
米国AmazonのFBA Export(FBA海外配送)が配送先を175以上追加──米国FBAの在庫を海外の買い手へ。Amazonは「出品者の追加費用なし」
Amazonは2026年9月28日(米国時間)、セラーセントラルの公式お知らせで、FBA Export(ヘルプの日本語表示では「FBA海外配送」)の配送先を175以上追加すると発表しました。米国FBAに在庫を置いている出品者にとっては、海外の買い手に届く先が広がる話です。
FBA Exportは、Amazon.comで海外のお客様が買った商品を、米国FBAの在庫からAmazonがそのまま海外へ届ける仕組みです。輸出の手続き・相手国の通関・配送はAmazonが行い、国際送料と関税は買い手が払います。お知らせは「出品者に追加の費用はかからない」としています。(日本のAmazon.co.jpにも同じ名前の仕組みがありますが、今回の発表は米国Amazon.comと米国FBAの在庫についてです。)
公開ヘルプによると、ほとんどの出品者は、はじめから自動でFBA Exportに登録されています。登録されている出品者は、新しい配送先が告知から8日以内(10月上旬)に自動で有効になります。この記事では、何が変わったか、対象外になりやすい商品、日本の出品者がまず確認する4点を、公式お知らせと公開ヘルプに沿って整理しました。最初の一歩は、自分の在庫のうち海外へ出せる商品がいくつあるかを数えることです。
① 何が変わったか:配送先が175以上増える
2026年9月28日(米国時間)のセラーセントラル公式お知らせ「FBA Export expands to new destinations」の内容は次のとおりです。
- FBA Exportの配送先を175以上追加し、より多くの海外の買い手が商品を買えるようにする
- 変更が対象のアカウントに順次反映されるまで30日ほどかかる。そのうち、すでにFBA Exportを使っている出品者は、新しい配送先が8日以内に自動で有効になる
- これまでに特定の配送先や商品を止めている場合は、その設定が守られる
- 止めている配送先は「Restricted countries(配送しない国)」の一覧に出て、いつでも有効に切り替えられる
- FBA Exportを使っていない出品者は、アカウントの設定は変わらない
| いまの状態 | 今回の拡大でどうなるか |
|---|---|
| FBA Exportを使っている(※ほとんどの出品者は、はじめから自動で登録されています) | 新しい配送先が8日以内に自動で有効になる |
| 使っているが、一部の国・商品を止めている | 止めた設定はそのまま。止めた国は「Restricted countries」に出る |
| FBA Exportを使っていない | 設定は変わらない |
公開ヘルプ「FBA Export」は、2026年10月1日に当社が確認した時点で、海外のお客様は「100以上の国・地域」から買えると書いています。お知らせの「175以上」は新しく加わる配送先(destinations)の数で、国の数とは限らず、追加後の合計の数も公表されていません。
② FBA Export(FBA海外配送)とは:Amazon.comの注文を、米国FBAから海外へ
まず、日本のAmazon.co.jpの「FBA海外配送プログラム」(日本のFBA在庫を海外へ届ける仕組み)とは別の、米国Amazon.com側の仕組みです。設定は、セラーセントラルで米国のマーケットプレイスを選んだ状態で行います。
公開ヘルプによると、FBA Exportの仕組みは次のとおりです。
- 売る場所はAmazon.comのまま:海外のお客様がAmazon.comを訪れ、FBA Exportの対象商品を買う。出品者はふだんのAmazon.comの出品をそのまま使う
- Amazonが行うこと:対象になる商品の見極め、海外の注文の出荷、輸入関税と通関の手続き、買い手の住所への配送
- お金の負担:国際送料と関税は買い手が払う。出品者がFBA Exportの注文を出荷するのに追加の費用はかからない(多チャネル配送=Amazon以外で受けた注文の出荷を除く)
- 登録:ほとんどの出品者は、はじめから自動でFBA Exportに登録されている。いつでも有効・無効を切り替えられる
- 返品:FBA Exportで届けた商品を返品できるかは、Amazonの返品ポリシーで決まる
ヘルプ(日本語表示)は、このページのFBAに関する説明が「Amazon.comのサイトで海外に販売する出品者様に適用されます」と注記しています。出品者がどの国の事業者かによる条件は、ヘルプには書かれていません。ただし当社は、日本の事業者のアカウントで実際の画面を確かめてはいません。日本から米国FBAに納品してAmazon.comで売っている方は、自分の設定を一度確認しておくのが安全です(当社の読み)。
登録すると、出品者は、Amazonとそのグループ会社が出品者に代わって輸出の手続きを行うこと(商業インボイス=輸出する品物の内容と価格を書いた書類への署名を含む)を認めることになります。
③ 対象外になりやすい商品:食品・サプリ・医薬品・酒など(国ごとに判断)
FBAの在庫がすべて海外へ出るわけではありません。ヘルプは、対象にならない主な理由を3つ挙げています。
- 米国側の輸出の制限:武器や模造の武器、植物・種子・土、動物と一部の動物由来品、監視機器、レーザーポインターなど
- 相手国側の輸入の制限(国ごとに判断):酒類、食品・医薬品・サプリメント(ペットフードを含む)、農薬などの化学品、医療機器、アダルト商品、ベビーウォーカーやチャイルドシートなど
- 輸送上の制限:マットレスやベッドなどの大きく重い商品、危険物、大型または単体のリチウムイオン電池など
また、新しいASIN(Amazonの商品番号)が対象になるかの確認は月1回です。ヘルプは、次の確認で処理されるよう、商品説明か箇条書き(商品の特徴)のどちらかを入れておくよう求めています。
自分の在庫のうち対象になる商品は、セラーセントラルの「Exportable Inventory(輸出できる在庫)」レポートで確認できます。FBA Exportを無効にしていても見られます。
