関税ルールがまた変わった!どの時点の情報を信じるか

アメリカの関税ルールは数か月おきに変わる。相互関税からその後の追加関税までの流れと、どの時点の情報を信じるかの確かめ方

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春に調べた関税率で利益を計算して、夏に仕入れた。ところが発送するころには、関税の仕組みがまた変わっていた。ネットで調べると、相互関税、122条、301条……と言葉ばかりが出てきて、どれが今の情報なのか分からない——。

アメリカへの輸出では、ここ1年あまり、関税のルールが数か月おきに変わっています。

「どの時点の情報を信じればいいの?いつ、何を確認すればいいの?」

この記事では、アメリカの関税のルールがどう変わってきたかを時系列で整理し、最新の情報を確かめる方法と、変更があったときにやることをまとめます。Amazon以外でアメリカへ輸出する場合にも共通する内容です。

変わり続けるルールに向き合うときの考え方

関税や輸入のルールは変わり続けます。大切なのは、過去に調べた税率を使い続けないことと、情報を「いつの時点のものか」で確かめることです。

次のことを習慣にします。

アメリカの関税と輸入ルールの主な変更

2025年からの主な変更を、時系列で並べると次のようになります。

時期主な変更
2025年相互関税(IEEPA=国際緊急経済権限法にもとづく関税)が導入される
2025年8月29日デミニミス(800ドル以下の少額輸入の免税)の適用が停止される
2026年2月20日米国の最高裁が、IEEPAにもとづく相互関税を無効と判断。相互関税は終了
2026年2月24日代わりに、通商法122条にもとづく追加関税が、150日間の期限付きでかかる
2026年7月24日122条の追加関税が期限切れ。強制労働を巡る301条の追加関税の適用が始まる。日本原産品は、対象の措置で一般関税と合わせて原則12.5%
2026年8月13日米国の国際貿易裁判所が、デミニミスの停止は大統領の権限で認められると判断。停止は続いている

※2026年10月5日時点の情報です。今後も変わる可能性があります。

このように、同じ1年の中でも、根拠となる法律や税率が何度も変わっています。「2025年の記事に書いてあった税率」が、今も正しいとは限りません。

2026年10月時点の、日本原産品の考え方

2026年10月時点では、日本原産品は、対象となる301条の措置について、一般関税との合計が原則12.5%になる仕組みです。

一般関税(例)301条の追加関税合計
0%12.5%12.5%
5%7.5%12.5%
15%(12.5%以上)0%15%

一般関税が12.5%以上なら、この301条の追加関税はゼロです。ただし、鉄鋼やアルミなど別の措置(232条)の対象品目のように、対象外の品目や別の追加関税があるため、すべての商品が12.5%という意味ではありません。商品ごとに確認します。

日本からアメリカへの輸出にかかる、現在の関税率と確認方法は、こちらのページで詳しく解説しています。

現在の関税率と確認方法を詳しく解説日本からアメリカへの輸出関税|現在の関税率と確認方法

「発表された日」と「適用される日」を分ける

関税の変更では、「発表された日」と「適用される日」を分けて確認します。

  • 発表された日:変更が公表された日。この日から新しい税率になるとは限らない
  • 適用される日:実際に新しい税率がかかり始める日

注意したいのは、適用の基準が通関の日になっている場合です。この場合、変更の前に発送していても、アメリカで通関する日が適用日を過ぎていれば、新しい税率が適用される可能性があります。船便など、発送から通関まで日数がかかる方法では、特に注意が必要です。

日本から発送しても、日本向けの税率とは限らない

日本から発送する商品でも、日本向けの税率になるとは限りません。関税は、商品ごとに次のことで決まります。

確認すること理由
原産国日本から送っても、原産国が海外なら、その国の税率がかかる
HTSコード商品の分類によって、一般関税の税率が変わる
追加関税どの措置の対象になるかで、上乗せされる関税が変わる
対象外の条件措置の対象外になる品目や条件がある

原産国の判定と、自分の商品のHTSコードの決め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

原産国の判定を詳しく解説日本で組み立てたら「日本製」になる?原産地の判定基準と、米国の「実質的変更」の考え方 HTSコードの決め方を詳しく解説自分の商品のHSコードはどう決める?輸出の前に自分で調べる手順と、HSコード検索の使い方

確認先を決めて、決まったタイミングで見る

ルールが変わり続けるからこそ、情報の確認先を決めて、定期的に確認することが大事です。あちこちの情報を見比べて迷うより、確認先を絞っておくほうが判断がぶれません。

確認先分かること
JETRO(日本貿易振興機構)アメリカの関税や輸入のルールの変更を、日本語でまとめた情報
輸出の情報をまとめたポータルサイト(このWorldShift Trade Watchなど)物販・輸出をしている人に関係する変更のニュースと、実務への影響

