
コマーシャルインボイスとは?輸出で税関を通るための書き方と必須項目、商品名・価格の書き方
はじめてアメリカに商品を送ることになった。クーリエからは「インボイスを付けてください」と言われたけれど、見本を見てもどこに何を書けばいいのか分からない。とりあえず「Goods」と書いて送ったら、税関で止まり、商品の説明を求められた——。
輸出を始めたばかりのころは、インボイスの書き方でつまずくことがよくあります。
「インボイスには、何をどう書けば税関を通るの?」
この記事では、輸出に使うコマーシャルインボイスとは何か、必ず書く項目、税関に伝わる商品名の書き方、販売目的の商品とサンプルの申告価格の考え方を整理します。Amazon輸出だけでなく、越境ECなどで海外に商品を送るときにも使える内容です。
インボイスを書くときの考え方
インボイスは、税関が商品の内容と価格を判断するための書類です。税関の担当者は、荷物を開けなくても何が入っているか分かるように、インボイスを読みます。そのため、漏れなく、具体的に、正しく書くことが大切です。
やること
コマーシャルインボイスとは
コマーシャルインボイスとは、輸出する商品の内容や価格を示す書類です。送り状とも呼ばれます。
輸入する国の税関は、インボイスに書かれた品名・数量・価格・原産国などをもとに、商品の内容を確認し、関税を計算します。インボイスの内容が不十分だったり、間違っていたりすると、通関で確認を求められたり、関税の計算をやり直したりすることになります。
インボイスの基本の項目を漏れなく書く
インボイスには、通関に必要な次の情報を正確に書きます。記載の漏れは、確認や差し戻しの原因になります。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 発送人(Shipper) | 発送する人・会社の名前、住所、連絡先 |
| 受取人(Consignee) | 受け取る人・会社の名前、住所、連絡先 |
| 品名(Description) | 何の商品かが分かる具体的な名前(材質や用途も) |
| 数量(Quantity) | 商品ごとの個数 |
| 単価(Unit Price) | 1個あたりの価格 |
| 合計金額(Total Value) | 数量 × 単価の合計と、通貨(USDなど) |
| 原産国(Country of Origin) | 商品が作られたとみなされる国 |
| 輸出の目的 | 販売、サンプル、返品など |
※求められる項目は、輸入する国や配送会社によって違います。HTSコードの記載を求められる場合もあります。アメリカでは、運賃・保険料などの費用を項目ごとに書くことも求められます。発送前に、利用する配送会社の案内で確認してください。
FBAに納品する場合、届け先はAmazonの倉庫ですが、Amazonは輸入者(IOR)にはなりません。輸入者を誰にするかは、インボイスを作る前に決めておきます。FBAに送るときの輸入者の決め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
FBAの輸入者の決め方を詳しく解説Importer of Record(IOR)とは?FBAへ送る前に「輸入者は誰か」を決める方法と、輸入者代行の選び方
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商品名は具体的に書く
商品名には、「Goods」「Sample」のようなあいまいな表現を使わず、税関が商品の内容を判断できる名称を書きます。材質や用途まで書くと、より伝わりやすくなります。
| 伝わりにくい書き方 | 具体的な書き方(例) |
|---|---|
| Goods | Stainless steel vacuum bottle for drinks, 500ml(ステンレス製の飲み物用の保温ボトル) |
| Sample | Cotton T-shirt for men, 100% cotton, sample(綿100%の男性用Tシャツ・サンプル) |
| Parts | Plastic replacement lid for food container(食品保存容器用のプラスチック製の替えふた) |
| Gift | Ceramic tea cup, set of 2(陶器製の湯のみ・2個セット) |
「何でできているか」「何に使うか」「どんな形か」が分かれば、税関は商品を判断しやすくなり、確認のやり取りが減ります。
有償・無償と申告価格を正しく決める
送る商品が販売する商品(有償)なのか、サンプル(無償)なのかによって、申告の内容は変わります。
| 販売目的の商品(有償) | サンプル(無償) | |
|---|---|---|
| 輸出の目的 | 販売 | サンプル |
