
発送代行に切り替えるタイミングはいつ?自宅発送と1件あたりの費用を比べる損益分岐の出し方
注文が増えてきたのはうれしい。でも、毎晩リビングで段ボールを組み立て、ラベルを貼り、翌朝は郵便局や集荷の時間に合わせて動く。気づけば、リサーチや仕入れに使う時間がほとんど残っていない——。
自宅で発送を続けてきた方が、どこかで必ず迷うのが発送代行への切り替えです。
「発送代行って、月に何件くらいになったら使うべきなの?」
この記事では、発送代行に切り替えるタイミングを判断するための費用の比べ方と、出荷量が増えたときの考え方を、物流の実務の視点で整理します。越境ECやAmazon輸出で海外発送代行を検討している方にも使える内容です。
発送代行に切り替えるタイミングの考え方
発送代行に切り替えるかどうかは、「月に何件になったら外注するか」という件数だけでは決められません。商品の大きさや、使うサービスの料金、自分の作業の速さで、損得が変わるからです。
判断のもとにするのは、1件あたりの費用です。発送代行の費用も、自宅発送の費用も、すべて1件あたりに直して比べます。そのうえで、出荷量が増えたときに自分で回せるかを見ます。
やること
発送代行(3PL)にかかる費用
発送代行(物流をまとめて外注する3PLを含む)の費用は、送料だけではありません。料金表を見るときは、次のような手数料がそれぞれいくらかかるかを確認します。
サービスによって、どの費用がかかるか、どこまでが基本料金に含まれるかは違います。送料の安さだけで比べず、すべての費用を合計してから1件あたりに直すのがポイントです。
自宅発送も「作業時間」をコストに入れる
自宅発送は、送料と資材代だけを見ると安く見えます。しかし実際には、次の作業に時間がかかっています。
- 梱包(箱の組み立て、緩衝材、封をする)
- 送り状・ラベルの作成
- 発送の手続き(持ち込み、集荷の対応)
この時間も、コストとして数えます。たとえば1件の発送に15分かかり、自分の時間の価値を1時間2,000円とすると、作業のコストは1件あたり500円です。
そして、その時間を仕入れや販売に使えるなら、外注する価値はさらに高まります。発送の15分をリサーチに回して、利益の出る商品を1つ多く見つけられるなら、その差は500円では済みません。
1件あたりの費用で比べる
ここまでの費用を、自宅発送と発送代行で並べて、1件あたりで比べます。送料は、使う配送方法によって大きく変わるので、別に確認します(発送代行のほうが、まとまった量の運賃で安くなる場合もあります)。
月の出荷量で変わる損益分岐
発送代行に月額の基本料金がある場合、1件あたりの費用は出荷量によって変わります。件数が少ないうちは、基本料金を少ない件数で割るので、1件あたりが高くなるからです。
たとえば、次の条件で比べてみます(送料はどちらも同じとします)。
- 自宅発送:資材100円 + 作業時間のコスト500円 = 1件あたり600円
- 発送代行:月額の基本料金10,000円 + 出荷作業・梱包・資材で1件400円
| 月の出荷件数 | 自宅発送(1件あたり) | 発送代行(1件あたり) | 有利なのは |
|---|---|---|---|
| 20件 | 600円 | 900円 | 自宅発送 |
| 50件 | 600円 | 600円 | 同じ(損益分岐) |
| 100件 | 600円 | 500円 | 発送代行 |
損益分岐になる件数の出し方
月額の基本料金 ÷(自宅発送の1件あたりの費用 − 発送代行の1件あたりの手数料)
この例では、10,000円 ÷(600円 − 400円)= 月50件。これを超えると、発送代行のほうが1件あたりの費用が安くなります。
つまり、「何件から」の答えは、自分の作業時間のコストと、使うサービスの料金で変わります。人から聞いた件数ではなく、自分の数字で計算することが大切です。
入庫料や保管料のように、件数ではなく商品の量や期間でかかる費用もあります。それも1か月分を合計して、その月の出荷件数で割り、1件あたりに直して比べます。
出荷量が増えたら「安さ」より「回せるか」で判断する
注文件数が増えるほど、発送作業が本来の業務を圧迫しやすくなります。損益分岐の計算では自宅発送のほうが安くても、発送に追われてリサーチや仕入れの時間が取れなくなれば、売上そのものが伸びなくなります。
