引落日に現金が足りない!日ごとの資金繰り表

カード引落日に現金が足りない。物販・せどりの資金繰り表の作り方と、運転資金の計算

公開日 最終更新日

「売上はあるのに、カードの引落日に現金が足りない」

物販では、仕入れと入金のタイミングがずれることで、このような状態になることがあります。

カードで仕入れると、その場では現金が減りません。しかし、商品が売れて入金される前にカードの引落日が来れば、口座残高が不足する可能性があります。せどりや物販でクレジットカード仕入れをしている方なら、一度はヒヤッとした経験があるかもしれません。

この記事では、カードの引き落としで現金が足りなくなるのを防ぐための、資金繰り表の作り方と運転資金の考え方を、物販の実務の視点でお伝えします。記事の最後では、そのまま使える「資金繰り表(日次)」のExcelも配布しています。

資金繰りは、何を基準に考えるか

資金繰りで見るべきなのは、利益ではなく、「その日に実際に使える現金がいくらあるか」です。

在庫の金額、まだ入金されていない売上、クレジットカードの利用可能枠は、どれも「お金のように見えるもの」ですが、カードの引き落としには使えません。引き落としに使えるのは、その日に口座にある現金だけです。

そのため、口座にあるお金を、そのまま「仕入れに使えるお金」と考えないことが出発点になります。そのうえでやることは、次の4つです。

資金繰り表の作り方:まず「本当に使える現金」を確認する

資金繰り表は、次の手順で作ります。

  1. 今の口座残高を確認する
    同じ口座から生活費なども払っている場合は、その支出も出金予定に含めます。
  2. 入金予定を書く
    「いつ・いくら銀行口座に入るか」を書きます。売れた日や売上の総額ではなく、手数料などを引いた着金予定額で書き、確定している入金とこれから売れるだろうという見込みは分けておきます。
  3. 出金予定を書く
    「いつ・いくら支払うか」を書きます。カードの引落し、現金での仕入れ、送料、サービス利用料、税金、借入の返済などを入れます。
  4. 今後の残高を出す
    次の式で、日付ごとの残高を出します。

今後の残高の出し方

今後の残高 = 現在の残高 + 入金予定 − 出金予定

資金繰り表の見本

表の形は、次のようにシンプルで十分です。

日付内容入金(確定)入金(見込み)出金残高
今日口座残高300,000円
10日カードBの引落し150,000円150,000円
15日販売先からの入金200,000円350,000円

カード払いの仕入れや経費は、カードの引落しの行にまとめて入れるのがポイントです。仕入れた日にも出金として書いてしまうと、同じお金を二重に数えてしまいます。

カードの引落日は、日付単位で見る

せどりや物販でクレジットカード仕入れをしている場合、まずカードごとに締め日・引落日・引落額を一覧にします。

カード締め日引落日次の引落額
カードA月末翌月27日400,000円
カードB15日翌月10日150,000円

複数のカードを使っている場合は、支払いが同じ時期に集中していないかも確認します。

月末ではなく、引落日の残高を見る

そして大切なのが、直近のカード引落しの前後は、月単位ではなく日付単位で残高を見ることです。月末に現金が残る計算でも、途中の引落日には足りないことがあるからです。

日付内容入出金残高
1日口座残高300,000円
10日カードBの引落し−150,000円150,000円
15日販売先からの入金+200,000円350,000円
27日カードAの引落し−400,000円−50,000円(足りない)
30日販売先からの入金+250,000円200,000円

この例では、月末には20万円残る計算です。しかし27日の引落日には5万円足りません。月単位で見ていると、この不足に気づけません。

さらに、入金の遅れや予定外の支出に備えて、最低限、手元に残しておく金額も決めておきます。予定どおり売れて入金されることを前提に、資金を全額仕入れに回さないことが大切です。

運転資金を計算して、事業に止まっている現金を知る

資金繰り表とあわせて知っておきたいのが、運転資金です。運転資金とは、仕入れてから売上が入金されるまでの間、事業を回すために必要なお金のことで、一般的には次の式で計算します。

運転資金の計算式

運転資金 = 売上債権 + 棚卸資産 − 仕入債務

物販に置きかえると「まだ入金されていない売上 + 在庫の仕入れ金額 − まだ引き落とされていないカードの利用額」です。

項目金額(例)
まだ入金されていない売上200,000円
在庫の仕入れ金額800,000円
まだ引き落とされていないカードの利用額−400,000円
運転資金600,000円

この例では、60万円分の現金が、事業の中(在庫と未入金の売上)に止まっていることになります。この金額が売上に比べて大きくなっているなら、仕入れのペースが売れるペースを上回っているサインです。

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現金が減っているなら「在庫にいくら止まっているか」を見る

仕入れに使えるお金が減っている場合、資金が在庫に変わったまま戻ってきていない可能性があります。ただし、原因は在庫だけとは限りません。次の可能性もあわせて確認します。

  • 入金が予定より遅れている
  • 送料や広告費などの経費が増えている
  • 予定外の支出があった

在庫を見るときは、数量だけでなく仕入れ金額も確認します。特に、次の商品を洗い出します。

  • 長い間動いていない商品
  • 想定より販売が遅い商品
  • 多くの資金を入れている商品

ホリデーシーズンなどに向けて意図的に在庫を増やしている場合は、計画どおりの一時的な現金の減少なのか、予定より売れずに資金の回収が遅れているのかを分けて考えます。計画していた販売数・入金時期と比べれば、どちらかが分かります。

