
20万円以下の郵便なら輸出申告は要らない?少額の郵便物の条件と、申告が不要でも必要な書類・消費税の証明
海外の購入者へEMSで送ろうとして調べていたら、「20万円以下の郵便物は輸出申告がいらない」という情報を見つけた。それなら手続きはかなり楽になりそうだ。でも、その「20万円」は何の金額なのか。クーリエでも同じなのか。消費税の還付にも影響しないのか——。
少額の郵便物の扱いは便利な仕組みですが、条件を取り違えやすいところでもあります。
「20万円以下の郵便なら、税関への輸出申告がいらないって本当?どんな条件なら当てはまるの?」
この記事では、国際郵便の20万円以下の扱いの条件と、申告がいらない場合でも必要なこと、消費税の輸出免税のために保存する書類を整理します。Amazon輸出に限らず、国際郵便で海外へ商品を送るときに共通する内容です。
少額の郵便物の扱いを考えるときの考え方
20万円以下の郵便物の扱いで省けるのは、日本の税関への輸出申告だけです。書類の作成、送り先の国の手続き、消費税の証明は、それぞれ別に確認します。
やること
国際郵便で輸出申告がいらない条件
EMSや国際小包などの国際郵便は、内容品の合計価格が20万円以下なら、原則として輸出申告・輸出許可の取得は不要です。
| 内容品の合計価格 | 税関への輸出申告 |
|---|---|
| 20万円未満 | 原則として不要 |
| 20万円ちょうど | 原則として不要(「以下」に含まれる) |
| 20万円を超える | 必要(輸出申告をして、輸出許可を受ける) |
20万円を超える場合の輸出申告は、日本郵便へ手続きを委任することもできます。委任せず、自分や自分で手配した通関業者が申告する方法もあります。
基準は、1個の価格ではなく内容品の合計
20万円の基準は、商品1個の価格ではなく、郵便物に入っている内容品の合計価格です。
たとえば、3万円の商品を7個入れると、1個は20万円以下でも、合計は21万円になります。この場合は、輸出申告が必要です。
輸出申告がいらなくても、税関告知書は必要
輸出申告が不要でも、税関告知書(CN22・CN23)などの作成は必要です。税関告知書は、郵便物の中身を税関に伝えるための書類です。
- 商品名:何の商品かが分かるように、具体的に書く
- 数量:入っている数を正確に書く
- 価格:実際の価格を正確に書く
あわせて、送り先や配送方法に応じて、インボイスなども用意します。インボイスの書き方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
インボイスの書き方を詳しく解説コマーシャルインボイスとは?輸出で税関を通るための書き方と必須項目、商品名・価格の書き方
›
20万円の扱いは、国際郵便の制度
この20万円の扱いは、国際郵便の制度です。DHL・UPS・FedExなどのクーリエ便に、そのまま当てはめないようにしましょう。
| 送り方 | 20万円以下の扱い |
|---|---|
| 国際郵便(EMS・国際小包など) | 内容品の合計が20万円以下なら、原則として輸出申告は不要 |
| クーリエ便(DHL・UPS・FedExなど) | 国際郵便の扱いは当てはまらない。手続きはクーリエに確認する |
クーリエ便で輸出許可通知書を受け取る方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
輸出許可通知書のもらい方を詳しく解説輸出許可通知書はどうもらう?クーリエや発送代行に依頼しないともらえないときの確認と、発送ごとに受け取る方法
›
送り先の輸入手続き・関税・規制は別に確認する
日本側の輸出申告が不要でも、送り先の国の輸入手続き・関税・商品の規制は別です。次のように判断することはできません。
- 「20万円以下だから、米国でも関税がかからない」
- 「20万円以下だから、食品や電波機器の確認もいらない」
たとえばアメリカでは、少額の荷物の関税を免除する仕組み(デミニミス)が、2025年8月29日から停止されています(2026年10月時点)。少額の郵便物でも、関税がかかることがあります。
また、日本側でも、商品によっては別に許可・承認が必要です。20万円以下で輸出申告がいらないことと、その商品を輸出してよいかは、別の話です。
電波を使う機器を送るときに確認することは、こちらの記事で詳しく解説しています。
電波機器の確認を詳しく解説電波機器の申告書(FCC Form 740)は今も必要?提出が不要になった時期と、FCC認証とは何かを確認する方法
›
消費税の輸出免税の証拠は、発送前に確認する
輸出した商品は、消費税が免除されます(輸出免税)。ただし、免税を受けるには、輸出したことを証明する書類の保存が必要です。発送する前に、何を保存するかを確認しましょう。
