始める資金はいくら必要?在庫資金の目安

海外物販を始めるのに資金はいくら必要?最低限確保したい在庫資金の目安と、黒字倒産を防ぐ考え方

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これから海外物販を始めようという方の相談に乗るとき、ほぼ必ずといっていいほど最初に出てくる質問があります。

「海外物販を始めるには、資金はいくら必要ですか?」
「最低いくらあれば、始められますか?」

「30万円あれば大丈夫」「10万円からでも始められる」といった答えを探している方も多いと思います。ただ、実際に多くの方の立ち上げを見てきて分かるのは、始めたあとに資金が足りなくなる人の多くは、金額よりも「お金の見方」でつまずいているということです。

この記事では、海外物販を始める前に確保しておきたい在庫資金の考え方と、実際の計算例をお伝えします。考え方は販売先を問わず共通ですが、ここでは取り組む方の多いAmazon輸出(米国Amazon)を例に説明します。eBayや自社ECで販売する方も、そのまま置き換えて読んでいただけます。

必要な資金は「利益」ではなく「入金までに出ていく現金」で決まる

結論からお伝えすると、海外物販を始めるのに「最低○万円あれば大丈夫」という一律の金額はありません。扱う商品の価格や仕入れる数によって、必要な資金は大きく変わるからです。

そのうえで、必要な資金を考えるときの軸ははっきりしています。商品の利益ではなく、「販売先から入金されるまでの間に、先に出ていく現金」で考えることです。

利益が見込める商品でも、仕入れ代金や送料などの支払いが、Amazonなど販売先からの入金より先に来れば、次の商品を仕入れるお金が足りなくなります。これが、帳簿上は黒字なのに資金が足りなくなる「黒字倒産」と同じ構造です。

これを防ぐために、始める前から意識しておきたいことは次の4つです。

以下、まず「利益があっても資金が足りなくなる理由」を2つ説明し、そのあとで4つのポイントと、実際に必要な資金の計算例を順に解説します。

利益と手元の現金は別物。黒字倒産が起きる仕組み

黒字倒産とは

黒字倒産とは、帳簿上は利益が出ている(黒字)のに、支払いに必要な現金が足りなくなって、事業が続けられなくなることです。原因は、お金が出ていく時期と入ってくる時期のズレ、つまりキャッシュフローにあります。

海外物販のお金の流れ

海外物販は、国内の物販に比べて国際発送や通関の分だけ時間がかかるため、このズレが大きくなりやすいビジネスです。Amazon輸出を例に、お金の動きを順番に並べると次のようになります。

Amazon輸出のお金の流れ:01 国内で仕入れる(仕入れ代金を支払う・カードなら翌月以降)、02 国内で準備し国際発送する(送料・関税・納品代行費を支払う)、03 FBA倉庫に入庫し販売が始まる(この時点では大きな出金はない)、04 商品が売れる(売上は立つがまだ入金されない)、05 Amazonから入金される(ここでやっと現金が戻る)

01と02の支払いは、ほとんどの場合05の入金より先に来ます(現金で払うなら必ず先です)。しかもAmazonの場合、売上金は売れた日にすぐ入るわけではなく、お届け日から7日間の留保(DD+7)と入金サイクルの分だけ遅れます。ほかの販売先でも、売上が口座に届くまでには一定の日数がかかります。利益が出る商品を選んでいても、この期間を乗り切る現金がなければ、次の仕入れができなくなるのです。

黒字倒産を防ぐキャッシュフローの見方利益は出ているのに、支払日にお金が足りない?Amazon輸出で資金ショートを防ぐ5つの数字

仕入れすぎると、資金が在庫に固定される

もう1つ、始めたばかりの方がつまずきやすいのが仕入れすぎです。1個あたりの利益が高い商品でも、売れる数に対して多く仕入れると、資金が長い間、在庫に固定されてしまいます。

