ソース・ドレッシング(酸性化)
酸性化食品・低酸性缶詰(LACF)
⚠ FDAが指摘した実例その「ドレッシング」、FDAに届け出は済んでいますか
たれ、ドレッシング、ぽん酢——日本の食卓に欠かせないこれらの調味料は、米国に輸出する場合「酸性化食品」という特別なカテゴリーに入ることがあります。今回は、ドレッシング類やソース類を製造していた米国企業がFDAから警告を受けた実例を通じて、何が問題だったのかを見ていきます。
はじめに——LACF・酸性化食品とは
密封した容器に入れて常温のまま流通させる食品には、ボツリヌス菌などの危険な微生物が増えないようにするための厳しいルールがあります。代表的なのが「低酸性缶詰食品(LACF, 21 CFR 113)」と「酸性化食品(Acidified Food, 21 CFR 114)」です。
これらを作る工場は、FDAに「FCE(Food Canning Establishment)」として登録したうえで、製品ごとの加熱条件やpH、水分活性といった製法(Scheduled Process)を事前にFDAへ提出する必要があります(21 CFR 108も関連します)。特に酸性化食品では、pHを4.6以下に管理することが安全性の要になります。この届け出や管理を行わずに製造・輸出すると、Warning Letter(警告書)や輸入差し止めの対象になり得ます。日本では、たれ・ソース・ドレッシング・ぽん酢・すし酢・調味酢などがこのカテゴリーに該当する場合があります。
実際の例——ドレッシング・ソース工場への警告
2020年4月14日、FDAは食品メーカーAllied Food Products社に対して警告書を出しました。きっかけは、ニューヨーク州農業・市場局が行った検査で、同社の一部製品が「酸性化食品」に該当するにもかかわらず、FDAへの登録や製法(Scheduled Process)の届け出が行われていないことが判明したことでした。
対象となったのは、ガーリックオイル、ホットソース、グレービーブースター&カラーソースといったソース類に加え、ランチ、イタリアン、フレンチ、サウザンドアイランド、ロシアン、クリーミーイタリアン、シーザーといった各種サラダドレッシング、さらにバーベキューソースなど、幅広い調味料でした。
何が指摘されたか
FDAの指摘の中心は、これらの製品について製法(加熱条件、pH、塩分・糖分・保存料のレベルなど)を記載したScheduled Processを、21 CFR 108.25(c)(2)が求める通りにFDAへ提出していなかった点でした。あわせて、緊急許可規制(21 CFR 108)と酸性化食品規制(21 CFR 114)の両方について、重大な逸脱があると判断されています。
ドレッシングやソースは一見「ただの調味料」に見えますが、密封容器に入れて常温で流通させる以上、加熱殺菌とpH管理が安全性を支える生命線です。その裏付けとなる届け出や記録がなければ、たとえ実際の製品に問題がなくても、規制上は「安全性が確認できていない食品」として扱われてしまいます。
日本企業が注意すべきこと
日本からたれ・ソース・ドレッシング・調味酢などを米国に輸出する場合も、同じ枠組みが適用される可能性があります。輸出前に、次の点を確認しておくと安心です。
- 自社製品のpHは4.6以下か、それとも4.6を超える「低酸性食品」に当たるかを把握しているか
- 密封容器に入れて常温で流通させる製品かどうか(要冷蔵表示があるかどうかも含めて)確認できているか
- 工場がFCE(Food Canning Establishment)としてFDAに登録済みか
- 製品ごとの加熱条件・pH・水分活性などを記した製法(Scheduled Process)を、製品を出荷する前にFDAへ提出しているか
届け出は「面倒な手続き」ではなく「輸出できる証明書」
Scheduled Processの提出やFCE登録は、慣れない方には難しく感じられるかもしれません。ですが、これは米国で長く売り続けるための「合格証」のようなものです。一度整えてしまえば、その後の輸出はスムーズに進みます。
ワールドシフトでは、FCE登録やScheduled Processの提出に必要な情報の整理、pH測定など製法面での準備状況の確認といった具体的なサポートを行っています。「うちのぽん酢は酸性化食品に当たるのか」「今のpH管理で提出書類は作れるのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——