仕入れ資金いつ戻る?お金が在庫に寝る日数

在庫に前払いしたお金は、動かないと1円も戻らない。仕入れ資金が回収できるまでの日数と、キャッシュコンバージョンサイクルの考え方

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国内のフリマやネットショップで売っていたころは、売れて数日もすれば売上が入ってきた。ところが越境ECや輸出を始めたら、仕入れにお金を払ってから、なかなか手元に戻ってこない——。

国内の物販から海外に広げた方の多くが、この「お金が戻るまでの長さ」に戸惑います。そして、こんな疑問を持ちます。

「在庫に使ったお金は、いつ手元に戻ってくるの?」

仕入れは、売れる前にお金を払う「前払い」です。在庫が動かないかぎり、そのお金は1円も戻りません。この記事では、在庫に前払いしたお金が回収できるまでの日数の考え方と、お金が在庫に寝ないようにするための資金の組み方を、Amazon輸出を例にお伝えします。

在庫に使ったお金が戻る時期の考え方

在庫に使ったお金が戻る時期は、販売先の入金サイクルだけでは決まりません。実際には、次の3つの期間を合わせた日数がかかります。

  • 仕入れてから、販売を始めるまで
  • 販売を始めてから、売れるまで
  • 売れてから、口座に着金するまで

Amazon輸出のFBAなら、すぐに売れたとしても、仕入れ資金を払ってから着金まで1か月程度、またはそれ以上かかることがあります。そして、売れなければその間ずっと、お金は在庫の中で寝たままです。

在庫にお金を寝かせず、資金を回し続けるためにやることは、次の3つです。

お金が戻るまでの「3つの期間」

在庫に使ったお金が戻るまでの期間を、3つに分けて整理すると次のようになります。

お金が戻るまでの3つの期間:01 仕入れ〜販売開始(国内での準備、発送、倉庫での受領。越境EC・輸出では国際輸送と通関、海外の倉庫での受領が加わる)、02 販売開始〜売れるまで(在庫が売れるのを待つ期間。売れ行きしだいで、売れなければ終わらない)、03 売れてから着金まで(購入者への配送、売上の留保、入金サイクル、送金。海外の販売先から日本の口座への送金にも日数がかかる)

ポイントは、②の「売れるまで」が終わらないかぎり、③は始まらないことです。在庫が動かなければ、入金サイクルがどれだけ短くても、お金は戻ってきません。

国内の物販に慣れていると、①と③を短く見積もりがちです。国内の入金の感覚をそのまま越境ECに当てはめず、販売方法や使うサービスに合わせて、期間ごとに見積もることが大切です。

Amazon輸出のFBAでは、販売開始までにも日数がかかる

まず①の「仕入れ〜販売開始」です。Amazon輸出のFBAでは、販売を始める前にも次のような日数がかかります。

工程日数(仮定の例)
国内での準備(検品・梱包・ラベル貼り)3日
国際輸送・通関2〜5日
FBAでの受領から販売可能になるまで2〜5日
準備開始から販売開始まで7〜13日

これは日数を仮定した例で、実際にはさらに時間がかかる場合もあります。通関で追加の書類を求められたり、FBA倉庫の受領が混み合ったりすると、販売開始はさらに遅れます。見積もるときは、自分のこれまでの実績をもとにするのが確実です。

この期間は、お金が在庫になったまま、まだ売ることすらできない期間です。ここを短く安定させるほど、お金が早く戻り始めます。

棚に箱が並ぶ倉庫

販売開始までの日数を短く、安定させる

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荷物が届いてから最短2日でAmazonの受領まで。検品・梱包・ラベリングから通関、FBA倉庫への納品まで一括で代行し、お金が「まだ売れない在庫」になっている期間を短くします。

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売れてから着金するまでにも日数がかかる

次に③の「売れてから着金まで」です。販売を始めてすぐに売れたとしても、次の日数が必要です。

  • 購入者への配送:商品が届くまでの日数
  • 売上の留保:Amazonでは原則として、商品のお届け日から7日間、売上金が留保されます(DD+7)
  • 決済・銀行送金:入金サイクルに合わせた支払いと、日本の口座に届くまでの日数

すぐに売れた場合で並べてみる

①から③までを、販売開始まで13日(仮定の日数の上限)かかり、その日のうちに売れた場合で並べると、次のようになります。

できごと仕入れ資金を払ってからの日数(例)
仕入れ資金を支払い、国内で準備を始める0日目
FBAで販売開始13日目
その日のうちに売れる13日目
購入者に届く17日目
売上の留保が外れる(お届け日から7日後)24日目ごろ
次の入金サイクルで支払われ、口座に着金30日目以降

販売を始めたその日に売れた場合でも、仕入れ資金を払ってから着金まで1か月程度かかります。売れるまでに時間がかかれば、その分だけさらに延びます。

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キャッシュコンバージョンサイクルで「お金が寝ている日数」を数字にする

お金が在庫に寝ている日数を、事業全体の数字で見る方法があります。それがキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)です。

キャッシュコンバージョンサイクルとは

キャッシュコンバージョンサイクルとは、仕入れにお金を払ってから、売上として現金が戻ってくるまでの日数のことです。次の3つの日数で計算します。

キャッシュコンバージョンサイクル=棚卸資産回転日数+売上債権回転日数−仕入債務回転日数。01 棚卸資産回転日数(日)=平均在庫額÷売上原価×365(在庫が平均して何日で売れているか)、棚卸資産回転率(回)=売上原価÷平均在庫額(1年で在庫が何回入れ替わったか)。02 売上債権回転日数=売れてから入金されるまでの日数。03 仕入債務回転日数=仕入れてから支払うまでの日数(カード払いなら引き落としまでの日数)