たとえば、月に1個しか売れない商品を10個仕入れれば、売り切るまでの想定は約10か月です。その間、10個分の仕入れ代金は在庫のまま戻ってきません。

月に売れる数仕入れる数売り切るまでの想定
1個2個約2か月
1個10個約10か月(資金が長く止まる)
10個10個約1か月

だからこそ、1個あたりの利益だけで仕入れ数量を決めないことが大切です。長く売れ残った在庫には、FBAの保管手数料も毎月かかり続けます。

売れ残りが手数料で損をする仕組み売れない在庫ほど、手数料で利益が消えていく。Amazon輸出で回転の遅い商品が損をする仕組みと見直し方

リサーチでは「利益・売れる数・必要資金」を一緒に見る

ここからは、始める前に意識したい4つのポイントです。1つ目は、リサーチのときに次の3つを必ずセットで見ることです。

見ること確認する内容
1個あたりの利益額送料・関税・手数料まで引いて、1個売れたらいくら残るか
売れる見込み数月に何個売れる商品か
必要な仕入れ資金見込み数に合わせて仕入れると、いくら必要か

誤解しないでいただきたいのは、利益額の高い商品を選ぶこと自体が悪いわけではないということです。大切なのは、その商品が売れるまでの期間と、自分の資金の余裕に合っているかです。

数値と折れ線が並ぶ分析画面

利益・売れる数・仕入れ数をまとめて確認

米AmazonリサーチツールPROFiNDER

送料・関税まで引いた1個あたりの利益と、売れる見込み数、推奨の仕入れ数を仕入れる前にまとめて確認できます。

PROFiNDERを見る →

資金が少ないほど、1商品に集中させない

2つ目は、資金が少ないうちほど、1つの商品に資金を集中させすぎないことです。

特に注意したいのが高額商品です。高額商品は1個あたりの仕入れ負担が大きいため、売れ行きが予想を外したときの影響も大きくなります。

同じ15万円の使い方(例)予想が外れたとき
1個5万円の商品を3個1商品が売れないだけで、資金のほぼすべてが止まる
1個2,500円の商品を10商品×6個1商品が外れても、止まるのは資金の1割ほど

始めたばかりのうちは、売れ行きの予想が外れることも少なくありません。分けて仕入れておけば、外れた商品があっても、ほかの商品の入金で次の仕入れを続けられます。

利益の低い商品も、回転が速ければ全体の利益に貢献する

3つ目は、1個あたりの利益が低い商品を、それだけで外さないことです。回転が速い商品は、同じ資金で何度も売ることができるので、全体の利益に貢献します。

同じ6万円を使って、3か月間で比べてみます。

比べる項目商品X(高利益・遅い)商品Y(低利益・速い)
仕入れ単価 × 数6,000円 × 10個2,000円 × 30個
1個あたりの利益3,000円800円
月に売れる数1個10個
3か月の利益9,000円24,000円
3か月後、在庫に残るお金42,000円0円(全額戻る)

1個あたりの利益は商品Xのほうが高いのに、3か月の利益も、戻ってくる資金も商品Yのほうが上です。資金が少ないうちは、回転の速い商品で資金を回しながら利益を積み上げるほうが、事業を広げやすくなります。

実務メモ

コンサルティングでは、最初は「利益は控えめでも、確実に早く売れる商品」を中心に組み、資金が増えてきたら高利益の商品を少しずつ足していく形をおすすめすることが多いです。最初の数か月で資金を減らさないことが、そのあとの伸び方を大きく左右します。

仕入れる前に、入金と支払いの日付を確認する

4つ目は、仕入れる前に入金と支払いの日付を確認することです。確認したいのは、次の問いです。

仕入れる前に確認する問い

「何個売れれば、次の仕入れと請求の支払いに必要な現金が戻るか」

たとえば、来月27日にカードの引き落としが10万円あるなら、その日までに販売先から10万円以上入金されている必要があります。1個あたり入金額が4,000円の商品なら、少なくとも25個が、入金に間に合うタイミングで売れていなければなりません。

ここまで見ておくと、「売れているのに、支払日にお金が足りない」という黒字倒産と同じ状態を前もって防ぎやすくなります。

入金を早めるには、仕入れてからFBAで販売を始めるまでの日数を短くすることも効果的です。販売開始が早いほど、売れるのも入金も早くなります。

棚に箱が並ぶ倉庫

FBA納品・梱包・通関・発送を代行

米AmazonFBA納品代行サービスSLC

検品・梱包・ラベリングから通関、FBA倉庫への納品まで一括で代行。仕入れから販売開始までの期間を短く、安定させます。

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始める前に確保したい資金の計算例

必要な資金の計算式

最後に、「結局いくら必要なのか」を計算してみます。始める前に確保したい資金は、次の4つの合計で考えます。

必要な資金=01 最初の仕入れ代金+02 送料・関税など+03 入金までの固定費+04 予備資金

Amazon輸出で始める場合の計算例

たとえば、Amazon輸出で10商品を6個ずつ、平均2,500円で仕入れて始める場合は、次のようになります。

項目金額(例)考え方
最初の仕入れ代金150,000円2,500円 × 6個 × 10商品
国際送料・関税・納品代行費など30,000円仕入れ代金の2割程度を見込む
入金までの固定費20,000円出品料・ツール代など月1万円 × 入金までの2か月
予備資金45,000円仕入れ代金の3割。売れ行きが外れたときの備え
始める前に確保したい資金約245,000円→ この例では約25万円程度

