米Amazon、安全要件カテゴリに賠償保険を義務化 11月2日から
月の売上1万ドル未満でも対象。補償100万ドル以上、通知から45日で証明書提出

米Amazonは米国時間2026年9月3日、米国Amazon.comの出品者に求める商業賠償責任保険の要件を2026年11月2日から改めると出品者に告知した。安全要件が強化されたカテゴリに商品を出品していれば、月の売上高にかかわらず保険に入る必要がある。補償額は1事故あたり、保険期間中の総額ともに100万ドル以上だ。
これまでの要件はそのまま残る。Amazon.comでの月の売上高が1万ドルを超えたら、30日以内に保険に入り、維持するというものだ。
新たな保険か保険内容の更新が必要だとAmazonが判断した出品者には、メールが届く。通知から45日以内に保険の証明書を出すよう求められる。
従来の要件に2つが加わる
Amazonの告知では、これまでの要件を残したうえで、新たに2つの要件を加える。
1つ目は、安全要件が強化されたカテゴリに商品を出品している出品者が対象だ。月の売上高が1万ドルの基準に達しているかどうかにかかわらず、その商品を補償する保険を維持しなければならない。この変更は新規の出品にも、既存の出品にも適用される。
2つ目は、中国本土を拠点とする出品者が対象だ。Amazonの保険紹介の仕組み「Amazon Insurance Accelerator(AIA)」を通じて、保険に入る必要がある。告知がこの要件の対象に挙げたのは、中国本土を拠点とする出品者だ。日本を拠点とする出品者には触れていない。
| 出品者 | これまで | 2026年11月2日から |
|---|---|---|
| 月の売上高が1万ドルを超えた出品者 | 30日以内に加入・維持 | 変わらず(30日以内に加入・維持) |
| 安全要件強化カテゴリの出品者(売上1万ドル以下) | 売上の基準(またはAmazonからの求め)による | 売上高にかかわらず、その商品を補償する保険の維持が必要 |
対象は子ども向け・電池など11分類
告知は対象カテゴリの例として、子ども向け商品、化粧品・口に入れる商品、リチウム電池を含む商品を挙げた。対象はこれに限らない。全体の一覧は、出品者向け画面(Seller Central)の「安全要件が強化された商品カテゴリ」のページで確かめるよう案内している。閲覧にはログインが要る。
出品者向けサイトのSellerEssentialsは、2026年9月4日時点の一覧を載せている。それによると、カテゴリは次の11分類だ。
- 子ども向け商品(チャイルドシート、おもちゃ、乳幼児用の睡眠用品など)
- 消費・摂取する商品(サプリメント、市販の内服薬、目薬など)
- 火災関連の商品(消火器、煙・一酸化炭素の警報器)
- 一般家庭用機器(投げ込み式の湯沸かし器、小型キッチン家電)
- 家庭用医療機器
- リチウム電池を含む商品(電池本体、電動自転車・キックボード、充電式の家電・電子機器、ポータブル電源など)
- 屋外用の動力・暖房機器
- 個人用の安全装備(ヘルメット、ハーネスなど)
- 睡眠関連用品(マットレス、大人用のベッドガード)
- 輸送関連の商品(自動車・オートバイのタイヤ)
- 水辺・マリンの安全用品(ライフジャケットなど)
告知は化粧品も例に挙げているが、この一覧に化粧品という独立の分類はない。
補償100万ドル以上、免責1万ドル以下
補償額は、告知によると1事故あたり、保険期間中の総額ともに100万ドル以上だ。ほかの条件は、出品者向けサイトのPPC Landが次のように報じている。
- 保険の種類は、次の3つのいずれか。企業総合賠償責任保険(CGL)、超過賠償責任保険、アンブレラ保険だ。
- 免責金額は1万ドル以下で、証明書に記載されていること。
- 原則として「事故発生ベース(オカレンス方式)」の保険であること。事故が保険期間中に起きたかどうかで、補償が決まる方式だ。一部のカテゴリは例外となる。
- Amazon.comに出品しているすべての商品を補償すること。
- Amazon.com Services LLCとその関連会社・譲受人を、追加被保険者として記載すること。
通知から45日、未提出なら出品停止も
Amazonは、出品しているカテゴリをもとに、新たな保険か保険内容の更新が必要な出品者を判断する。該当する出品者には、Amazonからメールが届く。メールは通知から45日以内に保険の証明書を出すよう求める。保険の探し方と出し方も案内される。
