青果の輸入
FSVP(外国供給業者検証プログラム)
⚠ FDAが指摘した実例野菜はぜんぶ揃っているのに、しょうがだけ書類が抜けていた話
アメリカへ青果を運ぶ輸入者は、産地ごとに「安全性のチェック」をする義務があります。でも、品目が増えるとつい抜けが出てしまうこともあります。今回は、しょうが1品目だけ書類が足りなかったために指摘を受けた、ある輸入者の実例を見ていきます。
はじめに——FSVPとは
FSVP(外国供給業者検証プログラム)は、アメリカの「輸入者」に課された義務です。海外の食品供給業者が、アメリカと同じレベルの安全管理をできているかどうかを、輸入者自身が検証しなければなりません。ハザード分析(どんな危険があるかの洗い出し)や、供給業者の現地監査の記録などが必要になります。これがきちんと整っていないと、FDAからWarning Letter(警告書)が届くことがあります。
実際の例——同じ輸入者なのに、産地によって対応がバラバラだった
アメリカ・カリフォルニア州の輸入者Genpro Imports & Export Inc.は、2023年5月と12月にFDAのFSVP査察を受けました。この会社は、アメリカ産やメキシコ産の青果についてはHACCP(危害分析重要管理点=食品衛生の管理手法)プランやハザード分析をきちんと用意していました。ところが、中国から輸入していたしょうがについてだけは、ハザード分析の文書がありませんでした。同じ会社が扱う青果なのに、産地によって書類の整い方に差があったのです。
なぜ問題なのか
FDAは、しょうがの産地(中国)についてハザード分析が文書化されていない点を、21 CFR 1.504(a)違反として指摘しました。さらに、承認済みの供給業者からしか輸入しないことを確認する書面の手続きも整っていなかった点(21 CFR 1.506(a)(1))も挙げられています。この会社は、Global GAP(適正農業規範)証明書やサプライヤーの資格確認書、保証書といった書類は持っていました。しかし、第三者監査に頼る場合でも、その監査がいつ・どんな手順で行われ、どんな結論だったか、問題があれば是正されたかという記録まで残しておく必要があります(21 CFR 1.506(e))。この「監査の中身の記録」が足りていなかったことも、指摘の理由でした。
日本企業(輸出者)が注意すべきこと
日本からアメリカへ青果を輸出する場合、直接の義務者はアメリカ側の輸入者です。しかし、輸入者がFSVPを果たすには、輸出者側からの情報提供が欠かせません。今回の例のように「他の品目は整っているのに、ある1品目だけ抜けている」ということは、取り扱う品目が増えるほど起こりやすくなります。
- 取り扱う品目ごとに、ハザード分析の資料が個別に用意されているか(品目リストと突き合わせて確認する)
- 現地監査を受けている場合、その手順・実施日・結論・是正措置までを記録した書類を輸入者に渡せるか
- 証明書(GAP認証など)だけでなく、監査の「中身」がわかる記録も残しているか
- 輸入者から追加の書類を求められたときに、すぐ提供できる体制になっているか
1品目の抜けが、全体の信頼を揺らがせる
今回の実例は、輸入者の全体的な体制は整っていたのに、特定の産地・品目だけ書類が抜けていたことが指摘につながったケースです。品目が多い輸出者ほど、こうした抜けは起こりやすくなります。
ワールドシフトでは、品目ごとのハザード分析資料の整理や、現地監査記録の準備など、輸入者がFSVPを果たすために必要な書類づくりのサポートも行っています。「この品目だけ証明書が足りているか不安」「監査記録はどこまで残せばいいのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。
※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。
出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗
自社の商品で同じ指摘を受けないために——