
補充のリードタイムを短く見積もって欠品する。実績での見積もり方と、安全在庫・発注点の計算式
前回は2週間で補充できたから、今回も2週間あれば大丈夫。そう思って発注したのに、通関で数日止まり、FBA倉庫に届いてからも販売できるようになるまでさらに1週間。そのあいだに在庫が切れて、売れ筋の商品が何日も売れなかった——。
Amazon輸出で在庫を補充していると、多くの方が一度は経験する失敗です。
「補充にかかる日数を、どう見積もればいいの?いつ発注すれば間に合うの?」
この記事では、補充のリードタイムに何を含めて、どう見積もるか、そして安全在庫と発注点の計算式を使って、FBAの補充をいつするかの決め方を整理します。Amazon以外の販売先に補充する場合にも同じ考え方が使えます。
リードタイムを見積もるときの考え方
補充のリードタイムで欠品する原因の多くは、日数を「いちばん早く進んだとき」で見積もっていることです。前回うまくいった日数や、配送会社の配達日だけを見て決めると、どこかの工程で少し遅れただけで在庫が切れます。
リードタイムは、販売できる状態になるまでのすべての工程を含め、実績の日数で見積もるのが基本です。そのうえで、在庫がもつ日数と比べて、補充の時期を決めます。
やること
補充のリードタイムに含める工程
補充のリードタイムとは、発注・仕入れから、販売できる状態になるまでの期間です。Amazon輸出のFBAなら、次の工程をすべて含めて考えます。
| 工程 | かかる日数が変わる主な理由 |
|---|---|
| 仕入先からの取り寄せ | 仕入先の在庫状況、発送までの日数 |
| 国内での検品・梱包 | 作業の混み具合、ラベル貼りなどの準備 |
| 国際輸送 | 輸送方法、配送会社の混雑 |
| 通関 | 書類の不備、追加の確認 |
| FBAでの受領・在庫反映 | 倉庫の混雑、受領作業の時間 |
「配達完了」と「販売可能」は違う
見落としやすいのが、最後の工程です。配送会社の「配達完了」と、FBAでの「販売可能」は同じではありません。
FBA倉庫に荷物が届いたあと、倉庫で受領され、在庫として反映されて、はじめて販売できる状態になります。この処理には日数がかかり、混雑する時期はさらに長くなります。配達完了の日ではなく、販売可能になった日までをリードタイムとして見込んで、補充の時期を決めます。
リードタイムは、実績を記録して見積もる
リードタイムは、1回の実績だけで固定しないことが大切です。同じ商品でも、仕入先・配送会社・通関・納品先の倉庫・時期によって日数は変わります。
そこで、納品ごとに、各工程の日数を記録しておきます。
| 納品 | 発注〜国内発送 | 国際輸送・通関 | 配達〜販売可能 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 7月 | 8日 | 6日 | 5日 | 19日 |
| 8月 | 10日 | 9日 | 6日 | 25日 |
| 9月 | 9日 | 7日 | 10日 | 26日 |
| 見積もりに使う日数 | — | — | — | 平均 約23日/最長 26日 |
この例で、いちばん早かった19日を基準にすると、8月や9月のような遅れが出たときに欠品します。最短の日数だけを基準にせず、最近の実績の平均と最長を見て見積もります。記録を続けると、「どの工程で遅れやすいか」も見えてきます。
在庫があと何日もつかと、補充の日数を比べる
リードタイムが分かったら、今の在庫があと何日で売り切れるかと比べます。
在庫があと何日もつか
在庫日数 = 在庫の数(手元+入荷待ち) ÷ 1日に売れる数
例:在庫40個、1日に2個売れるなら、在庫はあと20日分です。
この在庫が残り20日分で、補充に25日かかるなら、今日発注しても、補充が届く前に5日間在庫が切れる可能性があります。在庫日数がリードタイムより短くなった時点では、もう遅いということです。在庫日数がリードタイムを下回る前に、発注を始めます。


リードタイムと推奨仕入数を、商品ごとに確認
米AmazonリサーチツールPROFiNDER
商品ごとに在庫切れまでの日数と、リードタイムを踏まえた推奨仕入数を確認できます。入荷待ちから販売可能までの5つの段階ごとの在庫も見えるので、届いていない分も数え忘れにくくなります。
PROFiNDERを見る →安全在庫と発注点の計算式
