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酸性化/LACF2024-05

缶詰・焼き麩(LACF)

酸性化食品・低酸性缶詰(LACF)

⚠ FDAが指摘した実例

「パウチ入りの麩」が米国で止まった理由——低酸性食品(LACF)規制の壁

実例で学ぶ(実録)|酸性化食品・低酸性缶詰(LACF)

麩や水煮缶、煮豆、佃煮——日本ではおなじみの保存食が、米国向けだと「低酸性缶詰食品」という規制の対象になる場合があります。今回は、パウチ入りの焼き麩を作っていた中国の食品メーカーが実際にFDAから指摘を受けた例をご紹介します。

はじめに——LACF・低酸性缶詰とは

缶や瓶のように密封した容器に入れて、常温のまま流通・保存する食品があります。こうした食品のうち、酸性度が低いものは「低酸性缶詰食品(LACF)」と呼ばれ、米国では21 CFR 113という規則で厳しく管理されています。理由はシンプルで、密封容器の中は酸素が少なく、加熱が不十分だとボツリヌス菌が増殖してしまう恐れがあるからです。そのため製造施設は「FCE(Food Canning Establishment)」としてFDAに登録し、それぞれの製品について「どんな温度・時間で加熱するか(Scheduled Process)」を事前にFDAへ届け出る必要があります(21 CFR 108も関連する規則です)。これを行わずに製造・輸出すると、Warning Letter(警告書)や輸入差し止めの対象になることがあります。日本の麩、水煮缶詰、煮豆、佃煮なども、密封容器×常温流通という条件に当てはまれば、このLACFの対象になり得ます。

実際の例——麩の缶詰メーカーへの警告書

中国・浙江省杭州市富陽区にある食品メーカー、Fuyang Fuchunjiang Canned Food Co., Ltd.は、レトルトパウチ(230g)入りの焼き麩(日本の「焼き麩」に近い食品)を製造していました。FDAは2024年3月11日から13日にかけてこの工場を査察し、低酸性缶詰食品の加熱処理・管理体制について重大な逸脱を確認しました。査察官はFDA-483(査察指摘書)を発行し、FCE登録に関わる21 CFR 108と、密封容器入り低酸性食品の加熱基準を定める21 CFR 113の両方について、重大な逸脱があったと指摘しています。これを受けて2024年5月31日付でWarning Letterが発出されました。

出典(FDA Warning Letter)↗

なぜ問題なのか

麩のような低酸性の食品を缶に密封して常温で流通させる場合、加熱が足りないとボツリヌス菌の芽胞が生き残ってしまう可能性があります。だからこそFDAは、製造施設のFCE登録と、加熱条件を定めたScheduled Processの事前届け出を義務付けています。さらに届け出た通りの加熱処理が現場できちんと行われているかどうかも、重要なチェックポイントになります。今回のケースでは、こうした加熱処理・管理体制に関わる規則への対応が不十分だったことが、FDAの指摘につながったと考えられます。

日本企業が注意すべきこと

味や見た目、賞味期限だけに気を配っていても、この「密封容器×常温保存」という条件に当てはまる食品には、見えない規制の壁があります。麩、水煮缶詰、煮豆、佃煮などを米国向けに輸出しようと考えている場合は、事前に次の点を確認しておくことが大切です。

  • 自社の製品が密封容器に入れて常温で流通するものかどうか(LACFの対象になり得るか)
  • 製造施設としてFCE(Food Canning Establishment)登録が必要かどうか
  • 製品ごとの加熱条件(温度・時間など)をScheduled ProcessとしてFDAに事前届け出しているかどうか
  • OEMや委託製造の場合、製造委託先がFCE登録・Scheduled Process提出を済ませているかどうか
  • 実際の加熱処理の記録が、届け出た内容ときちんと一致しているかどうか

輸出前に確認しておきたいこと

缶詰や瓶詰、密封パックの麩・佃煮・煮豆といった食品を米国に送る場合、パッケージデザインや味だけでなく、こうした見えない規制対応が輸出できるかどうかを左右します。

ワールドシフトでは、FCE登録の要否確認やScheduled Process提出といった実務のサポートもおこなっています。「うちのパウチ入りの麩はLACFに該当するのか」「Scheduled Processって何をどう届け出ればいいのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。

※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。

出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗

自社の商品で同じ指摘を受けないために——

WorldShift Trade Watch — 出典はFDA。