そこで、出荷量が増えてきたら、「どちらが安いか」より「自分で回せるか」で判断します。件数だけでなく、発送にどれだけ時間を取られているかを、切り替えの目安にします。
FBA納品の代行を続けてきた中で、出荷量が増えてから慌てて切り替えると、繁忙期と重なって準備が間に合わないことがあります。発送に追われ始めたと感じた時点で、料金を比べて準備を始めておくと、切り替えがスムーズです。
発送以外も含めて、どの仕事から外注するか、任せるときに何を決めておくかは、こちらの記事で詳しく解説しています。
外注の範囲を詳しく解説物販・せどりの外注はどこまで任せていい?一人の限界を感じたときの、自分で持つべき仕事の分け方
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海外発送は、国際送料まで含めて利益を確認する
越境ECやAmazon輸出では、国内発送より送料の影響が大きくなります。国際送料は商品の大きさや重さで大きく変わり、1個あたりの利益を左右します。
海外発送代行を使う場合も、国際送料や代行の手数料を含めた「1個あたりの利益」で判断することが大切です。手数料が安く見えても、国際送料を含めると利益が残らない商品もあります。
- 販売価格
- − 仕入れ値
- − 国際送料
- − 発送代行の手数料(入庫・梱包・出荷など)
- − 関税・販売手数料など
- = 1個あたりの利益
この利益が、自宅から発送する場合と比べてどう変わるかを、商品ごとに確認します。送料や手数料を含めて1個あたりいくら残るかの出し方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
1個あたりの利益の出し方を詳しく解説サイズと重さを見落とすと、FBA手数料で利益が消える。仕入れ前に見る場所と、1個あたりいくら残るかの出し方
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国際送料まで含めて、1個あたりいくら残るか
米AmazonリサーチツールPROFiNDER
送料の実測値と、関税込みの手残りを商品ごとに表示。発送の方法を変えたときに、1個あたりの利益がどう変わるかを数字で確かめられます。
PROFiNDERを見る →まとめ
発送代行に切り替えるタイミングは、件数だけでは決まりません。1件あたりの費用と、自分で回せるかで判断します。
- 発送代行は、送料だけでなく入庫・保管・出荷・梱包などの手数料も含めて費用を出す
- 自宅発送も、梱包・ラベル作成・発送手続きの作業時間をコストに入れる
- 両方を1件あたりに直して比べる。月額の基本料金がある場合は、出荷量で損益分岐が変わる
- 出荷量が増えたら、安さより、発送に時間を取られて本来の業務が圧迫されていないかで判断する
- 海外発送は、国際送料や代行の手数料を含めた1個あたりの利益で判断する
よくある質問
発送代行は、月に何件から使うべきですか?
件数だけで決めるのではなく、1件あたりの費用で比べます。発送代行は送料のほかに梱包・入庫・出荷などの手数料がかかり、自宅発送にも作業時間がかかります。すべての費用を1件あたりに直して比べ、出荷量が増えたときに回せるかも合わせて判断します。
発送代行には、どんな費用がかかりますか?
送料だけでなく、入庫、保管、出荷作業、梱包などの手数料がかかります。月額の基本料金がかかる場合もあります。サービスによって料金の内訳が違うので、すべての費用を1件あたりに直して比べます。
自宅で発送したほうが安いのではないですか?
送料と資材だけを見ると安く見えますが、梱包・ラベル作成・発送手続きにも時間がかかります。その作業時間もコストに入れて比べます。その時間を仕入れや販売に使えるなら、外注する価値は高まります。
海外発送代行は、個人でも使えますか?
個人で利用できるサービスもあります。越境ECやAmazon輸出では国内発送より送料の影響が大きいため、国際送料や手数料を含めた1個あたりの利益で、使うかどうかを判断します。
発送代行に切り替えるサインはありますか?
注文件数が増えて、発送作業が仕入れや販売などの本来の業務を圧迫し始めたときです。件数だけでなく、発送にどれだけ時間を取られているかを切り替えの目安にします。

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