
Amazon海外販売はアメリカ以外のどの国から始める?カナダ・イギリス・オーストラリアを比べるときの視点
アメリカのAmazonでの販売が軌道に乗ってきた。次は別の国にも広げたい。でも、カナダ、イギリス、オーストラリア……どこから始めればいいのか、比べ方が分からない——。
Amazon海外販売を広げようとする方から、よくこんな声を聞きます。
「アメリカ以外なら、どの国から始めるのがいいの?」
この記事では、Amazon海外販売でアメリカ以外の国を選ぶときに、何をどう比べればいいのかを、Amazon輸出の実務の視点で整理します。これから越境ECを始める方の始め方としても参考にしてください。
アメリカ以外の国を選ぶときの考え方
まず押さえておきたいのは、「アメリカの次はこの国」という一律の正解はないということです。人口が多い国が売りやすいとは限らず、規制が厳しい国が誰にとっても難しいとも限りません。
大切なのは、国の大きさや評判ではなく、自分の商品で比べることです。比べる視点は、次の4つです。
国を比べる4つの視点
そして、比べて国を選んだら、最初は1か国に絞って、販売と入金の実績を確認してから広げる。これが、手間と資金をむだにしない始め方です。
アカウントの連携と、販売の準備は別
Amazonの海外販売のアカウントは、Amazonグローバルセリングを通じて登録・連携できます。たとえば、北米(アメリカ・カナダ・メキシコなど)や欧州(イギリス・ドイツ・フランスなど)は、地域ごとにまとめてアカウントを使えます。
ただし注意したいのは、アカウントを連携できることと、その国で輸入・販売する準備ができていることは別だということです。連携したあとも、次のことを販売先ごとに確認します。
- 本人確認
- 出品の承認(カテゴリーや商品によって必要)
- 税務の設定
個人でもAmazon海外販売はできる?
個人でも、出品者として登録して海外販売を始めることはできます。ただし、販売する国ごとの税務の登録、輸入者の体制、輸入規制への対応は、個人でも事業者と同じように必要です。「個人だから手続きが少ない」わけではないので、手間と責任を確認したうえで始めます。
視点1:税務の手間は国ごとに大きく違う
国を比べるときに見落とされがちなのが、税務の手間です。特に、現地のFBAに在庫を置いて販売する場合は、国ごとに税金の登録や申告が必要になることがあります。
| 国 | 現地のFBAに在庫を置く場合の主な税務 |
|---|---|
| アメリカ | 売上税(セールスタックス)は、多くの州でAmazonが代わりに徴収・納付する |
| カナダ | GST/HSTの登録が必要になる場合がある(登録番号を出していない場合、Amazonが代わりに徴収する仕組みもある) |
| イギリス | 海外の出品者は、売上の金額にかかわらずVATの登録が必要。申告も続けて行う |
| オーストラリア | 現地に在庫を置いて販売し、オーストラリアでの売上が年間A$75,000以上になる場合は、GSTの登録と申告が必要になる(在庫を現地に置く場合は簡易登録ではなく通常の登録になる) |
※税務の条件は変更されることがあります。実際に販売する前に、各国の税務当局の情報や、現地の税務の専門家に確認してください。
税務の登録や申告は、一度登録すれば終わりではなく、販売を続けるかぎり毎月・毎四半期の手間がかかります。販売する国を増やすと、この手間も国の数だけ増えます。売上の見込みに対して、手間と費用が見合うかを比べます。
視点2:市場の広さと、自分の商品への需要を分けて見る
国を比べるとき、つい人口やAmazonの市場規模で判断しがちです。しかし、市場の広さと、自分の商品への需要は別です。
- 人口が多く市場が大きい国でも、競合が多ければ、自分の商品は埋もれてしまう
- 小さい市場でも、自分の商品との相性がよければ、少ない競合のなかで売れることがある
そこで、候補の国ごとに、その国のAmazonで実際に調べます。
同じ商品でも、国によって価格も競合も売れ方も違います。「アメリカで売れたから、ほかの国でも売れる」とは限らないので、国ごとに確かめます。
視点3:商品ごとに、輸入規制と表示・書類を確認する
輸入規制は、「どの国がいちばん厳しいか」という一律の順位で比べるより、扱う商品で比べることが大切です。ある国では問題なく売れる商品が、別の国では表示や書類が足りずに売れないこともあります。
商品ごとに、販売したい国で次のことを確認します。
- 輸入が制限・禁止されていないか
- 必要な表示(言語、成分、原産国、安全に関する表示など)
- 必要な書類や認証(電池の試験の書類、安全基準の適合など)
特に、電池入りの商品、食品、化粧品、子ども向けの商品などは、国ごとの違いが大きくなりやすいカテゴリーです。
