米Amazon、国際FBA納品の期限を延長 分割納品の残り便は45日に
8月1日〜11月30日に作った国際の納品プランが対象。45日以内に届けば「削除・放棄」の不備手数料は免除、請求済みの分は自動で返金

米Amazonは2026年10月30日(米国時間)、FBAの国際(international)の納品プランについて、着荷の期限を一時的に延ばすと発表した。対象は2026年8月1日から11月30日までに作った納品プラン。複数の倉庫に分けて送る納品プランでは、残りの便が最初の便の受領から45日以内(通常は30日以内)に届けば、「削除・放棄」の不備手数料がかからない。すでに請求された分は自動で返金される。
発表は、出品者向け管理画面「セラーセントラル」の公式お知らせ「Temporary peak season extensions for international FBA shipments」で行われた。Amazonは理由を、繁忙期(peak season)に「海上輸送の長期化、港の遅れ、税関での保留」が、出品者の手の及ばない外部の要因で起きているためと説明している。
変更は2点ある。分割納品の残りの便の着荷期限を30日から45日へ、納品の自動クローズまでの期間を90日へ延ばした。お知らせは「対応は不要(No action is required)」とし、変更と返金は自動で適用されるとしている。
分割納品は45日、自動クローズは90日に 8月1日〜11月30日作成分
お知らせの変更点と、Amazonの公開ヘルプ(米国)が定めるふだんの期限を並べると次のとおり。
| 項目 | ふだん | 一時的な変更 |
|---|---|---|
| 分割納品の残りの便の着荷 | 最初の便の受領から30日以内 | 45日以内 |
| 納品の自動クローズ | 国際の納品は作成から75日以内に着荷しないと自動で閉じる | 90日に延長 |
対象は、2026年8月1日から11月30日までに作った国際の納品プラン。自動クローズの90日について、お知らせは起点を書いていない。国内(domestic)の納品は、ふだんは作成から45日以内の着荷が期限で、今回の変更は国際の納品プランについてのもの。お知らせとヘルプは、「国際」に当たる納品の範囲を定めていない。
分割納品とは、1つの納品プランが複数の倉庫あての便に分かれる送り方を指す。ヘルプによると、Amazonは需要に応じて在庫を各地の倉庫に分けて置くため、納品プランを作ると、行き先の違う複数の便に分かれることがある。
不備は記録に残るが、手数料は免除・返金
お知らせによると、残りの便が最初の便の受領から45日以内に届けば、「削除・放棄(deleted or abandoned)」の不備手数料は請求されない。ただし、不備そのものは出品者の画面「Inbound Performance Dashboard(納品パフォーマンス)」に記録として残る。手数料が免除されるのは、上の条件を満たす納品に限られる。
条件を満たす納品で、すでに不備手数料を請求されていた場合は返金される。返金の明細は、セラーセントラルの「払い戻し(Reimbursement)」レポートで確かめられる。お知らせが免除の対象として挙げているのは「削除・放棄」の不備手数料で、指定と違う倉庫に届けた場合(misrouted)の手数料には触れていない。
不備手数料は1点0.32ドルから
不備手数料は、商品1点ごとにかかる。公開ヘルプ「Inbound defect fees」によると、2026年1月15日以降に作った納品では、誤配送・削除・放棄の手数料が1つにまとめられ、商品のサイズと重さで額が決まる。
| サイズ区分・重さ | 1点あたり |
|---|---|
| 小型標準(16オンス以下) | 0.32ドル(約51円) |
| 大型標準・12オンス以下 | 0.38ドル(約61円) |
| 大型標準・1.5ポンド超〜3ポンド | 0.59ドル(約94円) |
| 大型標準・15ポンド超〜20ポンド | 1.74ドル(約278円) |
| 特大(Large Bulky)・42ポンド超〜50ポンド | 5.72ドル(約915円) |
表はヘルプの区分の一部を抜き出したもの。円は1ドル≒160円で換算した目安。
ヘルプは計算の例として、大型標準・12オンス以下の商品で200点が放棄になった場合を挙げ、不備手数料を「200点×0.38ドル=76ドル」(約1万2,160円)としている。
受付の予約があれば閉じない、誤請求は90日以内に調査を依頼
公開ヘルプ「Deleted, misrouted, and incomplete shipments」は、ふだんの決まりを次のように定めている。
- 期限は上の表のとおりで、遅れると不備の通知が出て、納品は自動で閉じる。承認した分割納品のうち1便だけを削除することはできない
- 着荷の当日に、受付の予約を取って輸送中である、または「配達済み・受付済み・受領中」の状態なら、納品は閉じない。自動で閉じる前に、港の混雑や天候などの事情を考慮するとしている
- 閉じた納品では、ラベルの印刷や変更ができなくなる。閉じた納品のまま届けた荷物は受け取りを断られることがある
- 不備手数料が誤って請求されたと考える場合は、通知から90日以内に調査を依頼できる
ヘルプは、不備を繰り返すと納品の受け付けが止められることがあるとも書いている。
海上輸送で最後の便が遅れても、45日までなら削除・放棄の手数料はかからない