「在庫日数がリードタイムを下回る前」を、在庫の数で決めておくのが発注点です。そして、遅れや売上の増加に備えて上乗せする在庫が安全在庫です。
発注点とは
発注点とは、在庫がこの数を下回ったら補充を発注するという目安の在庫数です。
発注点の計算式
発注点 = 1日に売れる数 × リードタイム + 安全在庫
「1日に売れる数 × リードタイム」は、補充を待っているあいだに売れる数です。そこに、遅れや売上の増加に備える安全在庫を加えます。
発注点を使って、入荷待ちの在庫も含めて数え、補充する数を決める方法は、こちらの記事で詳しく解説しています(その記事では、発注点を「切らさない最小量」と呼んでいます)。
補充する数の決め方を詳しく解説輸出ビジネスの欠品キャンセルで、店の評価は一気に下がる。欠品率の計算式と、在庫を切らさない補充の決め方
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安全在庫の計算式
安全在庫は、補充が遅れたときに、そのあいだ売る分です。リードタイムの実績を記録していれば、次の式で出せます。
安全在庫の計算式(実績から出す方法)
安全在庫 = 1日に売れる数 ×(最も長かったリードタイム − 平均のリードタイム)
例:1日に2個売れ、平均23日・最長26日なら、2個 ×(26日 − 23日)= 6個。発注点は 2個 × 23日 + 6個 = 52個です。
平均の日数で補充を待つ分を持ち、平均より遅れた分を安全在庫でまかなう、という考え方です。記録が増えるほど、最長の日数の精度も上がります。
なお、教科書では「安全係数 × 1日の販売数のばらつき(標準偏差)× √リードタイム」という計算式もよく紹介されます。販売数のばらつきまで数字で管理できる場合はこちらも使えますが、まずは上の実績から出す方法で十分です。
販売が増える時期は、その時期のペースで計算する
ホリデーシーズンなど、販売数が増える時期は、通常月の販売ペースだけで計算しないことが大切です。たとえば、11月は普段の1.5倍売れる商品なら、「1日に売れる数」を2個ではなく3個で計算します。
通常月のペースで計算した発注点のまま繁忙期に入ると、補充を待っているあいだに想定より早く売れて、在庫が切れます。
繁忙期は、通常とは別のリードタイムで計画する
繁忙期は、販売数だけでなく、リードタイムそのものも長くなります。通常時の実績とは別のリードタイムで計画します。
- Amazonの受領状況:倉庫が混み合い、受領・在庫反映に時間がかかる
- 配送会社の混雑:国際輸送の日数が延びる
- 発送代行会社の混雑・休業日・受付締切:年末年始の休業や、繁忙期の受付締切がある
こうした情報は、繁忙期に入る前に早めに確認しておきます。
イベントの到着期限から逆算する
大きなセールに向けては、Amazonが案内するイベント向けの到着期限から逆算して、仕入れと発送の日程を決めます。2026年の米国FBAでは、ブラックフライデー・サイバーマンデー向けに、次の到着期限が案内されています。
| 納品の方法 | 到着期限(2026年 ブラックフライデー・サイバーマンデー) |
|---|---|
| AWD(Amazonの保管・配送サービス) | 10月14日 |
| FBA(納品先の分割を最小限にする場合) | 10月21日 |
| FBA(Amazonが納品先を最適化して分割する場合) | 10月28日 |
※期限は納品の方法によって違います。最新の内容は、セラーセントラルの通知で確認してください。
注意したいのは、次の2点です。
- 発送日ではなく、到着日の期限です。自分の実績の最長のリードタイム(繁忙期の分)をさかのぼって、遅くともいつ発送するかを決めます。
- この期限は、イベント中にPrimeマークを付けて販売するための到着期限です。期限を過ぎて届くと、イベント中にPrime対象として販売できない可能性があります。
対象の国や納品の方法によって期限は変わるので、最新の通知を確認し、余裕を持って発送します。
自分で短縮できる工程を見直す
リードタイムの中には、配送会社や倉庫の都合で決まる日数だけでなく、自分で短縮できる工程もあります。
準備の不足による遅れは、自分の手で防げます。ここを整えるだけで、リードタイムの最長の日数が縮まり、安全在庫も少なくて済むようになります。
FBA納品の代行をしていると、受領が遅れる理由で多いのは、箱の中身の情報とラベルの不一致や、書類の不足です。発送する前の確認に数分かけるだけで、到着後の数日の遅れを防げることは少なくありません。