ここで難しいのが、「今、在庫にいくらの資金が止まっているか」を正確に把握することです。在庫を数量ではなく金額で把握できれば、「現金がなくなった」のか「現金が在庫に変わっている」のかを切り分けやすくなります。

数値と折れ線が並ぶ分析画面

在庫に止まっている資金を、金額で

米AmazonリサーチツールPROFiNDER

米Amazonの在庫データから在庫の金額(棚卸資産額)を確認し、月末時点の在庫金額を記録。入荷待ちから販売可能までの段階ごとに、どこにいくら止まっているかも把握できます。資金繰り表の「在庫」の欄に入れる金額が、すぐに分かります。

PROFiNDERを見る →

不足が見えたら、次の仕入れを調整する

今後の残高を計算して、「このままではカードの引落日に足りない」と分かったら、不足する前に仕入れを調整します。たとえば、次のような方法があります。

  • 売れ行きの遅い商品の追加仕入れを止める
  • 仕入れる数量を減らす
  • 売れ残りを値下げして現金化する
  • 仕入れの時期を後ろへずらす

売れ残りを現金化する場合は、保管費や値下げ後の損益、今後売れる見込みだけでなく、売れてから実際に入金されるまでの時間も考えます。引落日までに入金が間に合わなければ、値下げしても不足は解消しないからです。

売れ残りを早く現金に戻す売れない在庫はまとめて買い取ってもらえる?在庫買取から海外での売り切りまで、国内・海外の出口で現金化する判断基準

非常時それでも引落日に間に合わないと分かったら

仕入れの調整や現金化が引落日に間に合わないと分かったら、引落日の前に、カード会社へ相談します。何もしないまま引き落としができないと、延滞になります。

延滞すると遅延損害金がかかり、支払いが遅れた事実は信用情報に記録され、今後のカードの利用や借入に影響することがあります。カードが使えなくなれば、仕入れそのものが止まってしまいます。「足りないかもしれない」と分かった時点で、早めに動くことが大切です。

見直し在庫を現金化したあとは、仕入れの基準も見直す

在庫を整理したあとは、次の点を振り返ります。

  • 利益率だけで商品を選んでいなかったか
  • 自分が売れる数量を、多く見積もりすぎていなかったか
  • 最初の仕入れ数量が多すぎなかったか

見直した基準は、次の仕入れに反映します。少量で販売実績を確認してから追加するなど、売れ行きと資金の余裕に合った仕入れ方に変えていきます。そして資金繰り表も、入金額やカードの請求額が確定するたびに更新し、不足が見えた段階で次の仕入れを調整します。

まとめ

カード仕入れで引落日に現金が足りなくなるのを防ぐには、次のことが大切です。

  • 資金繰りは利益ではなく、実際に使える口座の現金で考える
  • 資金繰り表は「現在の残高+入金予定−出金予定」で作り、入金は着金額で、確定と見込みを分ける
  • カードごとの締め日・引落日・引落額を一覧にし、引落日の前後は日付単位で残高を見る
  • 運転資金を計算し、在庫と未入金の売上にいくら止まっているかを知る
  • 不足が見えたら、不足する前に仕入れを調整し、間に合わなければ早めにカード会社へ相談する

口座にあるお金を、そのまま「仕入れに使えるお金」と考えないこと。今後の支払いと手元に残しておく現金を確保したうえで、次にいくら仕入れられるかを判断しましょう。

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物販の資金繰り表(日次)|カード引落日の不足を見つけるシート

入金と出金を日付ごとに入れるだけで、「月末には残るのに、引落日に足りない日」が一目で分かるExcelです。

  • 資金繰り表(日次):残高を「見込みを含む」「確定のみ」の2つで表示。足りない日は赤、手元に残す金額を下回る日はオレンジ、カードの引落日は青で表示
  • カード一覧:カードごとの締め日・引落日・次の引落額・残りの利用枠
  • 運転資金:在庫と未入金の売上に、いくら現金が止まっているかを自動で計算
  • 記入例:この記事の「27日に5万円足りない」ケースを入力済み

よくある質問

物販の資金繰り表の作り方は?

今の口座残高を出発点に、入金予定(いつ・いくら口座に入るか)と出金予定(いつ・いくら支払うか)を日付順に並べ、「残高+入金予定−出金予定」で今後の残高を出します。入金は手数料を引いた着金額で、確定分と見込み分を分けて書きます。

運転資金はどう計算しますか?

一般的には「売上債権+棚卸資産−仕入債務」で計算します。物販なら「まだ入金されていない売上+在庫の仕入れ金額−まだ引き落とされていないカードの利用額」と考えると分かりやすく、この金額分の現金が事業の中で止まっていることになります。

せどりでクレジットカード仕入れをするときの注意点は?

カードの利用可能枠は、引き落としに使える現金ではありません。カードごとの締め日・引落日・引落額を確認し、引落日の時点で口座に現金が残るかを日付単位で見ておきます。複数のカードの引落しが同じ時期に重ならないかも確認します。

カードの引き落としに現金が足りないと分かったら、どうすればいいですか?

まず新しい仕入れを止め、売れ残っている在庫の値下げなどで早めに現金化を進めます。それでも間に合わない場合は、引落日の前にカード会社へ相談します。延滞すると遅延損害金がかかり、支払いが遅れた事実は信用情報に記録されて、今後のカード利用や借入に影響することがあります。

月末に現金が残る計算なのに、足りなくなるのはなぜですか?

月の途中の引落日には、まだ入金が来ていないことがあるからです。月単位で見ると残高がプラスでも、引落日の時点でマイナスになる場合があります。カードの引落し前後は、日付単位で残高を確認します。

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