見るタイミングは、次の2つを決めておきます。

  • リサーチを始めるとき:今のルールで、利益が出る商品かを判断するため
  • 仕入れる前:リサーチのあとに変更がなかったか、適用の条件を見直すため

情報を見るときは、その情報がいつの時点のものかを必ず確かめます。記事やニュースの日付を見て、古い情報なら、新しい情報が出ていないかを確認します。

代行会社を使っていても、仕入れの判断は任せきりにしない

発送や通関を代行会社に任せていても、仕入れの判断まで任せきりにしないことが大切です。

代行会社は、発送のときに最新のルールに沿って手続きをしてくれます。しかし、発送の前になってルールの変更を知っても、すでに購入した商品では利益が残らない場合があります。仕入れる商品を決めるのは自分なので、仕入れの前に、自分でも最新の条件を確認しておきます。

変更があったら、購入済み・発送待ちの商品も再計算する

ルールの変更があったら、次の仕入れだけでなく、購入済みや発送待ちの商品も、利益を計算し直します。

関税のルールが変わったときに見直すこと:次に仕入れる商品(新しい関税で利益が残るか。仕入れるかどうかを判断し直す)、購入済みの商品(新しい関税で利益が残るか。販売価格を見直す必要があるか)、発送待ちの商品(通関の日に新しい税率がかかるか。発送の方法や時期を見直す必要があるか)

利益が残らない場合は、販売価格を上げられるか、発送の方法を変えられるかを考えます。変更を知った時点で計算し直せば、打てる手が残っていることもあります。

数値と折れ線が並ぶ分析画面

最新の関税で、商品ごとの利益を見直す

米AmazonリサーチツールPROFiNDER

2026年7月からの301条の追加関税を含めた関税を引いた利益を、商品ごとに確認できます。ルールが変わったときに、どの商品の利益が減ったかを見直す手がかりになります。

PROFiNDERを見る →
物流の現場から

米国向けの通関を日々行っていると、ルールが変わった直後は、古い情報のまま発送の準備を進めていた、という相談が増えます。発送の前に「今日時点のルール」を一度確かめるだけで、通関での思わぬ負担を防げることがあります。

まとめ

アメリカの関税のルールは、数か月おきに変わっています。情報は「いつの時点のものか」で確かめることが大切です。

  • 2025年の相互関税は2026年2月に終了し、その後は122条、2026年7月24日からは301条の追加関税に切り替わっている。デミニミスの停止は続いている
  • 2026年10月時点で、日本原産品は対象の301条の措置で一般関税との合計が原則12.5%。一般関税が12.5%以上なら追加はゼロ。ただし対象外の品目や別の追加関税がある
  • 「発表された日」と「適用される日」を分ける。通関の日が基準なら、変更前に発送していても新しい税率になることがある
  • 日本から発送しても日本向けの税率とは限らない。原産国・HTSコード・追加関税・対象外の条件を商品ごとに確認する
  • 確認先を決め、リサーチの開始時と仕入れの前に見る。代行会社に仕入れの判断まで任せきりにしない
  • 変更があったら、次の仕入れだけでなく、購入済み・発送待ちの商品も利益を計算し直す

よくある質問

2025年の相互関税は、今もかかっていますか?

2025年の相互関税は、2026年2月に米国の最高裁が無効と判断して終了しました。その後は、別の法律にもとづく追加関税に切り替わっています。2026年7月24日からは、強制労働を巡る301条の追加関税が適用されています。

2026年10月時点で、日本原産品にはどんな関税がかかりますか?

対象となる301条の措置では、一般関税との合計が原則12.5%になる仕組みです。一般関税が12.5%以上なら、この301条の追加関税はかかりません。ただし、対象外の品目や別の追加関税があるため、すべての商品が12.5%という意味ではありません。

関税の変更は、いつの発送分から適用されますか?

「発表された日」と「適用される日」を分けて確認します。適用が通関の日を基準にする場合、変更の前に発送していても、新しい税率が適用される可能性があります。

アメリカの関税の最新情報は、どこで確認すればいいですか?

JETRO(日本貿易振興機構)や、輸出の情報をまとめたポータルサイトなど、確認先を決めて定期的に見ます。リサーチを始めるときと、仕入れる前にも、適用の条件を見直します。

関税が変わったら、何をすればいいですか?

次の仕入れだけでなく、購入済みや発送待ちの商品も利益を計算し直します。利益が残るか、販売価格や発送の方法を見直す必要があるかを判断します。

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※本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、2026年10月5日時点の情報にもとづいています。関税や輸入のルールは変更されることがあります。実際の税率や適用の条件は、米国の税関(CBP)・通商代表部(USTR)などの公式の発表や、通関業者にご確認ください。記事の内容は、法的・通関上の助言ではありません。