売れているのにお金が足りない 仕入れと入金のズレ

売れているのに資金が回らないのはなぜ?仕入れと入金のズレで起きる資金不足の原因と見分け方

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商品は売れている。帳簿の上では利益も出ている。それなのに、仕入れのカードの引落しが来るたびに口座がぎりぎりになる。売上の入金は2週間後なのに、次の仕入れの支払いは今週——。

物販やせどりの資金繰りで、多くの方がこの「仕入れと入金のズレ」にぶつかります。

「売れているのに、どうして資金が回らないの?」

この記事では、資金が回らなくなる原因をどう見分けるか、原因ごとに何をすればいいかを、Amazonの入金サイクルを例に整理します。Amazon以外で販売している方にも同じ考え方が使えます。

資金が回らないときに、最初に見直すこと

最初に見直したいのは、口座にあるお金を、すべて仕入れに使えるお金と考えていないかです。

口座の残高には、これから払う送料・関税・利用料や、カードの引落しに回すお金も含まれています。仕入れ代金とは別に、送料・関税・利用料などの支払いと、予定外の出費に備える資金を先に確保しておきます。

そのうえで、次の順に確認していきます。

支払いは先、入金は2〜3週間後という時間差

物販の資金繰りが難しいのは、お金が出ていくのが先で、入ってくるのが後だからです。仕入れ代金や送料、関税は売れる前に払い、売上は売れてからしばらくたって入金されます。

米Amazonの場合、配達日から7日間は売上が留保され(DD+7)、そのあと通常は約2週間ごとの入金サイクルで振り込まれます。売れてから入金まで2〜3週間後になることも珍しくありません。Amazon以外の販売先でも、入金の周期や保留の条件は販売先ごとに違うので、それぞれ確かめておきます。

DD+7の仕組みや、仕入れてから入金されるまでの日数の数え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

入金までの日数を詳しく解説在庫に前払いしたお金は、動かないと1円も戻らない。仕入れ資金が回収できるまでの日数と、キャッシュコンバージョンサイクルの考え方

この時間差があること自体は、どの出品者も同じです。問題は、時間差のせいで足りなくなっているのか、ほかに原因があるのかです。次の章から、それを見分けていきます。

資金不足の原因は3つに分かれる

「資金が回らない」と一言でいっても、原因によって打つ手が違います。原因を見分けないまま手を打つと、逆効果になることもあります。たとえば、売れない在庫が原因なのに資金を借りて足すと、借りたお金もまた売れない在庫になってしまいます。

資金不足の3つの原因と見分ける数字・打つ手:1 売れない在庫に資金がとどまっている(見分ける数字:長く売れていない在庫の金額/打つ手:追加の仕入れを止め、価格の調整や在庫の整理をする)、2 売れているが、入金が支払いに間に合わない(見分ける数字:支払日の前後の残高/打つ手:まとめて仕入れている分を分割する)、3 在庫を増やすペースが、資金の回収を上回っている(見分ける数字:毎月の仕入れ額と入金額/打つ手:回収済みの資金を基準に仕入れの上限を決める)

原因は1つとは限らず、重なっていることもあります。その場合は、①から先に手を打ちます。売れない在庫が残ったままでは、②や③の対策をしても資金が戻ってこないからです。

原因①:売れない在庫に資金がとどまっている

仕入れたお金の多くが、売れ残った在庫として倉庫に止まっている状態です。

見分け方

次のような数字が見えたら、①の可能性が高いです。

  • 30日・60日・90日売れていない在庫の金額が、在庫全体の中で大きくなっている
  • 在庫の金額は増えているのに、売上(入金額)は横ばい
  • 仕入れたときに見込んだ販売数より、実際の販売数が少ない商品が多い

打つ手

追加の仕入れをいったん止め、価格の調整や在庫の整理で、止まっているお金を現金に戻すことを先に考えます。

このとき注意したいのは、入金の時間差だけを埋めても根本的な解決にならないことです。販売の予測や仕入れの数量を見直さないまま資金を足すと、同じ状態が繰り返される可能性があります。在庫が減ったら、その商品の仕入れ数を、実際の売れ行きに合わせて見直します。

売れない在庫を、買取や海外での売り切りで現金に戻す方法と、どの出口を選ぶかの判断基準は、こちらの記事で詳しく解説しています。

在庫の現金化を詳しく解説売れない在庫はまとめて買い取ってもらえる?在庫買取から海外での売り切りまで、国内・海外の出口で現金化する判断基準
数値と折れ線が並ぶ分析画面

原因を見分ける数字を、すぐに出す

米AmazonリサーチツールPROFiNDER

30・60・90日売れていない滞留在庫を抽出し、入荷待ちから販売可能までの5つの段階ごとに在庫の金額を把握。推奨仕入数や在庫切れまでの日数も分かるので、仕入れすぎを防げます。

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原因②:売れているが、入金が支払いに間に合わない

商品は予定どおり売れているのに、入金より先に支払日が来てしまう状態です。

見分け方

  • 売れ行きは見込みどおりで、長く売れていない在庫は少ない
  • 月全体で見れば足りているのに、カードの引落日など、支払日の前だけ残高が足りなくなる
  • 数か月分の在庫をまとめて仕入れ、その支払いが一度に来ている

打つ手

数か月分をまとめて仕入れているなら、仕入れを分割して、支払いの山を入金のタイミングに合わせて小さくします。まとめ買いにもメリットはあるので、両方を比べて決めます。

まとめて仕入れる少量ずつ追加する
単価・送料安くなりやすい割高になりやすい
資金一度に多くの資金が在庫に固定される固定される資金が少なく、入金と合わせやすい
売れなかったとき売れ残りが大きくなる早めに仕入れを止められる

