米国の関税はどう決まる?
― HTSコード分類・原産国・課税価格を、輸出者向けに
関税が決まるまで(ひと目で)
商品をHTSコード(10桁)で正しく分類し、原産国と課税価格(通常は取引価格)から税率を確認します。関税は輸入者(Importer of Record)が申告・納付します。税率は品目・原産国で異なり、基本の関税に加えて追加関税(通商政策による上乗せ)がかかることもあります。
最新の税率・追加関税は通商情勢で頻繁に変わります。個別品目の実際の税率は、米国のHTS(USITC)や通関業者でその都度ご確認ください。情勢の動きは当社の関税ニュース(Trade Watch)でも追っています。
何で税額が変わる?
品目をどの10桁コードに当てるか
どの国で作られたか(協定・追加関税に影響)
通常は実際の取引価格(インボイス額)
通商政策による上乗せがあるか
HTSの分類を誤ると、関税の過少・過大や通関の遅延、後日の追徴につながります。似た品目でもコードで税率が変わるため、正しいHTS分類が出発点です。
おさえる要点
関税分類コード
を左右
基本
の責任者
関税はHTSコード×原産国×課税価格で決まり、輸入者が申告・納付します。少額貨物の免税(de minimis)は2025年に大きく見直され、クーリエ・貨物便などの商業貨物では現在は原則使えません(少額でも通常の関税・申告が必要)。実際の税率・免税可否はその時点のHTS・通関業者で必ず確認してください。
HTSコードの調べ方
hts.usitc.gov に英語の一般名で入力して候補を探す
Generalが通常税率、SpecialはFTA・特恵の優遇税率
材質・用途・加工で分類(と税率)が変わる
CBPの事前教示(Binding Ruling/無料・拘束力)で分類を確定
品目ごとの関税率の目安
同じ「バッグ」「食器」でも、素材や作りでHTSの小分類が変わり、税率も変わります。品目名では一つに決まりません。当社が一次情報(USITC HTS)で確認した範囲を、小分類ごとに並べます。
竹製品
| HTS(小分類) | 品目 | 一般税率 |
|---|---|---|
| 4419.11.00 / 4419.12.00 | 竹のまな板・パン切り板/箸 | 3.2% |
| 4419.19.10 | 竹のフォーク・スプーン | 5.3% |
| 4419.19.90 | 竹の台所用品その他 | 3.2% |
| 4602.11.07 / .35 | 竹の籠細工(Wickerwork) | 無税 |
| 4602.11.09 | 竹の籠・バッグ類「その他」 | 10% |
| 4602.11.45 | 竹製品その他(籠・バッグ類以外の編み製品) | 6.6% |
プラスチック製の家庭用品(HTS 3924)
| HTS(小分類) | 品目 | 一般税率 |
|---|---|---|
| 3924.10.20 | 皿・カップ・ボウル等の食卓用品 | 6.5% |
| 3924.10.30 | トレー | 5.3% |
| 3924.10.40 / 3924.90.56 | その他の台所用品・家庭用品 | 3.4% |
バッグ・財布(HTS 4202)
| HTS(小分類) | 品目 | 一般税率 |
|---|---|---|
| 4202.21.60 / .90 | 革製ハンドバッグ(20ドル以下/超) | 10%/9% |
| 4202.21.30 | 爬虫類革のハンドバッグ | 5.3% |
| 4202.22.15 | プラスチック外面のハンドバッグ | 16% |
| 4202.22.81 / .89 | 化繊(man-made fibers)製ハンドバッグ | 17.6% |
陶磁器の食卓用品
| HTS(小分類) | 品目 | 一般税率 |
|---|---|---|
| 6911.10.80 | 磁器(porcelain/china)の家庭用食卓用品「その他」 | 20.8% |
| 6911.10.45 | 磁器のマグ | 14% |
| 6911.10.10 | 磁器の業務用(ホテル・レストラン)食器 | 25% |
| 6912.00.48 | 非磁器陶器の家庭用食卓用品「その他」 | 9.8% |
| 6912.00.44 | 非磁器陶器のマグ | 10% |
| 6912.00.20 | 非磁器陶器の業務用食器 | 28% |
たとえばバッグ・財布を「8〜10%」と括ると、プラスチック外面16%・化繊17.6%が外れます。陶磁器を「9.8%」と括ると磁器20.8%が外れます。見積りでは、必ず自社の商品が当たる小分類まで下ろしてください。
上の税率は基本の関税(General)です。ここにSection 232・Section 301などの追加関税が別に乗ることがあります。合計がいくらになるかは、基本+232+301の重ねがけをご覧ください。
税率は2026年9月10日時点、出典=USITC HTS(hts.usitc.gov)。税率・追加関税は通商情勢で変わります。実際の適用は、その時点のHTSと通関業者でご確認ください。
