茶の輸入
FSVP(外国供給業者検証プログラム)
⚠ FDAが指摘した実例「お茶だから大丈夫」が通じなかった話——FSVP未整備で警告を受けた米国輸入者の実例
緑茶やフレーバーティーは、日本からの輸出品としても人気があります。でも「お茶は加熱して飲むものだから危険は少ない」と思っていませんか。実は米国では、お茶の輸入者もFSVP(外国供給業者検証プログラム)に基づいて、危害分析をきちんと行う義務があります。今回は、その義務を果たせていなかったために警告書を受けた米国輸入者の実例を見ていきます。
はじめに——FSVPとは
FSVP(Foreign Supplier Verification Program)は、米国の食品安全強化法(FSMA)に基づく制度です。海外から食品を輸入する米国側の「輸入者」に対して、供給元(海外の製造者)が米国と同じレベルの安全管理をしているかどうかを、事前に検証することを義務付けています。
この検証の出発点になるのが「危害分析」です。輸入しようとする食品ごとに、どんな危害(微生物汚染、異物混入、アレルゲンなど)が起こりうるかを洗い出し、その危害に対して管理が必要かどうかを判断する作業です。これを行っていない、あるいは記録が残っていないと、FDAの査察でそのまま指摘の対象になります。
実際の例——お茶の輸入でFSVP不備を指摘されたケース
2022年8月1日付でFDAが発行した警告書では、米国カリフォルニア州の輸入者であるDF Global, Inc.(所在地:Commerce市)が対象となりました。この会社は「Honey Hallabong Tea」「Ginger Lemon Tea」を含む複数の茶製品を輸入していました。FDAは2022年3月30日にFSVP査察を実施し(2020年1月にも一度査察を行っています)、その結果を踏まえて警告書を発行しています。
何が指摘されたか
FDAが指摘したのは、輸入している食品の種類ごとに、危害分析を行っていなかったという点です。これは21 CFR 1.504という規定に基づく義務で、「どんな危害が起こりうるか」「その危害に管理が必要かどうか」を、輸入する食品の種類ごとに検討し、記録として残しておくことが求められています。お茶のような一見リスクが低そうに見える食品であっても、この分析そのものを省略することは認められません。
警告書を受けた後、この輸入者は該当するお茶についてのFSVP関連記録――手順書、証明書、監査報告書、危害分析の記録など――をFDAに提出したと報告されています。裏を返せば、査察の時点ではこれらの記録が十分にそろっていなかった、あるいは提示できなかったということです。
日本企業(輸出者)が注意すべきこと
この事例で指摘を受けたのは米国側の輸入者ですが、実際に困るのは日本の輸出者です。輸入者がFSVPを整備できなければ、輸入そのものが止まったり、取引を打ち切られたりするリスクがあるからです。輸入者の義務を、供給元である日本側がどう支えられるかが重要になります。
- 自社の茶製品について、想定される危害(微生物、異物、アレルゲンなど)を整理した資料をあらかじめ用意できているか
- 製造工程における安全管理の内容を、輸入者に説明できる証拠(手順書・検査記録など)として持っているか
- 第三者機関による監査報告書や証明書がある場合、それを輸入者にすぐ提供できる体制になっているか
- 取引先の輸入者が自社の商品についてFSVPを整備できているか、一度確認したことがあるか
「お茶だから」で済ませない
加熱して飲む食品だから、乾燥しているから――そうした理由で危害分析を省略できるわけではありません。輸入者が検証を行う際、必要な情報をすぐに出せるかどうかが、取引の継続を左右します。
ワールドシフトでは、米国輸出前のハザード整理や、輸入者からの情報提供依頼に備えた書類準備もサポートしています。「うちの製品は危害分析の対象になるのか」「輸入者にどんな資料を渡せばいいのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——