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酸性化/LACF2020-01

缶詰たけのこ水煮(LACF)

酸性化食品・低酸性缶詰(LACF)

⚠ FDAが指摘した実例

たけのこ水煮を米国に送るなら、その「殺菌の証明」はありますか

実例で学ぶ(実録)|酸性化食品・低酸性缶詰(LACF)

たけのこの水煮、れんこんの水煮、ゆで野菜の水煮——。日本ではよく見る商品ですが、密封した容器に入れて常温で流通させる場合、実はアメリカでは特別なルールの対象になることがあります。今回は、実際にFDAから指摘を受けたタイの製造業者の事例を通じて、そのルールを見ていきます。

はじめに——LACF・低酸性缶詰とは

缶詰やレトルトパウチのように、密封した容器に入れて常温のまま流通させる食品は、ボツリヌス菌が増えるリスクと隣り合わせです。特にpHが高め(酸性度が低い)な食品は「低酸性缶詰食品(LACF)」と呼ばれ、アメリカでは21 CFR 113という規則で厳しく管理されています。

この規則では、製造施設をFDAに「FCE(Food Canning Establishment)」として登録することと、商品ごとの加熱条件(Scheduled Process=殺菌の温度や時間などの具体的な処理方法)を事前にFDAへ届け出ることが求められます。関連する21 CFR 108も含め、これを済ませていない状態で製造・輸出すると、Warning Letter(警告書)や輸入差し止めの対象になり得ます。

実際の例——タイの缶詰メーカーが受けた指摘

2019年9月16〜17日、FDAはタイ・チェンマイにある「TP Food Canning Ltd」という低酸性缶詰の製造施設を査察しました。その結果、Emergency Permit Control規則と、密封容器入り低酸性食品の加熱処理に関する規則の両方で、重大な違反が見つかりました。

具体的には、水煮のたけのこを缶に詰めて加工する製品について、その加熱処理方法(Scheduled Process)をFDAに届け出ていませんでした。さらに、その加熱処理で安全に殺菌できているかを裏付ける記録——温度分布データや熱浸透データといった検証データも提示できませんでした。

出典(FDA Warning Letter)↗

なぜ問題なのか

「届出をしていない」というのは、単なる書類の不備ではありません。加熱処理の条件や時間が本当に安全なレベルまで殺菌できているか、専門的な検証(バリデーション)を受けていない、ということです。もしその加熱が不十分だった場合、密封された缶の中でボツリヌス菌が増えても外からは分かりません。だからこそFDAは、届出と検証データの提出を「販売を始める前」に求めているのです。

日本企業が注意すべきこと

たけのこ水煮やれんこん水煮、ゆで野菜の水煮などは、pHが高く、密封容器に入れて常温で流通させる形であれば、この規制の対象になる可能性があります。輸出を考えるときは、次の点を確認しておくと安心です。

  • 自社の製品が「密封・常温流通」かつ「低酸性(pHが高め)」に当てはまらないか
  • 製造施設としてFDAにFCE登録をしているか
  • 商品ごとの加熱処理条件(Scheduled Process)を事前にFDAへ届け出ているか
  • その加熱処理が安全であることを示す温度分布データ・熱浸透データなどの検証記録があるか
  • これらすべてを、輸出を始める前に済ませているか(査察で指摘されてからでは遅い)

届出は輸出を始める前に

今回の事例では、警告書を受けたあとに是正対応を行い、2021年4月にはFDAが是正を確認したことが公表されています。つまり、あとからでも対応は可能です。ただし、その間は輸出が止まったり、信頼を取り戻すための追加コストがかかったりします。できることなら、輸出を始める前に済ませておきたい手続きです。

ワールドシフトでは、FCE登録の代行や、商品ごとのScheduled Processの届出サポートも行っています。「うちのたけのこ水煮は対象になるのか、それとも酸性度的に対象外なのか」といった判断も含めて、米国輸出前のFDA対応をお任せいただけます。

※輸出前の確認だけでなく、取得後の更新・表示の維持・査察対応まで、取った後も一緒に点検します。対応できる範囲は品目・工程により異なり、米国代理人・FSVP等は連携先を通じてご案内します。

出典・参考:FDA原文で確認する(fda.gov)↗

自社の商品で同じ指摘を受けないために——

WorldShift Trade Watch — 出典はFDA。