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酸性化/LACF2024-10

醤油(Low Sodium Soy Sauce・酸性化)

酸性化食品・低酸性缶詰(LACF)

⚠ FDAが指摘した実例

減塩にした途端、規制の対象に

実例で学ぶ(実録)|酸性化食品・低酸性缶詰(LACF)

「塩分を減らした醤油」を米国向けに作っただけなのに、FDAから警告書が届く。そんなことが実際に起きています。今回は、ケンタッキー州の食品メーカーが減塩醤油などで指摘を受けた実例から、日本の醤油・調味料メーカーが知っておきたいポイントを見ていきます。

はじめに——LACF・酸性化食品とは

密封した容器に入れて、冷蔵しなくても常温で流通・保存できる食品には、特別な規制がかかる場合があります。代表的なのが「酸性化食品(Acidified Food、21 CFR 114)」と「低酸性缶詰食品(LACF、21 CFR 113)」です。

これは、密封された容器の中でボツリヌス菌などが増えてしまうリスクを防ぐための仕組みです。製造する施設は「FCE(Food Canning Establishment)」としてFDAに登録し、製品ごとに「Scheduled Process(加熱条件・pH・水分活性などをまとめた製法)」を事前にFDAへ提出する必要があります(21 CFR 108も関連します)。

醤油は本来、塩分と発酵の力でボツリヌス菌の増殖が抑えられる食品です。ところが「減塩(Low Sodium)」にすると、この塩分による保存効果が下がります。その分、pHや水分活性の管理をきちんと行わないと、LACF・酸性化食品の規制対象になってしまう場合があるのです。

実際の例——減塩醤油の製造工程が指摘されたケース

2024年8月、FDAはケンタッキー州ジェファーソンタウンにある食品メーカーTova Industries, LLCの施設を査察しました。その結果、同社が製造する「Low Sodium Soy Sauce(減塩醤油)」「Soy Sauce Economy Liquid」など複数の醤油製品について、専門知識を持つ担当者による「Scheduled Process」が確立されていなかったことが分かりました。

酸性化食品を商業的に製造する事業者は、製品ごと・容器サイズごとに、加熱処理の条件やpH、塩分・糖分・保存料の管理方法などをまとめた製法情報をFDAに提出する義務があります。同社はこれを満たしていなかったとして、2024年10月29日付でWarning Letter(警告書)を受け取りました。

出典(FDA Warning Letter)↗

何が指摘されたか

指摘の中心は「Emergency Permit Control」および「Acidified Foods」規制への違反でした。具体的には、減塩醤油をはじめとする複数の醤油製品について、酸性化と加工に関する専門知識を持つ人物が製法(Scheduled Process)を確立していなかった、という点です。

通常の醤油であれば、塩分濃度の高さと発酵によって微生物リスクは比較的コントロールしやすくなります。しかし塩分を減らした製品では、その前提が崩れます。塩分に代わってpHや水分活性の管理を厳密に行い、それを裏付ける製法情報をFDAに提出しておく必要があったのに、それがなされていなかった、というのが今回のケースです。なお同社は2024年11月18日付の是正確認で、指摘事項への対応が確認されています。

日本企業が注意すべきこと

日本から米国向けに醤油や調味料を輸出する場合、「レシピを少し変えるだけ」のつもりでも、規制上は別扱いになることがあります。特に「減塩」「低塩」をうたう商品は要注意です。塩分を減らすということは、保存性の面で新しい設計が必要になる、ということでもあります。

  • 減塩・低塩タイプの醤油や調味料を密封容器(常温流通)で輸出する予定がないか
  • 製造施設がFCE(Food Canning Establishment)としてFDAに登録されているか
  • 製品ごとにScheduled Process(加熱条件・pH・水分活性など)をFDAに提出済みか
  • レシピ変更(減塩化・低カロリー化など)のたびに、規制区分が変わっていないか確認しているか

「塩を減らす」は「規制が変わる」の合図

減塩や低カロリーは、消費者に喜ばれる改良である一方、FDAの規制上は「保存性の前提が変わる変更」でもあります。良かれと思った商品改良が、輸出直前になって足止めの原因になってしまうと、せっかくのチャンスを逃しかねません。

ワールドシフトでは、FCE登録やScheduled Processの提出、pH・水分活性の管理設計といった実務面のサポートも行っています。「この減塩商品は酸性化食品に該当するのか」「今の製法情報のままで輸出して大丈夫か」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。

※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。

出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗

自社の商品で同じ指摘を受けないために——

WorldShift Trade Watch — 出典はFDA。