この金額は、商品の単価や数を変えれば大きく変わります。大切なのは金額そのものより、「入金されるまでに出ていくお金」を全部足して、それを乗り切れるかを先に確かめることです。

これまでの経験から

始めてすぐに資金が足りなくなる方の多くは、仕入れ代金だけで予算を組み、送料・関税や、入金までの固定費、予備資金を見込んでいません。最初の予算に「入金までの期間」と「外れたときの備え」を入れておくだけで、立ち上げの安定感はまったく変わります。

まとめ

海外物販を始めるのに「最低○万円」という一律の金額はありません。必要な資金は、商品の利益ではなく、販売先から入金されるまでに先に出ていく現金で決まります。

  • 利益と手元の現金は別物。支払いが入金より先に来ると、黒字でも資金が足りなくなる(黒字倒産と同じ構造)
  • 売れる数に対して仕入れすぎると、資金が在庫に固定される
  • リサーチでは、1個あたりの利益・売れる見込み数・必要な仕入れ資金を一緒に見る
  • 資金が少ないほど、1商品に集中させない
  • 利益の低い商品も、回転が速ければ全体の利益に貢献する
  • 仕入れる前に、「何個売れれば次の仕入れと支払いの現金が戻るか」を確認する

始める前の資金は、仕入れ代金 + 送料・関税など + 入金までの固定費 + 予備資金の合計で考えましょう。この考え方は、販売先がAmazonでも、eBayや自社ECでも同じです。

よくある質問

海外物販を始めるのに、資金はいくら必要ですか?

扱う商品や仕入れ数によって変わるため、一律の金額は決められません。目安は「最初の仕入れ代金」と「送料・関税など」、Amazonから入金されるまでの「固定費」、想定が外れたときの「予備資金」の合計です。たとえばAmazon輸出で10商品を6個ずつ、平均2,500円で仕入れる例では、約25万円程度になります。

黒字倒産とは何ですか?

帳簿上は利益が出ている(黒字)のに、支払いに必要な現金が足りなくなって事業が続けられなくなることです。Amazon輸出では、仕入れ代金や送料の支払いがAmazonからの入金より先に来るため、キャッシュフローを見ていないと起こりえます。

資金が少ないうちは、高利益の商品を選んだほうがいいですか?

高利益の商品を選ぶこと自体は悪くありませんが、売れるまでの期間と資金の余裕に合っているかが大切です。売れる数に対して仕入れすぎると資金が在庫に固定されます。1個あたりの利益、売れる見込み数、必要な仕入れ資金を一緒に見て判断します。

利益の低い商品は仕入れないほうがいいですか?

そうとは限りません。1個あたりの利益が低くても、回転が速ければ同じ資金で何度も売ることができ、全体の利益に貢献します。資金が早く戻るので、次の仕入れにも回しやすくなります。

販売先がAmazon以外(eBayや自社ECなど)でも、考え方は同じですか?

同じです。販売先がどこでも、仕入れ代金や国際送料・関税の支払いは、ほとんどの場合入金より先に来ます。販売先ごとに入金までの日数を確認し、それまでに出ていく現金を乗り切れるかで必要な資金を考えます。

仕入れる前に何を確認すれば、資金不足を防げますか?

入金と支払いの日付です。「何個売れれば、次の仕入れと請求の支払いに必要な現金が戻るか」まで確認しておくと、黒字なのに資金が足りない事態を防ぎやすくなります。

ノートパソコンで出品の作業をする

米Amazon輸出コンサルティング

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始め方を間違えなければ、少ない資金からでも着実に伸ばせるのが海外物販です。これから始めるなら、仕組みが整っているAmazon輸出はおすすめの入り口です。ワールドシフトは、米Amazon輸出を一から教え、年商1億円に届いた方も出してきたコンサルティングと、FBA納品の物流を長年続けてきました。

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