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通関ルールCPSCボタン電池製品安全

米国、ボタン電池の製品に安全基準 電池ぶた固定と警告表示

Reese's Lawに基づく16 CFR Part 1263は施行済み。子ども向けに限らず対象

米国は、ボタン電池・コイン電池を使う製品に安全基準を設けている(画像はイメージ)

米国では、ボタン電池・コイン電池を使う消費者製品の安全基準がすでに施行されている。通称Reese's Lawに基づく規則(16 CFR Part 1263)だ。誤飲事故を防ぐため、電池室を簡単に開けられない構造にし、製品本体・パッケージ・取扱説明書に警告表示を付けることを求める。対象は子ども向けの製品に限らない。

リモコン、体重計、LEDライト、キーホルダー、小型ガジェットなど、ボタン電池を使う幅広い日用品が対象になる。小さな電池が、米国へ製品を送るときの見落としやすい関門になっている。

製品の構造と表示の要件は、2023年10月23日に発効し、同日より後に製造・輸入された製品に適用されている。電池パッケージの警告表示は、2024年9月21日より後に製造・輸入された分に適用されている。

柱は電池室の構造と警告表示

ボタン電池・コイン電池の誤飲は、重い事故につながる。このため米国は、Reese's Lawに基づいて16 CFR Part 1263の安全基準を設けた。柱は2つある。

  • 構造。電池室は、工具を使うか、2つ以上の動作をしないと開かない構造にする。2段階以上の操作が要る構造は「ツーアクション」と呼ばれる。適合は、試験規格のANSI/UL 4200Aで確かめる。
  • 表示。誤飲の危険を伝える警告表示を、製品本体・パッケージ・取扱説明書の3か所に付ける。

子ども向けの製品(児童製品)に当たる場合は、これとは別に、第三者機関による試験と児童製品証明書(CPC)も必要になる。

要件はいずれも発効済み

規則は2つの文書で連邦官報に載った。性能と表示の要件を定めた本体の規則(文書番号2023-20333)と、電池パッケージの警告ラベルを定めた補完の規則(同2023-20334)だ。

製品の構造と表示の要件は、2023年10月23日に発効した。同日より後に製造・輸入された製品に適用される。試験の体制が整うまでの期間を考え、2024年3月19日までは執行猶予(enforcement discretion)の期間が置かれた。

電池パッケージの警告表示は、2024年9月21日より後に製造・輸入された分に適用される。どちらの要件も、すでに発効している。

ボタン電池の安全基準(16 CFR Part 1263)の要件と適用
要件求める中身適用
電池室の構造電池室を、工具を使うか2つ以上の動作をしないと開かない構造にし、ANSI/UL 4200Aで試験する。製品の構造の要件は、2023年10月23日に発効し、同日より後に製造・輸入された製品に適用されている。
製品の警告表示誤飲の危険を伝える警告を、製品本体・パッケージ・取扱説明書に付ける。製品の表示の要件は、2023年10月23日に発効し、同日より後に製造・輸入された製品に適用されている。
執行猶予試験の体制が整うまでの期間を考えて置かれた。執行猶予の期間は、2024年3月19日に終わった。
電池パッケージの警告表示電池パッケージに警告ラベルを付ける。電池パッケージの警告表示は、2024年9月21日より後に製造・輸入された分に適用されている。
児童製品の場合第三者機関による試験と児童製品証明書(CPC)をそろえる。子ども向けの製品に当たる場合は、構造と表示の要件とは別に必要になる。

日本の輸出者が確かめる4点

日本から米国へ、ボタン電池を使う製品を送る事業者は、次の順で確かめる。

  • 対象かどうか。自社の製品が、ボタン電池・コイン電池を使うかを確かめる。子ども向けでない製品も対象になる。
  • 構造の適合。電池室を、工具を使うかツーアクションで開く構造にし、ANSI/UL 4200Aで試験する。
  • 警告表示。製品本体・パッケージ・取扱説明書の3か所に、所定の警告を付ける。
  • 児童製品かどうか。子ども向けの製品なら、第三者機関による試験と児童製品証明書(CPC)も用意する。

