日本の扇子・うちわ、米国で夏のギフトに 京扇子など手仕事に人気
訪日みやげで触れた人が帰国後に買い直す。軽く小さく送りやすい季節商材

米国で、日本の扇子(sensu)とうちわが夏のギフトや記念品として人気を集めている。象徴は京都の京扇子だ。竹の骨に紙や絹を貼り、金銀箔や手描きの絵柄を重ねた工芸品である。扇子・うちわは訪日みやげの定番で、日本で実物に触れた人が帰国後に米国から買い直す流れがある。軽く小さく割れにくいため、日本から米国へ輸出しやすい季節商材でもある。
扇子・うちわの米国市場について、公的な統計は限られる。この記事で扱う需要や人気は、流通と観光の動向にもとづく定性的な情報だ。市場の規模は数字では示せない。
訪日みやげから米国のギフトへ
扇子・うちわは、訪日客にとって定番のみやげだ。訪日客は過去最高の水準にあり、政府観光局の公表値にもとづくと年4,270万人規模にのぼる。日本で実物と品質に触れた人が、帰国後に米国のオンラインで買い直す。この流れが、米国での需要の入口になっている。
米国では、結婚式の引き出物やパーティーの飾りに使われる。企業のノベルティ(販促品)や、アニメ・コスプレの小物としての使い道もある。需要が立つのは夏で、初夏から盛夏にかけてだ。
折りたためる扇子と、折りたためない平らなうちわでは、使われ方が分かれる。
| 品目 | よくある見方 | 実際の使われ方 |
|---|---|---|
| 扇子(折りたためる) | ただの涼み道具と誤解されやすい。 | 折りたためるので、持ち歩きや贈り物に向く。京扇子は単価が高い。 |
| うちわ(平ら) | 安物と見られやすい。 | 手描きや和紙のうちわは、飾りや記念品に使われる。 |
| 需要の入口 | 米国内の買い手だけを見る。 | 訪日みやげで実物に触れた人の買い直しがある。 |
売れる理由は手仕事・季節・ギフト向き
扇子・うちわが米国で売れる理由は、次の3つだ。
- 手仕事の意匠。京扇子に代表される竹の骨と紙・絹の面、金銀箔や手描きの絵柄には、米国の量産品にない高級感がある。贈り物や記念品に向く。
- はっきりした季節。夏に需要が立つ季節商材だ。通年でも、記念品やノベルティ、飾りとしての需要が底堅い。
- ギフトに向く形。軽く小さく、割れにくい。名入れや、引き出物・ノベルティといった使い道の提案と相性がよい。まとめ買いやリピートも見込める。
| 時期 | 動き |
|---|---|
| 春〜初夏 | 夏の需要に向けて、在庫と出品を準備する時期だ。 |
| 盛夏 | ギフト・イベント・コスプレで需要が山を迎える。 |
| 通年 | 記念品・ノベルティ・飾りとして底堅い需要がある。 |
関税の分類(HTSコード)は素材で変わる
扇子・うちわは、使っている竹・紙・絹といった素材によって、関税の分類(HTSコード)が変わる。多くは低い税率か無税の雑貨だが、正確な分類と税率は製品ごとに変わるため、出荷のときに確かめる必要がある。
米国の関税率表は、米国際貿易委員会(USITC)のサイトで調べられる。
荷物としては軽く小さく、割れにくい。送料がかさみにくい商材だ。
手仕事で単価をつくり、夏の前に在庫を置く
扇子・うちわは、安さで勝負する商材ではない。当社は、京扇子・金銀箔・手描き・名入れといった手仕事の意匠で、贈り物や記念品としての単価をつくることが要点だとみている。結婚式の引き出物、企業のノベルティ、コスプレの小物など、使い道を示してセットで売る組み立ても考えられる。
時期は次の順で考える。夏に需要が立つため、春から初夏に在庫と出品を整える。盛夏はギフトやイベントの山になる。夏が過ぎても、記念品や飾りとしての需要は残る。訪日みやげで実物に触れた人が、帰国後に米国で買い直す流れも意識したい。
一方で、米国市場の公的統計は限られ、需要の大きさは数字で確かめられない。関税の分類は素材で変わるため、出荷の前に製品ごとにHTSコードと税率を確かめる。関税・送料・手数料を引いて利益が残るかは、商品ごとに別に計算する必要がある。
(ワールドシフト編集部)
キーワード解説
- 扇子(sensu):折りたためる日本の扇。竹の骨に紙や絹を貼る。京扇子が代表的で、贈り物として人気がある。
- うちわ(flat fan):折りたためない平らな扇。手描きや和紙のものは、飾りや記念品として使われる。
- 京扇子:京都で作られる扇子。国の伝統的工芸品で、金銀箔や手描きなど手仕事の意匠が特徴。
- 伝統的工芸品:国が指定する日本の工芸品。京扇子や京うちわなどが含まれ、手仕事の品質の目印になる。
- HTSコード(Harmonized Tariff Schedule):米国の関税率表で品目ごとに付く分類の番号。番号によって税率が決まる。扇子・うちわは素材によって分類が変わる。
Q&A:よくある質問
- 日本の扇子・うちわは、米国で売れていますか?
- 夏のギフトや記念品として人気があります。訪日みやげの定番で、帰国後に米国のオンラインで買い直す需要があります。結婚式の引き出物、パーティーの飾り、企業のノベルティ、コスプレの小物として、夏を中心に需要が立ちます。ただし米国市場の公的統計は限られ、規模は数字では示せません。
- 扇子とうちわは、米国でどう使い分けられていますか?
- 折りたためる扇子は、持ち歩きや贈り物に向きます。京扇子は単価の高い贈答品です。平らなうちわは、手描きや和紙のものが飾りや記念品に使われます。
- 日本の扇子・うちわを米国へ送ると、関税はかかりますか?
- 素材(竹・紙・絹)で関税の分類が変わるため、正確なHTSコードと税率は製品ごとに出荷時に確認します。多くは低い税率か無税の雑貨です。軽く小さいため、送料もかさみにくい商材です。
- 米国向けの扇子・うちわは、いつ在庫を置けばよいですか?
- 夏に需要が立つ季節商材のため、春から初夏に在庫と出品を準備すると、売り時を逃しにくくなります。盛夏がギフトやイベントの山で、通年でも記念品や飾りの需要があります。
- 米国で日本の扇子・うちわを売るとき、どう差別化すればよいですか?
- 京扇子・金銀箔・手描き・名入れなどの手仕事の意匠と、引き出物・ノベルティ・コスプレといった使い道の提案を組み合わせ、セットにすると単価を上げやすくなります。
- 扇子・うちわの米国需要についての記事の出典は何ですか?
- Nippon.com、KOGEI JAPAN(京扇子)、Japan Objectsの解説と、政府観光局の公表値にもとづく訪日客の動向です。関税の分類は米国際貿易委員会(USITC)の関税率表で調べられます。記事末尾の出典からご確認いただけます。