20万円以下のEMS・国際小包では、輸出許可書がありません。そのかわりに、日本郵便の引受けを証する書類と、発送伝票等の控えを保存する扱いがあります。この扱いは2021年10月1日から厳しくなり、それまでのように帳簿への記載だけでは足りなくなりました。
- 日本郵便の引受けを証する書類
- 発送伝票等の控え(ご依頼主控など)
どちらも、商品名・数量・価額、差出人・受取人、引受日などが分かる状態で保存します。消費税の還付の仕組みと、提出・保存する書類の全体像は、こちらの記事で詳しく解説しています。
消費税の還付と書類を詳しく解説輸出の証明書類が揃わず、消費税の還付を受けられない。輸出還付金の仕組みと、提出する書類・保存する書類の分け方
›
箱を分ければ20万円以下になる、と考えない
箱を分ければ、必ず20万円以下として扱える、と考えないことも大切です。
日本郵便は、同じ受取人あてに同時に2個以上発送する場合は、すべての梱包を合わせた内容品の合計価格で、輸出申告が必要かを判定するとしています。また、消費税の輸出免税の証明でも、同じ受取人へ分けて差し出す場合、価額の合計で判定する旨が示されています。たとえば、同じ受取人へ15万円の郵便物を2つに分けて送ると、1つずつは20万円以下でも、合計は30万円として判定されます。
申告を避けるために、安い価格を書かない
輸出申告を避けるために、実際より安い価格を書かないようにしましょう。20万円を少し超える場合でも、価格を下げて書くことは、実際とは違う申告になります。
発送方法・正しい価格・必要な書類を確認してから送ることが大切です。価格を低く書くこと(アンダーバリュー)の罰則は、こちらの記事で詳しく解説しています。
アンダーバリューの罰則を詳しく解説買い手から「安く書いて」と頼まれたら?アンダーバリューとは何か、断り方の例文と、応じた場合の罰則
›
まとめ
国際郵便で内容品の合計価格が20万円以下なら、原則として輸出申告はいりません。ただし、省けるのは日本の税関への輸出申告だけです。
- EMSや国際小包などの国際郵便は、内容品の合計価格が20万円以下なら、原則として輸出申告・輸出許可は不要。20万円ちょうどは含まれ、超えると必要
- 基準は1個の価格ではなく、郵便物に入っている内容品の合計価格
- 輸出申告が不要でも、税関告知書(CN22・CN23)などは必要。商品名・数量・価格を正確に書く
- 20万円の扱いは国際郵便の制度。クーリエ便にそのまま当てはめない
- 送り先の輸入手続き・関税・商品の規制は別。日本側でも、商品によっては別に許可・承認が必要
- 消費税の輸出免税には、日本郵便の引受けを証する書類と発送伝票等の控えを保存する。同じ受取人へ分けて送る場合は、輸出申告でも消費税の証明でも合計で判定される
- 申告を避けるために、実際より安い価格を書かない
よくある質問
国際郵便で、輸出申告がいらないのはどんな場合ですか?
EMSや国際小包などの国際郵便で、内容品の合計価格が20万円以下なら、原則として輸出申告・輸出許可の取得は不要です。20万円ちょうどは「以下」に含まれ、20万円を超えると輸出申告が必要になります。
20万円は、商品1個の価格ですか?
商品1個の価格ではなく、郵便物に入っている内容品の合計価格です。例えば、3万円の商品を7個入れると合計21万円になるため、輸出申告が必要です。
輸出申告がいらなければ、書類は何もいりませんか?
輸出申告が不要でも、税関告知書(CN22・CN23)などの作成は必要です。商品名・数量・価格などを正確に記載し、送り先や配送方法に応じてインボイスなども用意します。
DHLやFedExなどのクーリエ便でも、20万円以下なら輸出申告はいりませんか?
この20万円の扱いは、国際郵便の制度です。DHL・UPS・FedExなどのクーリエ便に、そのまま当てはめないようにします。
箱を分けて送れば、20万円以下として扱えますか?
必ず扱えるとは考えないことが大切です。日本郵便は、同じ受取人あてに同時に2個以上発送する場合、すべての梱包を合わせた内容品の合計価格で輸出申告の要否を判定するとしています。消費税の輸出免税の証明でも、同じ受取人へ分けて差し出す場合は価額の合計で判定する旨が示されています。

米AmazonFBA納品代行サービス SLC
消費税の還付に使う書類まで、
発送ごとに手元にそろう。
SLCでは、発送のたびに輸出許可書・インボイス・納品プランごとの商品詳細を共有しています。消費税の還付の手続きでも、必要な書類をすぐに用意できます。最新の輸出ルールに沿って発送します。送り方や書類で迷う点は、担当スタッフに確認できます。
- 輸出許可書・インボイス・納品プランごとの商品詳細を常に共有
- 最新の輸出ルールに沿って発送
- インボイスの作成(HSコードの記載を含む)に対応

コメント
まだコメントはありません。記事の感想や、郵便での発送で迷っていることを気軽に書いてください。