類を求められることがあります。そのとき返事が遅いと、そのぶん通関が止まり、販売開始も遅れます。
契約する前の問い合わせで、次の点を確かめておきます。
- 回答が速いか
- 説明が具体的か(「大丈夫です」だけで終わらないか)
- 担当者につながるか
米国向けの通関を日々行っていると、通関で照会が来たときに輸入者側の返事を待って止まっている荷物をよく見ます。料金が少し安くても、連絡がつかない相手を選ぶと、結果的に販売の機会を失うことになります。
依頼しても、すべて任せられるわけではない
IORを依頼すれば、すべてを任せられると思われがちですが、そうとは限りません。自分で準備しなければならないものが残ります。
- 商品の情報(品名、材質、用途、価格、原産国など)
- 品目番号(HTSコードなど)の情報
- 規制に関する書類(電池の試験の書類、成分表など、商品によって必要なもの)
契約する前に、何を誰が準備するのかを確認し、発送する前に役割分担をはっきりさせておきます。
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まとめ
海外のFBAへ商品を送る前に、誰を輸入者(IOR)にするのかを決めておく必要があります。
- IORは、輸入申告の内容・関税などの支払い・輸入規制への対応に責任を負う。名前を書くだけの役割ではない
- AmazonやFBA倉庫は、IORにならない
- 自分が輸入者になるか、輸入者代行に依頼するかを、販売する国・量・負える責任で決める
- 米国・カナダ・英国など、国ごとに必要な登録や代理人の条件が違う
- 代行を選ぶときは、料金の総額だけでなく、対応範囲・商品・輸送方法・連絡のしやすさ・トラブル時・関税の扱い・契約終了後の対応を比べる
- 依頼しても、商品情報や規制の書類など、自分で準備するものは残る
IORは「いちばん安いところ」ではなく、自分の商品・販売先・輸送方法に合い、問題が起きたときにも対応を続けてもらえる相手を選びましょう。
よくある質問
Importer of Record(IOR)とは何ですか?
輸入する国で、その貨物の輸入者として責任を負う人や会社のことです。インボイスに名前を書くだけの役割ではなく、輸入申告の内容、関税などの支払い、輸入規制への対応について責任を負います。
FBAに送る商品のIORは、Amazonにできますか?
できません。AmazonやFBA倉庫は、納品する商品のIORにはなりません。Amazonを輸入者にした納品は受け付けられないため、送る前に、自分が輸入者になるか、対応できる事業者に依頼するかを決めておく必要があります。
個人事業主でもIORになれますか?
国によって条件が違います。たとえば米国では、外国の事業者でも必要な届け出をすれば輸入者になれますが、輸入者番号の取得、通関業者への委任、関税の保証などの準備が必要です。準備や責任の負担を考えて、輸入者代行に依頼する方法もあります。
輸入者代行を選ぶときは、何を比べればいいですか?
料金の総額、対応範囲、対応できる商品、利用できる輸送方法、連絡の取りやすさ、トラブル時の対応、関税・税金の扱い、契約終了後の対応の8つです。あわせて、問い合わせへの回答の速さや具体性も確認します。
IORを依頼すれば、すべて任せられますか?
すべてではありません。商品の情報や規制に関する書類など、自分で準備するものがあります。契約前に、何を誰が準備するのかという役割分担を確認しておきます。

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