率が分かったら、次は自分の商品でいくらになるかです。①HTSの確定から⑥手数料までの順番は「自分の商品の関税額を出す手順」にチェックリストでまとめています。
関税のほかにかかる手数料
米国の輸入では、関税のほかにMPF(貨物処理手数料)とHMF(港湾維持手数料)がかかります。金額は小さく見えますが、毎回・確実にかかります。関税率だけで採算を組むと合いません。
| 手数料 | 率 | 下限・上限/かかる条件 |
|---|---|---|
| MPF 貨物処理手数料 | 0.3464% 申告価額に対して | 1申告ごとにかかります。 〜2026年9月30日:$33.58〜$651.50 2026年10月1日〜:$34.58〜$670.86 率は据え置きで、10月に変わるのは下限と上限だけです。 |
| HMF 港湾維持手数料 | 0.125% 申告価額に対して | 海上輸送のみ。航空便にはかかりません。 上限・下限はありません。 |
見積りは、この順に積み上げる
① 基本の関税 HTSの小分類の税率 × 申告価額
② 追加関税 Section 232・301などの上乗せがあれば加える
③ MPF 申告価額 × 0.3464%。ただし下限を下回れば下限額、上限を超えれば上限額
④ HMF 海上のみ。申告価額 × 0.125%
⑤ 通関業者の手数料 業者ごとに異なります
MPFには下限があります。申告価額が小さいと率で計算した額が下限を下回るため、荷物が小さいほど1申告あたりの負担割合が重くなります。まとめて申告するか、小口を分けるかで、1個あたりの手数料は変わります。
見積書と原価表で見直すのは、①関税率を引いている行と②手数料を固定額で置いている行の2か所です。手数料を「一律いくら」で置いていると、下限に張り付く小口では合わなくなります。申告単位(1申告か個口か)もあわせてご確認ください。実際の金額の当てはめは、貨物の条件で変わるため無料相談で個別にご案内します。
手数料の額は2026年8月28日時点。出典=連邦官報 CBP告示『Customs User Fees To Be Adjusted for Inflation in Fiscal Year 2027』(19 CFR 24.22・24.23)。HMFはこの告示の対象外です。
落とし穴:分類ミスと価格申告
コードや価格を実態と違えて低く申告。追徴・罰則・信用失墜
実態どおりに分類・申告し、適正な関税で通す
不利なコードで過大な関税。利益を削る
利益を大きく左右するのが、正しいHTS分類と適正な価格申告です。
よくある質問
米国の関税はどうやって決まる?
商品をHTSコード(米国の関税率表・10桁)で分類し、原産国と課税価格(通常は取引価格)を掛け合わせて決まります。基本の関税に加え、通商政策による追加関税がかかることもあります。
関税は誰が払う?
米国の輸入者(Importer of Record)が申告・納付します。FBA輸出では、輸入者の設定や関税の負担者を事前に整理しておくことが大切です。
税率や少額免税(de minimis)は今どうなっている?
税率や追加関税、少額貨物の免税(de minimis)の扱いは通商情勢で頻繁に変わり、2025年に大きく見直されました。特にクーリエ・貨物便などの商業貨物では、少額でも現在は原則として通常の関税・申告が必要です。実際の税率・免税可否は、その時点のHTS(USITC)や通関業者で必ず確認してください。
HTSコードはどう調べる?
米国のHTS(hts.usitc.gov)で商品を英語の一般名で検索し、材質・用途から該当する分類を絞ります。General列が通常税率、Special列はFTA等の優遇税率です。確信が持てないときは、CBPの事前教示(Binding Ruling/無料・法的拘束力)で分類を確定できます。
ワールドシフトのサポート
- ✓HTS分類の確認:商品に合うHTSコードの候補を一緒に確認し、分類の考え方を整理します
- ✓関税の見当づけ:分類・原産国から関税の当たりをつけます(最新税率・追加関税は通関業者・当局の確認によります)
- ✓通関手続きの手配・連携:提携する米国の通関業者と連携し、書類・申告を手配します。分類・税額の最終判断は通関業者・税関の基準に沿って進めます(当社は通関業者ではありません)
- ✓追加関税など情勢で変わる部分は、最新情報をふまえてご案内します(関税・通関業者手数料などの実費は別途かかります)
※ご相談は無料です。実際の発送では、関税や実費(品目により試験費・危険物取扱・特殊梱包など)が別途かかります。
ほかの発送ルールガイド
出典:U.S. International Trade Commission — HTS(米国関税率表)/U.S. Customs and Border Protection — Trade(関税・通関)。基準値・手続きは変更される場合があります。
※本ページは一般的な情報の整理であり、個別の該当可否・法的助言ではありません。該当可否・搭載可否・申告の適否の最終判断は、税関・航空会社・当局および提携する危険物対応クーリエ等の基準によります。最新・個別の判断は無料相談でご確認ください。