変更は2026年11月2日に発効する。必要な証明書を出さないと、安全要件強化カテゴリの出品が止められる可能性がある。止まるのは、要件を満たす書類を出すまでの間だ。それ以外のカテゴリの出品には影響しないと、告知は説明している。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2026年9月3日(米国時間) | Amazonが出品者向けに要件の変更を告知 |
| 2026年11月2日 | 新しい要件が発効 |
売上の小さい出品者ほど、先に保険の確認を
今回の変更で影響が大きいのは、月の売上高が1万ドルに届かず、これまで保険の要件を意識してこなかった出品者だ。おもちゃ、サプリメント、リチウム電池を含む商品などを日本から米国Amazonに出している事業者は、まず確認が要る。自社の出品が安全要件強化カテゴリに当たるかを、Seller Centralの一覧で確かめておきたい。外部サイトの11分類は目安で、Amazonの一覧そのものではない。
Amazonのメールが届いてから保険を探すと、45日の期限の中で保険会社とのやり取りを済ませることになる。条件も細かい。補償額は100万ドル以上、免責金額は1万ドル以下で、原則として事故発生ベースの保険であることが求められる。Amazon.com Services LLCを追加被保険者として記載する必要もある。すでに保険に入っている場合も、その保険がこれらの条件を満たすかを保険会社に確かめる必要がある。
AIAを通じた加入が求められているのは、中国本土を拠点とする出品者だ。告知は日本の出品者に触れていない。ただし、対象カテゴリや条件はAmazonの規定で変わり得る。証明書を出せない場合に止まるのは安全要件強化カテゴリの出品で、それ以外は影響しないとされる。どの商品が止まり得るかをつかんでおくことが、出品計画の前提になる。
(ワールドシフト編集部)
キーワード解説
- 商業賠償責任保険:事業の活動や売った商品が原因で、第三者にけがや損害を与えたときの賠償を補償する保険。Amazonは、企業総合賠償責任保険(CGL)、超過賠償責任保険(エクセス)、アンブレラ保険のいずれかを求めている。
- 事故発生ベース(オカレンス方式):事故が保険期間中に起きたかどうかで、補償の対象が決まる方式。対になるのは、請求を受けた時点で決まる「損害賠償請求ベース(クレームズメイド方式)」だ。
- 追加被保険者:契約者のほかに、その保険で補償を受けられる相手として証券に記載される者。
- 免責金額:損害のうち保険金が支払われず、契約者が自分で負担する金額。
- Amazon Insurance Accelerator(AIA):Amazonの要件を理解した保険会社のネットワークにつなぐ、Amazonのプログラム。
Q&A:よくある質問
- 売上が月1万ドル未満でも保険が必要になりますか?
- 安全要件が強化されたカテゴリに商品を出品している場合は必要です。2026年11月2日から、月の売上高にかかわらず、その商品を補償する保険を維持しなければなりません。それ以外のカテゴリだけを出品している場合は、これまでどおりです。月の売上高が1万ドルを超えたときに、30日以内の加入が求められます。
- いつまでに保険の証明書を出せばよいですか?
- 通知から45日以内です。Amazonの告知では、新たな保険か保険内容の更新が必要と判断された出品者にメールが届きます。変更の発効日は2026年11月2日です。
- 証明書を出さないとどうなりますか?
- 安全要件強化カテゴリの出品が、要件を満たす書類を出すまで止められる可能性があります。それ以外のカテゴリの出品には影響しないと、Amazonは告知しています。
- 日本の出品者もAmazon Insurance Accelerator(AIA)で加入しなければなりませんか?
- 告知がAIAを通じた加入を求めている対象は、中国本土を拠点とする出品者です。日本を拠点とする出品者には触れていません。
- どの商品が対象か、どこで確認できますか?
- Amazonは、出品者向け画面(Seller Central)の「安全要件が強化された商品カテゴリ」のページで確かめるよう案内しています。閲覧にはログインが必要です。