日本から船便や混載で米国のFBAへ在庫を送ると、港の混雑や税関での保留で、分割納品の最後の便だけが遅れることがある。ふだんの30日を過ぎると、遅れた便は「削除・放棄」の不備に当たり、不備手数料の対象になりうる。今回の延長はこうした送り方に効く。すでに取られた分は自動で戻り、11月30日までに作る分割納品は、残りの便を45日で組める。クーリエで数日のうちに届く納品では、もともと30日に引っかかる場面は少ない。
日本から米国のFBA倉庫へ直接送る納品は、ヘルプの区分では国内ではなく国際の側に入ると考えられる。ただし、お知らせは「国際」の範囲を定義していない。米国内の倉庫を経由してから納品する場合などは、扱いが違う可能性がある。進めるなら、次の順になる。
- 「払い戻し」レポートで、不備手数料の返金が入っているかを確かめる
- セラーセントラルの納品一覧で、8月1日以降に作った国際の納品プランを洗い出す
- 11月30日までに作る分割納品は、残りの便が最初の便の受領から45日以内に届く段取りを組む
- 受領の状況を納品パフォーマンスの画面で追う
- 誤りと思う手数料は、通知から90日以内に調査を依頼する
注意点もある。不備は納品パフォーマンスの画面に引き続き示され、ヘルプは不備を繰り返すと納品の受け付けが止められることがあるとしている。お知らせは12月1日以降に作る納品プランの扱いに触れていないので、12月以降の分はふだんの30日・75日で組むのが無難だ。延びたのは手数料を気にせずに済む期間で、在庫が早く売り場に並ぶわけではない。年末の需要に間に合わせたい在庫は、11月中に作る納品プランで早めに出せば、延長の範囲に入れたまま送り出せる。
(ワールドシフト編集部)
キーワード解説
- 国際の納品プラン(international shipment plan):米国のFBAで「国際(international)」に区分される納品プラン。範囲はお知らせ・ヘルプとも定義していない。ふだんは作成から75日以内の着荷が期限。
- 分割納品(multi-destination plan):1つの納品プランが、行き先の違う複数の倉庫あての便に分かれる送り方。すべての便は、ふだんは最初の便の受領から30日以内に着荷する必要がある。
- 不備手数料(inbound defect fee):納品が納品プランどおりに届かなかったときに、商品1点ごとにかかるFBAの手数料。誤配送・削除・放棄が対象。
- 削除・放棄(deleted or abandoned):承認後の納品プランから便を削除・取り消した、すべての便を送らなかった、期限までに届かなかった、などの状態。
- 自動クローズ:期限までに着荷しなかった納品をAmazonが自動で閉じること。閉じた納品ではラベルの印刷や変更ができなくなる。
- 払い戻し(Reimbursement)レポート:Amazonから出品者への返金の明細を確かめられるセラーセントラルのレポート。
Q&A:よくある質問
- 米国Amazonの国際FBA納品の一時的な延長とは何ですか?
- 米国Amazonが2026年10月30日(米国時間)のセラーセントラルのお知らせで発表した変更です。2026年8月1日から11月30日までに作った国際の納品プランについて、分割納品の残りの便の着荷期限を最初の便の受領から30日から45日に延ばし、納品の自動クローズまでの期間を90日に延ばしました(90日の起点はお知らせに書かれていません)。
- 米国Amazonの国際FBA納品の延長は、いつ作った納品プランが対象ですか?
- 2026年8月1日から11月30日までに作った国際の納品プランが対象です。お知らせは、12月1日以降に作る納品プランの扱いには触れていません。
- 米国Amazonの国際FBA納品で、すでに払った不備手数料は戻りますか?
- お知らせによると、条件を満たす納品ですでに請求された不備手数料は返金されます。手続きは不要で、返金の明細はセラーセントラルの「払い戻し(Reimbursement)」レポートで確かめられます。
- 米国Amazonの国際FBA納品の延長で、不備の記録も消えますか?
- 消えません。お知らせは、不備は納品パフォーマンスの画面(Inbound Performance Dashboard)に記録として残り、免除されるのは条件を満たす納品の手数料だとしています。
- 米国AmazonのFBAの不備手数料はいくらですか?
- 公開ヘルプによると、2026年1月15日以降に作った納品では1点あたりの額で、小型標準(16オンス以下)が0.32ドル(約51円)、大型標準・12オンス以下が0.38ドル(約61円)、最も重い区分で5.72ドル(約915円)です。円は1ドル≒160円で当社が換算した目安です。
- 米国Amazonの国際FBA納品の延長で、誤配送(misrouted)の不備手数料も免除されますか?
- お知らせが免除の対象として挙げているのは「削除・放棄」の不備手数料です。指定と違う倉庫に届けた誤配送(misrouted)の手数料には触れていません。
- 米国Amazonの国際FBA納品で、自動クローズの90日はいつから数えますか?
- お知らせは90日の起点を書いていません。ふだんの決まりでは、公開ヘルプにより、国際の納品は作成から75日以内に着荷しないと自動で閉じます。
- 日本から米国FBAへ直接送る納品は、この延長の対象になりますか?
- お知らせもヘルプも「国際(international)」に当たる納品の範囲を定めていません。当社は日本の事業者のアカウントで実際の画面を確かめていないため、対象かどうかはセラーセントラルの納品の画面でご確認ください。