製品が規則の対象に当たるかの判定と試験は、試験機関に依頼することになる。

解説

小さな電子品ほど、出荷前に電池ぶたを確かめる

この規則の落とし穴は、子ども向けでない製品にもかかることだ。リモコンや体重計、LEDライト、キーホルダー、小型ガジェットのような日用品は、玩具ではないため確認から漏れやすい。当社は、ボタン電池・コイン電池を使う小型の電子品ほど、米国へ送る前の確認が欠かせないとみている。

対応は次の順で考える。まず、製品がボタン電池・コイン電池を使うかを確かめる。使うなら、電池室が工具かツーアクションでしか開かない構造かを見て、ANSI/UL 4200Aの試験を試験機関に相談する。次に、警告表示を製品本体・パッケージ・取扱説明書の3か所にそろえる。子ども向けの製品に当たるなら、第三者機関による試験と児童製品証明書(CPC)も用意する。

要件はすでに発効しているため、待つ理由はない。電池ぶたの構造と警告表示を出荷前の確認項目に入れておけば、送ってから慌てることを減らせる。

(ワールドシフト編集部)

キーワード解説
  • ボタン電池・コイン電池:時計・リモコン・小型機器に使う小さな円形の電池。誤飲事故が問題になっている。
  • Reese's Law:ボタン電池の誤飲事故を防ぐための米国の法律。これに基づき16 CFR Part 1263が定められた。
  • 16 CFR Part 1263:ボタン電池・コイン電池を使う製品の構造と表示を定める米国の強制安全基準。
  • ANSI/UL 4200A:ボタン電池を使う製品の安全性を確かめる試験規格。
  • ツーアクション:ふたを開けるのに2段階以上の操作が要る構造。子どもが簡単に開けられないようにする。
  • 児童製品証明書(CPC):子ども向けの製品(児童製品)で、第三者機関による試験とあわせて求められる証明書。Children's Product Certificateの略。
Q&A:よくある質問
ボタン電池を使う製品は、子ども向けでなくても米国の安全基準(Reese's Law)の対象ですか?
はい。ボタン電池・コイン電池を使う消費者製品は、子ども向けに限らず広く対象です。リモコン・体重計・LEDライト・キーホルダー・小型ガジェットなどの日用品も含まれます。
米国のボタン電池の安全基準(16 CFR Part 1263)には、もう従う必要がありますか?
あります。製品の構造と表示の要件は2023年10月23日に発効し、同日より後に製造・輸入された製品に適用されています。執行猶予の期間も2024年3月19日に終わりました。電池パッケージの警告表示は、2024年9月21日より後に製造・輸入された分に適用されています。
16 CFR Part 1263では、ボタン電池の電池室をどんな構造にする必要がありますか?
工具を使うか、2つ以上の動作をしないと開かない構造です。適合は試験規格のANSI/UL 4200Aで確かめます。
米国のボタン電池の安全基準で、警告表示はどこに付けますか?
誤飲の危険を伝える警告を、製品本体・パッケージ・取扱説明書の3か所に付けます。
ボタン電池を使う製品が子ども向け(児童製品)だと、米国では追加で何が要りますか?
第三者機関による試験と児童製品証明書(CPC)が別に必要です。
米国のボタン電池の安全基準で、一次情報はどこですか?
CPSCの事業者向けガイダンスと、連邦官報の安全基準です。性能と表示の要件の本体規則は文書番号2023-20333(16 CFR Part 1263)、電池パッケージの警告ラベルは補完規則の2023-20334です。記事末尾の出典からご確認いただけます。
出典本記事は、CPSCの事業者向けガイダンスと、連邦官報に掲載された安全基準(性能・表示要件の本体規則=文書番号2023-20333、電池パッケージの警告ラベルの補完規則=文書番号2023-20334)をもとに、当社(WorldShift)が要件と適用日を整理したものです。日本語は当社の訳です。要件・適用日は概況です。最新の情報はCPSC公式・連邦官報でご確認ください。製品が規則の対象に当たるかの判定と試験は、試験機関にご確認ください。「解説」は当社(WorldShift)の意見で、規格への適合、通関の可否、売上・利益を保証するものではありません。

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