即席麺・大豆チャンク
FSVP(外国供給業者検証プログラム)
⚠ FDAが指摘した実例「即席麺」と「大豆チャンク」——書類が無いだけで止まった米国輸入の話
即席麺や大豆の加工品は、日本からも輸出しやすい食品のひとつです。でも、味や品質に問題が無くても、米国側の「書類」が足りないだけで警告の対象になることがあります。今回は、そんな実例をやさしく見ていきます。
はじめに——FSVPとは
FSVP(Foreign Supplier Verification Program、外国供給業者検証プログラム)は、米国のFDA(食品医薬品局)が定めるルールのひとつです。
対象になるのは、米国側の「輸入者」です。輸入者は、海外の食品メーカーが、米国と同じくらいの安全管理をしているかどうかを、自分で確認する義務があります。
この確認の記録や手順のことを「FSVP」と呼びます。輸入者がFSVPを作っていなかったり、記録を残していなかったりすると、FDAから警告書(Warning Letter)が届くことがあります。
実際の例——即席麺と大豆チャンクの輸入で指摘されたケース
2023年、米国テキサス州オースティンの輸入会社Shantaba LLCに対して、FDAがFSVPの立入検査を行いました(検査期間は2023年6月30日〜7月7日)。
対象になった食品は、「2-Minute Noodles(即席麺)」と「Soya Wadi・Soya Chunks(大豆の加工品)」でした。
検査の結果、この会社はこれらの食品についてFSVPを作成・維持・実行していなかったことがわかりました。これはFD&C法805条および21 CFR 1.502(a)という規則に違反する状態です。FDAはこの会社に警告書を発行しました。
何が指摘されたか
今回のポイントは、食品そのものの安全性が疑われたわけではない、という点です。指摘されたのは「輸入者がFSVPという仕組みを用意していなかった」ことです。
FDAは、FSVPが無い輸入者に対しては、輸入する食品の受け入れを拒否したり、検査なしで留め置く「DWPE(Detention Without Physical Examination)」という対応を取ることがあります。つまり、食品の中身とは別に、「手続きが整っているか」で止まってしまう場合があるということです。
日本企業(輸出者)が注意すべきこと
FSVPを作る義務があるのは、直接には米国側の輸入者です。ですが、輸入者がFSVPを作るためには、輸出元である日本の企業からの情報や協力が欠かせません。米国のパートナーが困らないよう、次のような準備をしておくと安心です。
- 自社の製造工程やハザード分析(危害要因分析)の資料を、英語でもすぐ渡せるようにしておく
- 製造時の安全管理の記録(温度管理、衛生管理など)を整理しておく
- 米国の輸入者から「FSVPのために情報がほしい」と言われたときに、迅速に対応できる窓口を決めておく
- 取引開始前に、輸入者側がFSVPをきちんと運用しているか、さりげなく確認しておく
「作っているだけ」で終わらせないために
即席麺や大豆加工品のように、日本の食卓になじみ深い食品ほど、海外への扉は開きやすいものです。でも、その扉の鍵は、味や品質だけでなく「書類」が握っていることがあります。
ワールドシフトでは、米国の輸入者がFSVPを整えるために必要となるハザード分析資料の整理や、輸出前の書類準備のサポートもしています。「うちの取引先はFSVPをちゃんと持っているのだろうか」「英語の資料はどこまで用意すればいいのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——