国ごとに条件が変わる商品の例リチウム電池入りの商品は海外発送できる?モバイルバッテリーの扱いとUN38.3、仕入れ前に確認すること
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視点4:輸入者(IOR)の体制を整えられるか
FBAへ商品を送る場合も、輸入者(IOR)の体制は自分で整える必要があります。AmazonがIORを引き受けてくれる前提にはできません。
国によって、現地に拠点がない事業者が輸入者になる条件は違います。たとえばカナダには非居住者輸入者の制度がありますが事前の登録が必要で、イギリスでは原則として現地の通関業者に代理を頼む必要があります。
候補の国ごとに、自社が輸入者になるのか、対応できる事業者を利用するのか、その責任と費用を発送前に確認します。この体制が整わない国は、ほかの条件がよくても、すぐには始められません。
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最初は1か国に絞り、販売と入金の実績を確認する
4つの視点で比べて国を選んだら、最初は1か国に絞って始めます。いきなり複数の国に在庫を分けると、次のような管理が国の数だけ増えるからです。
- 資金:国ごとに在庫を持つぶん、資金が分散して止まる
- 税務:国ごとに登録と申告が必要になる
- 返品対応:国ごとにルールや対応の手間が違う
まず1か国で、実際に売れるか、入金まで問題なく回るかを確認します。運用できる体制が作れたら、次の国へ広げます。
コンサルティングの現場では、アメリカで売れ始めた勢いで複数の国に一度に出品し、税務や返品の対応に追われて本業のリサーチが止まってしまう方を見てきました。国を増やすのは、1か国目が「手を離しても回る」状態になってからで遅くありません。
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まとめ
Amazon海外販売で、アメリカ以外のどの国から始めるかに、一律の正解はありません。自分の商品で、次の4つを比べて決めます。
- 税務の手間:イギリスのVAT、オーストラリアのGSTなど、国ごとに登録や申告が必要になる
- 市場と需要:市場の広さと、自分の商品の価格・競合・販売見込みは分けて見る
- 輸入規制:一律の順位ではなく、扱う商品で規制・表示・書類を比べる
- 輸入者の体制:AmazonはIORにならない。自社か代行か、責任と費用を確認する
アカウントの連携と販売の準備は別なので、本人確認・出品承認・税務の設定も国ごとに確認します。そして、最初は1か国に絞り、販売と入金の実績を確認してから広げるのが、遠回りに見えていちばん確実な始め方です。
よくある質問
Amazon海外販売は、アメリカ以外ならどの国から始めるのがいいですか?
一律の正解はありません。税務の手間、市場の広さと自分の商品への需要、商品ごとの輸入規制、輸入者(IOR)の体制を、自分の商品で比べて決めます。最初は1か国に絞り、販売と入金の実績を確認してから広げるのが安全です。
Amazonグローバルセリングでアカウントを連携すれば、すぐに海外で販売できますか?
アカウントの連携と、各国で輸入・販売するための準備は別です。本人確認、出品の承認、税務の設定などを販売先ごとに確認する必要があります。
Amazon海外販売は個人でもできますか?
個人でも出品者として登録できますが、販売する国ごとの税務の登録、輸入者の体制、輸入規制への対応などは、個人でも事業者と同じように必要です。手間と責任を確認したうえで始めます。
イギリスやオーストラリアで販売すると、税務の手間は増えますか?
増えることが多いです。たとえばイギリスでは、現地のFBAに在庫を置く海外の出品者は、売上の金額にかかわらずVATの登録が必要です。オーストラリアでも、現地に在庫を置いて販売し、売上が年間A$75,000以上になる場合はGSTの登録が必要になります。販売前に、国ごとに必要な登録と申告を確認します。
複数の国で同時に販売を始めてもいいですか?
おすすめしません。複数の国に在庫を分けると、資金・税務・返品対応の管理が国の数だけ増えます。最初は1か国に絞り、運用できる体制を作ってから広げます。

米Amazon輸出コンサルティング
次の国へ広げる前に、足元を固める。
海外販売の広げ方を、あなたの商品で一緒に考えます。
どの国から始めるか、いつ広げるかは、商品と体制しだいです。ワールドシフトは、米Amazon輸出を一から教え、年商1億円に届いた方も出してきたコンサルティングと、FBA納品の物流を長年続けてきました。
- アカウント作成から販売まで全サポート
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