調味ソース・醤油シーズニング
FSVP(外国供給業者検証プログラム)
⚠ FDAが指摘した実例調味ソースを米国に送る前に。「検証の記録、ありますか?」で止まった輸入者の話
ガーリック・チリ入りの調味ソースやスープの素。日本の食卓ではおなじみのこうした加工食品も、米国に渡るときには「誰が安全を確認したか」を書類で示せることが求められます。今回はその確認の仕組み(FSVP)が丸ごと存在しなかったために警告書を受けた、米国輸入者の実例を見てみます。
はじめに——FSVPとは
FSVP(Foreign Supplier Verification Program、外国供給業者検証プログラム)は、米国の「輸入者」に課された義務です。海外の食品供給業者(つまり輸出者側の工場など)が、米国と同じくらいの安全管理をきちんと行っているかどうかを、輸入者が事前に検証しなければならない、というルールです(21 CFR Part 1 Subpart L)。
輸入者は、ハザード(危害要因)分析の記録や、供給業者の安全管理の証拠などを確認し、書類として残しておく必要があります。この検証そのものが無い、あるいは記録が無い場合、FDAの査察でそれが発覚し、Warning Letter(警告書)の対象になります。
実際の例——調味ソースにFSVPが「存在しなかった」ケース
2020年、FDAは米国テキサス州の輸入者「DN Imports, Inc.」に対してリモート査察を実施しました(2020年5月15日〜6月11日)。対象となったのは、海外の供給業者から輸入していたガーリック・チリ入りの調味ソース、マッシュルームスープパウダー、ローストコーンです。
何が指摘されたか
FDAが確認したところ、これらの食品についてFSVPそのものが策定されていませんでした。検証の手続きが無い、記録が無い、というレベルではなく、そもそも仕組みが存在しなかったという点が指摘されています。この結果、21 CFR Part 1 Subpart Lに不遵守と判断され、米国連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C Act)第805条違反として、2020年9月4日付で警告書が発出されました。
日本企業(輸出者)が注意すべきこと
FSVPを整えるのは米国側の輸入者の義務ですが、その検証がきちんとできるかどうかは、実は輸出する側の日本企業が渡す情報次第という面があります。輸入者から「御社の安全管理について教えてください」と聞かれたときに、資料がすぐに出せるかどうかが分かれ目になります。
- 自社の調味ソース・スープの素などについて、ハザード分析(想定される危害要因とその対策)の資料を用意できているか
- 製造工程での安全管理(温度管理、衛生管理など)を、書類やデータで説明できる状態になっているか
- 米国の輸入者から検証のための資料提出を求められた際に、すぐ対応できる窓口・体制があるか
「相手の宿題」で終わらせない
FSVPは制度上、米国輸入者の義務です。ですが今回の実例のように、輸入者が検証を怠ると出荷そのものが止まりかねません。日本の輸出者にとっても、「うちには関係ない話」ではなく、輸入者が安心して検証を進められるよう、情報を整えて備えておくことが結果的に自社の輸出を守ることにつながります。
ワールドシフトでは、調味ソースやスープの素といった加工食品を米国に輸出する際に必要となる、ハザード分析資料の整理や、米国輸入者とのやり取りに使える説明資料の準備もサポートしています。「うちの商品の場合、何を用意しておけば輸入者に安心してもらえるか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——