単価や送料の差と、資金が固定される負担を比べ、売れ行きと入金に合わせて補充するのが、②を起こしにくい仕入れ方です。

原因③:在庫を増やすペースが、資金の回収を上回っている

売れているので仕入れの量も増やしている。しかし、仕入れを増やすペースが、売上からお金が戻ってくるペースより速い状態です。

見分け方

  • 売上も利益も伸びている
  • 毎月の仕入れ額が、前の月の入金額を上回り続けている
  • それなのに、月末の現金の残高は月ごとに減っている

③は、いちばん気づきにくい原因です。在庫を増やすときは、次の仕入れ代金を、いまの売上が入金されるより先に払うため、予定どおり売れていても一時的に現金が減ります。

たとえば、毎月20万円ずつ仕入れて回っていたところから、売れ行きがよいので40万円に増やしたとします。入金されるのは前の20万円分の売上ですが、支払いは40万円です。差の20万円は、どこかから先に用意しなければなりません。在庫を増やすには、追加の運転資金が必要になるということです。

打つ手

すでに回収できた資金を基準に、仕入れの上限を決め、拡大のペースを落とします。売れているからといって、入金される前のお金をあてに仕入れを増やさないことです。

これまでの経験から

コンサルティングで相談を受けると、資金が苦しくなる時期は「売れなくなったとき」より「売れ始めて仕入れを増やしたとき」のほうが多いくらいです。売上が伸びている月こそ、現金の残高を見るようにしてください。

原因が分かったら、次の仕入れ額を決める

原因に手を打ったら、次の入金までに必要な支払いを整理し、現実的に仕入れに使える金額を出します。目安は次の計算です。

次の仕入れに使える金額の目安

現在の現金 + 支払日までに着金する確定入金 − 必要な支払い − 手元に残す資金

ポイントは、まだ売れていない商品の売上を当てにしすぎないことと、入金が遅れたり、販売数が予想を下回ったり、送料・関税が上振れしたりしても払えるかを確かめることです。想定どおりに進む場合だけで計画を組まないようにします。

入金予定と支払いを日付ごとに並べる資金繰り表の作り方と、そのまま使えるシートは、こちらの記事で詳しく解説しています。

資金繰り表の作り方を詳しく解説カード引落日に現金が足りない。物販・せどりの資金繰り表の作り方と、運転資金の計算

それでも不足が続くなら、運転資金を見積もる

原因に手を打っても、通常の販売と入金で不足が続く場合は、事業を回すのに必要な運転資金そのものを見積もります。そのうえで、次のような方法を検討します。

  • 仕入れの規模を抑える
  • 自己資金を追加する
  • 仕入れ先と支払いの条件を調整する
  • 事業向けの融資を利用する

資金を調達する場合も、返済を含めて回せることが前提です。返済の支払いも「必要な支払い」に加えて、次の仕入れ額の計算が成り立つかを確かめます。原因が①の売れない在庫なら、資金を足す前に、在庫と仕入れの数量を見直します。

資金ショートを防ぐために、ふだんから見ておきたい5つの数字は、こちらの記事で詳しく解説しています。

資金ショートを防ぐ数字を詳しく解説利益は出ているのに、支払日にお金が足りない?Amazon輸出で資金ショートを防ぐ5つの数字

まとめ

売れているのに資金が回らないときは、まず原因を見分けてから手を打ちます。

  • 口座のお金をすべて仕入れに使わず、送料・関税・利用料と予備の資金を先に確保する
  • ①売れない在庫:長く売れていない在庫の金額で見分け、追加の仕入れを止めて在庫を整理する
  • ②入金が支払いに間に合わない:支払日の前後の残高で見分け、まとめ仕入れを分割する
  • ③拡大のペースが速い:毎月の仕入れ額と入金額で見分け、回収済みの資金を基準に上限を決める
  • 原因が重なっているときは①から手を打つ
  • 次の仕入れ額は、確定した入金だけをもとに決める
  • それでも不足が続くなら運転資金を見積もり、返済まで含めて回せる方法を選ぶ

よくある質問

売れているのに資金が回らない原因は何ですか?

主に3つです。①売れない在庫に資金がとどまっている、②売れているが入金が支払いに間に合わない、③在庫を増やすペースが資金の回収を上回っている。原因によって打つ手が違うため、まずどれに当たるかを見分けます。

資金不足の原因は、どうやって見分けますか?

在庫の金額のうち長く売れていない在庫の割合、支払日の前後の残高、毎月の仕入れ額と入金額の比較を見ます。売れていない在庫が多ければ①、支払日の前だけ足りなければ②、仕入れ額が入金額を上回り続けていれば③の可能性が高くなります。

Amazonの売上は、売れてからどのくらいで入金されますか?

米Amazonでは、注文の配達日から7日間は売上が留保され(DD+7)、そのあと通常は約2週間ごとの入金サイクルで振り込まれます。配達の日数や入金サイクルの区切りによっては、売れてから入金まで3週間を超えることもある前提で考えます。

売上も利益も増えているのに、現金が減るのはなぜですか?

在庫を増やすときは、次の仕入れ代金を売上の入金より先に払うためです。予定どおり売れていても、拡大する時期には一時的に現金が減り、追加の運転資金が必要になることがあります。

資金が足りないときは、融資を受ければ解決しますか?

原因によります。売れない在庫が多いことが原因なら、資金を追加しても同じ状態が繰り返されやすくなります。まず原因を見分け、通常の販売と入金でも不足が続く場合に、返済まで含めて回せるかを確認したうえで検討します。

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いくら仕入れるか、いつ増やすかは、商品の売れ方と資金の状態しだいです。ワールドシフトは、米Amazon輸出を一から教え、年商1億円に届いた方も出してきたコンサルティングと、FBA納品の物流を長年続けてきました。

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