対象外の例は、公開ヘルプ「FBA Export」の記載(2026年10月1日閲覧)を当社が要約したものです。相手国側の制限は国ごとに判断されます。
④ なぜ自分で決めるのか:適法性と販売地域の契約
ヘルプは、FBA Exportを使う前提として、対象の商品が許可なく適法に輸出でき、相手国に適法に輸入でき、相手国の法律に合っていることを出品者が確かめるよう求めています。
もう1つは販売地域の取り決めです。メーカーや代理店との契約で、売ってよい国が決まっている商品がある場合について、ヘルプは、FBA Exportをやめる、特定の国への出荷を止める、特定の商品を外す、のどれもいつでもできるとしています。
国は「Shipping restrictions(配送の制限)」で選んで外し、商品は除外ファイルをダウンロードして国ごと・商品ごとに外します(メディア商品以外をファイルで最大100万点)。設定はストアごとです。具体的な確認の順番は⑤にまとめました。
⑤ 日本の出品者がいま確認する4つ:輸出できる在庫・海外からの注文・Export Settings・配送しない国
今回の拡大を受けて、日本から米国FBAに納品している出品者が確認しておきたい点を、明るい順に並べました。どれもセラーセントラルで米国のマーケットプレイスを選んで見ます。
| 確認すること | 場所 | 見る点 |
|---|---|---|
| 1. 海外へ出せる商品を数える | Exportable Inventory(輸出できる在庫)レポート | FBA Exportを無効にしていても見られる。どの商品が海外の買い手に届く対象か |
| 2. 海外からの注文を見る | レポート → フルフィルメント → Amazon Fulfilled Shipments | 配送先の国で絞り込むと、FBA Exportの注文だけを見られる |
| 3. FBA Exportが有効か | 設定 → フルフィルメント by Amazon → Export Settings | 有効なら、新しい配送先は8日以内(10月上旬)に自動で加わる |
| 4. 止める国・商品 | Restricted countries(配送しない国)/除外ファイル | 以前に止めた国はそのまま。契約で販売国が決まっている商品などは、国・商品ごとに外す。新しい配送先が加わった後にもう一度見直す |
⑥ 当社の見方:米国FBAの在庫1つで、届く先が広がる
ここからは当社(WorldShift)の見方です。
日本から米国Amazonに納品している出品者にとって、FBA Exportは国ごとに出品や在庫を分けずに、米国FBAの在庫のまま海外の買い手に届く仕組みです。送料と関税は買い手の負担で、出品者側の手続きは設定の確認が中心です。配送先が増える今回の拡大は、すでに米国FBAに在庫を置いている出品者にとって、新しく何かを始めなくても届く先が広がる話です。
これから米国Amazonを始める方にとっては、米国のFBAに納品した在庫が、Amazon.comを訪れる海外の買い手にも届く仕組みがある、ということです。国ごとに出品や倉庫を分ける前の、最初の一歩として知っておいて損はありません。
向き・不向きは商材で分かれます。食品・サプリメント・酒類は、ヘルプの対象外の例に入っているため、FBA Exportでは海外へ出にくいと当社は見ています。一方、たとえば文房具・キッチン用品・ホビー用品のように、危険物でも大型でもない商品は、「Exportable Inventory」レポートで対象かどうかを確かめてみる価値があります。
ただし、配送先が増えても注文が増えるとは限りません。海外の買い手は国際送料と関税を払うので、その分だけ支払額は上がります。また、海外の注文は届くまでの日数が長くなるので、評価や返品の状況もあわせて見ておくと判断しやすくなります。どの国からどの商品に注文が入るかを「Amazon Fulfilled Shipments」で見てから、外す国・商品を決める、という順番も一つの方法です。
まず「Exportable Inventory」レポートで、海外へ出せる商品がいくつあるかを数えます(FBA Exportを無効にしていても見られます)。次に「Amazon Fulfilled Shipments」を配送先の国で絞り込み、海外からの注文が入っているかを見ます。新しいASINの判定は月1回なので、商品説明か箇条書きを入れておくと次の判定に乗ります。販売地域が契約で決まっている商品は、いま止められる国・商品は先にExport Settingsで外し、拡大の反映後(お知らせでは既存の利用者は8日以内)に『Restricted countries』とExport Settingsをもう一度見直してください。
よくある質問
- FBA Export(FBAエクスポート/FBA海外配送):Amazon.comで海外のお客様が買った商品を、米国FBAの在庫からAmazonが海外へ届ける仕組み。輸出・通関・配送はAmazonが行い、国際送料と関税は買い手が払う。日本のAmazon.co.jpの「FBA海外配送プログラム」とは別の仕組み。
- Restricted countries(配送しない国):FBA Exportで出品者が出荷を止めている国・地域の一覧。今回追加された配送先も、ここから有効・無効を切り替えられる。
- Exportable Inventory(輸出できる在庫)レポート:FBAの在庫のうち、FBA Exportの対象になる商品の一覧。FBA Exportを無効にしていても見られる。
- 多チャネル配送(Multi-Channel Fulfillment):Amazon以外の販路で受けた注文を、FBAの在庫からAmazonが出荷するサービス。FBA Exportの「追加費用なし」には含まれない。
FBA Exportで海外の買い手に届けるには、まず米国のFBAに在庫を置くところから始まります。SLC(SHiFT-Logistics Center)は、日本から米国AmazonへのFBA納品をサポートしています。FBA Exportの有効・無効や除外する国・商品の設定は、出品者ご自身がセラーセントラルで行います。