補充のリードタイムを、短く安定させる
米AmazonFBA納品代行サービスSLC
検品・梱包・ラベリングから通関、FBA倉庫への納品まで一括で代行。荷物が届いてから最短2日でAmazonの受領まで進め、補充にかかる日数のぶれを小さくします。
SLCを見る →欠品対策は、在庫を大量に持つことではない
欠品が怖いからといって、在庫を大量に持てば解決するわけではありません。在庫を持ちすぎると、資金が在庫に止まり、FBAでは容量の上限にも当たりやすくなります。
大切なのは、実際の補充日数と販売の速さを続けて確認し、資金とFBAの容量に合わせて、補充の時期と数量を調整することです。リードタイムの記録と発注点を毎回見直すことが、在庫を増やしすぎずに欠品を防ぐいちばんの方法です。
FBAの容量の上限がどう決まるか、容量が足りないときに何を優先して納品するかは、こちらの記事で詳しく解説しています。
FBAの容量の上限を詳しく解説FBAの在庫保管上限で、売れ筋を補充できない。容量制限の決まり方と、棚卸資産回転期間で在庫を回す方法
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まとめ
補充のリードタイムで欠品しないためには、販売可能になるまでのすべての工程を含め、実績の日数で見積もることが基本です。
- リードタイムには、仕入先からの取り寄せから、FBAでの受領・在庫反映までを含める。配達完了と販売可能は違う
- 納品ごとに日数を記録し、最短ではなく、最近の実績の平均と最長で見積もる
- 在庫があと何日もつかと補充の日数を比べ、在庫日数がリードタイムを下回る前に発注する
- 発注点 = 1日に売れる数 × リードタイム + 安全在庫。安全在庫は、1日に売れる数 ×(最長 − 平均のリードタイム)で出せる
- 繁忙期は販売ペースもリードタイムも別に計画し、イベントの到着期限(到着日の期限)から逆算して発送する
- 発送待ち・書類・ラベルなど、自分で短縮できる工程を見直す
- 在庫を大量に持つのではなく、資金とFBAの容量に合わせて補充の時期と数量を調整する
よくある質問
補充のリードタイムとは何ですか?
発注・仕入れから、販売できる状態になるまでの期間です。Amazon輸出では、仕入先からの取り寄せ、国内の検品・梱包、国際輸送、通関、FBAでの受領・在庫反映までを含めて考えます。
安全在庫の計算式を教えてください。
実務で使いやすいのは、「1日に売れる数 ×(最も長かったリードタイム − 平均のリードタイム)」です。補充が遅れた場合に備える分を、実績の日数から出します。売上が増える時期は、その時期の販売ペースで計算します。
発注点とは何ですか?
在庫がこの数を下回ったら補充を発注する、という目安の在庫数です。「1日に売れる数 × リードタイム + 安全在庫」で計算します。
FBAの補充は、いつするべきですか?
在庫があと何日で売り切れるかと、補充に何日かかるかを比べ、売り切れる前に補充が届くように発注します。たとえば在庫が残り20日分で補充に25日かかるなら、その時点から動いても欠品する可能性があります。
2026年のブラックフライデー・サイバーマンデーに向けたFBAの到着期限はいつですか?
2026年の米国FBAでは、Amazonが納品先を最適化して分割する納品で10月28日、納品先の分割を最小限にする納品で10月21日が到着期限として案内されています。発送日ではなく到着日の期限です。この期限は、イベント中にPrimeマークを付けて販売するための到着期限です。期限を過ぎて届くと、イベント中にPrime対象として販売できない可能性があります。

米Amazon輸出コンサルティング
売れ筋を切らさず、持ちすぎもしない。
あなたの商品の補充の計画を、一緒に立てます。
いつ、どれだけ補充するかは、商品の売れ方と物流の日数で決まります。ワールドシフトは、米Amazon輸出を一から教え、年商1億円に届いた方も出してきたコンサルティングと、FBA納品の物流を長年続けてきました。
- アカウント作成から販売まで全サポート
- 無制限の質問サポートで不安を解消
- リサーチ・仕入れ・補充の計画・物流まで一貫して相談できる

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