棚卸資産回転率・回転期間を使って計算する

たとえば、平均在庫額が90万円、1年間の売上原価が540万円の場合で計算してみます。

項目計算結果
棚卸資産回転率540万円 ÷ 90万円年6回
棚卸資産回転期間(日数)365 ÷ 6約61日
売上債権回転日数(売れてから入金まで)配送・留保・入金サイクルなど約20日
仕入債務回転日数(カード払いの猶予)仕入れから引き落としまで約40日
キャッシュコンバージョンサイクル61 + 20 − 40約41日

この例では、仕入れのお金を払ってから回収するまで、平均で約41日、お金が寝ていることになります。日数が短いほど、同じ資金で何度も仕入れを回せます。

日数を縮めるには、在庫の回転を上げる

日数を縮めるいちばんの近道は、棚卸資産回転期間、つまり在庫が売れるまでの日数を短くすることです。そのためには、在庫がどの段階に、いくら寝ているかを把握し、売れ残っている在庫に早めに手を打つ必要があります。

数値と折れ線が並ぶ分析画面

在庫に寝ているお金を「見える化」

米AmazonリサーチツールPROFiNDER

入荷待ち・保管中・国際輸送中・移動中・販売可能の5つの段階ごとに在庫の金額を把握。売れ残っている在庫も一覧で確認できるので、早めに現金に戻す手を打てます。

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入金予定日と支払日を並べてから、次の仕入れ額を決める

お金が戻るまでの日数が分かったら、次は入金予定日と、支払日を並べることです。並べる支払いには、次のようなものがあります。

  • 仕入れ代金(カードなら引き落とし日)
  • 国際送料・納品代行費
  • 関税・輸入時の諸費用
  • ツール代・広告費などの毎月の固定費

並べてみて、入金が来る前に必要な支払いを、手元の資金で賄えるかを確かめます。賄えるなら、その余力の範囲で次の仕入れ額を決めます。賄えないなら、仕入れを減らすか、仕入れのタイミングをずらします。

実務メモ

「売上が立ったから次を仕入れよう」と判断すると、まだ着金していないお金を当てにして仕入れることになります。次の仕入れ額は、売上ではなく「入金予定日までに手元に残るお金」で決めるのが基本です。

遅れを想定して、手元資金を残す

最後に大切なのが、売れ行きや着金が遅れた場合も想定して、手元資金を残しておくことです。

ここまで見てきた日数は、あくまで予定どおりに進んだ場合です。実際には、通関で止まる、売れ行きが想定より遅い、入金サイクルがずれるなど、遅れる理由はいくつもあります。

特に資金が少ない段階では、予定どおりの入金を前提に、手元のお金を全額仕入れに回さないことが大切です。1回の遅れで支払いが間に合わなくなると、次の仕入れが止まり、事業そのものが止まってしまいます。

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まとめ

在庫の仕入れは「前払い」です。在庫が動かないかぎり、そのお金は1円も戻りません。

  • お金が戻る時期は、入金サイクルだけでなく、販売開始まで・売れるまで・着金までの3つの期間を合わせて考える
  • Amazon輸出のFBAでは、販売開始までに7〜13日程度(仮定の例)、すぐに売れても着金まで1か月程度かかることがある
  • 国内の入金の感覚をそのまま越境ECに当てはめない
  • キャッシュコンバージョンサイクルで、お金が寝ている日数を数字にする。縮めるには在庫が売れるまでの日数を短くする
  • 入金予定日と支払日を並べ、入金前の支払いを賄えるかを見てから、次の仕入れ額を決める
  • 遅れを想定して、手元資金を残す。資金が少ないうちは全額を仕入れに回さない

よくある質問

在庫に使ったお金は、いつ手元に戻ってきますか?

入金サイクルだけでは決まりません。仕入れてから販売開始まで、販売開始から売れるまで、売れてから着金するまでの3つの期間を合わせた日数で戻ります。Amazon輸出のFBAでは、すぐに売れた場合でも、仕入れ資金を払ってから着金まで1か月程度、またはそれ以上かかることがあります。

キャッシュコンバージョンサイクルとは何ですか?

仕入れにお金を払ってから、売上として現金が戻ってくるまでの日数のことです。棚卸資産回転日数 + 売上債権回転日数 − 仕入債務回転日数 で計算します。日数が短いほど、お金が在庫に寝ている期間が短いことを意味します。

棚卸資産回転期間の計算式は?

棚卸資産回転期間(日)= 平均在庫額 ÷ 売上原価 × 365 です。在庫が平均して何日で売れているかを表します。棚卸資産回転率を使って、365 ÷ 棚卸資産回転率 で求めることもできます。

棚卸資産回転率の計算式は?

棚卸資産回転率(回)= 売上原価 ÷ 平均在庫額 です。1年間で在庫が何回入れ替わったかを表し、回数が多いほど在庫が早く売れていることを意味します。売上原価の代わりに売上高を使う計算方法もあります。

Amazon FBAでは、仕入れから販売開始まで何日かかりますか?

国内での準備、国際輸送・通関、FBAでの受領から販売可能になるまでを合わせてかかります。たとえば国内準備に3日、国際輸送・通関に2〜5日、受領から販売可能まで2〜5日と仮定すると、7〜13日です。実際にはさらに時間がかかる場合もあるため、自分の実績をもとに見積もります。

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越境ECで伸びる人は、利益率だけでなく「お金が戻るまでの日数」を見ています。ワールドシフトは、米Amazon輸出を一から教え、年商1億円に届いた方も出してきたコンサルティングと、FBA納品の物流を長年続けてきました。

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