SPF50 ボディムース(日焼け止め)
OTC日焼け止め(剤形・容器・表示)
⚠ FDAが指摘した実例SPFの数字以前に「剤形」でアウト?ムース状日焼け止めが販売できないとされた理由
日焼け止めは、米国ではOTC医薬品です。有効成分やSPF表示の根拠だけでなく、実は「剤形(テクスチャの形態)」まで規制で決まっています。今回は、FDAが2025年8月に公表した、米国の日焼け止めブランドへの警告書を取り上げます。SPF50のムース(ホイップ)状日焼け止めが、成分やSPF値の議論に入る前に、剤形だけで「販売できない(misbranded)」とされた実例です。
実際の事例でFDAが指摘した内容
FDAは2025年5月2日に、この製品のラベル・自社サイト・SNS(Instagram/Facebook)をレビューしたと記載しています。
- 「Broad Spectrum Sunscreen SPF 50」「Helps prevent sunburn(日焼けを防ぐ)」等の表示から、この製品はOTCの日焼け止め医薬品と判断
- 日焼け止めにはOTCモノグラフM020が適用されるが、FD&C法505G条(m)(2)により、承認申請なしで販売できる剤形は、オイル・ローション・クリーム・ジェル・バター・ペースト・軟膏・スティック・スプレー・パウダーの10種に限られる
- ムース(フォーム)剤形の日焼け止めを認める行政命令はこれまで出ていない。そのため、仮にSPF試験などの他の要件をすべて満たしていたとしても、この製品は販売できず、misbranded(502条(ee))にあたると指摘
FDAは脚注で、「mousse」「whipped」という表記について、米国薬局方(USP)の剤形分類では「foam(フォーム)」が最も近い、とも述べています。回答期限は15営業日です。
この事例から押さえたい2つの注意点
① 米国の日焼け止めは「剤形リストが閉じている」
日本では、ムース・ミスト・シートなど、テクスチャの新しさが差別化になります。しかし米国では、日焼け止めとして承認申請なしに販売できる剤形が10種類に限定されており、リスト外の剤形は、中身がどれだけ適合していても販売できません。
製品企画の段階で「この剤形は10種に入るか」を確認しておかないと、開発が終わってから輸出できないと判明する、という手戻りが起こり得ます。
② サイト・SNSの文言も「labeling」としてレビューされる
今回FDAが証拠として引用したのは、製品ラベルだけでなく、自社サイトの商品説明やInstagramの投稿文でした。米国では、これらも広い意味の「labeling」としてFDAの判断材料になります。マーケティング部門が発信する英語コンテンツも、規制の目線で点検しておくことが必要です。
輸出前に確認したいチェックポイント
- 剤形がM020で認められた10剤形に収まっているか
- 有効成分・濃度がモノグラフの範囲内か
- SPF・Broad Spectrum表示の試験根拠
- Drug Facts表示と製造管理(cGMP)の体制
- サイト・SNSを含む英語表現の点検
日焼け止めは、化粧品的な感覚とのギャップが最も大きいカテゴリのひとつです。企画段階からの確認をおすすめします。
ワールドシフトなら、継続運用まで支援します
ワールドシフトでは、日焼け止め・UVケア製品の米国輸出にあたって、剤形・成分のモノグラフ適合の確認から、登録・リスティング、取得後の表示維持まで含めてサポートしています。「この製品は米国で売れる形か」を、企画段階からご確認いただけます。
※本記事は、FDAが公表したWarning Letter(一次情報)をもとに要点を日本語で整理したものです。企業名・正確な文言は、リンク先のFDA原文(英語)をご確認ください。記載の指摘はFDA発出時点のものであり、その後に是正・解決されている場合があります。本記事は一般的な情報提供であり、特定企業の評価を目的とするものではありません。
自社の商品で同じ指摘を受けないために——