| 申告価格 | 実際の取引の価格 | 無償でも、税関に申告する価格が必要になるのが一般的 |
価格を誤ると、関税の再計算や書類の修正が必要になる場合があります。実際より安い価格を書けば、あとから関税の差額を求められたり、修正の申告が必要になったりします。関税を下げるために価格を低く書くことは、絶対にしないようにします。
無償のサンプルでも、価格は申告する
「無償だから0円」と書けばいい、と考えがちですが、無償の商品でも、税関には商品の価格を申告します。アメリカでは、通常の取引で売った場合の価格を書くことが規則で決まっています。どの価格で申告するかは、利用する配送会社や通関業者に確認します。
原産国とHTSコードは、商品ごとに確かめる
海外販売では、商品の情報だけでなく、原産国やHTSコードも通関に関わり、関税の額を左右します。どちらも、商品ごとに確かめて書きます。
- 原産国:日本から送る商品でも、原産国が日本とは限らない
- HTSコード:アメリカでは10桁のHTSコードで商品を分類する(関税率は上の8桁で決まる)
原産国の判定と、自分の商品のHTSコードの決め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
原産国の判定を詳しく解説日本で組み立てたら「日本製」になる?原産地の判定基準と、米国の「実質的変更」の考え方
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HTSコードの決め方を詳しく解説自分の商品のHSコードはどう決める?輸出の前に自分で調べる手順と、HSコード検索の使い方
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出荷前の確認を習慣にする
越境ECやAmazon輸出のように、継続して発送する場合は、商品ごとにインボイスの情報を整理しておくと、毎回の作成が楽になり、手戻りも減らせます。
| 商品ごとに整理しておく情報 | 例 |
|---|---|
| 英語の商品名 | 材質・用途まで入れた名前 |
| 材質・用途 | ステンレス、綿100%、食品保存用 など |
| 原産国 | 商品・包装の表示や、メーカーへの確認の結果 |
| HTSコード | 確認済みの10桁の番号 |
| 申告に使う単価 | 取引の価格 |
そして、出荷の前には、インボイスの内容と、実際に箱に入れた商品・数量が合っているかを確認します。新しい商品を扱うときは、整理した情報に追加してから発送するようにします。
米国向けの通関を日々行っていると、税関で止まる荷物の多くは、商品名があいまいなものや、数量・価格が実際と合っていないものです。商品名を具体的に書き、出荷前に中身と照らし合わせるだけで、通関の確認はぐっと減ります。
まとめ
インボイスは、税関が商品の内容と価格を判断するための書類です。漏れなく、具体的に、正しく書きます。
- コマーシャルインボイスは、輸出する商品の内容や価格を示す書類。税関はこれをもとに関税を計算する
- 品名・数量・単価・合計金額・原産国・発送人・受取人など、通関に必要な項目を漏れなく書く
- 商品名は「Goods」「Sample」ではなく、材質や用途まで分かる具体的な名前にする
- 販売目的(有償)かサンプル(無償)かを分け、申告価格を正しく決める。無償でも価格の申告が必要になるのが一般的
- 原産国とHTSコードは、商品ごとに確かめる
- 継続して発送するなら、商品ごとにインボイスの情報を整理し、出荷前に中身と照らし合わせる
よくある質問
コマーシャルインボイスとは何ですか?
輸出する商品の内容や価格を示す書類です。税関は、インボイスに書かれた品名・数量・価格・原産国などをもとに、商品の内容を確認し、関税を計算します。
インボイスには、何を書けばいいですか?
品名・数量・単価・合計金額・原産国・発送人・受取人など、通関に必要な情報を正確に書きます。記載の漏れは、確認や差し戻しの原因になります。
インボイスの商品名は、どう書けばいいですか?
「Goods」「Sample」のようなあいまいな表現ではなく、税関が商品の内容を判断できる名称を書きます。材質や用途まで書くと、より伝わりやすくなります。
サンプルなど無償の商品は、価格を0円にしていいですか?
販売する商品かサンプルかによって申告の内容は変わりますが、無償の商品でも、税関に申告する価格が必要になるのが一般的です。価格を誤ると、関税の再計算や書類の修正が必要になる場合があります。
Amazon輸出で、インボイスの作成を楽にする方法はありますか?
継続して発送する場合は、商品ごとに品名・材質・用途・原産国・HTSコードなどのインボイス情報を整理しておくと、毎回の作成が楽になり、手戻りも減らせます。

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