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米Amazon、ビジネス価格に新「割引バッジ」 1個単位なら星4つ不要

参照価格より5%以上安ければ自動で表示。数量割引の青いバッジは従来どおり星4つが条件

米Amazonは法人・団体の買い手向けの価格に、新しい割引バッジを付ける(画像はイメージ)

米Amazonは2026年10月16日(米国時間)、法人・団体向けの購買サービス「Amazon Business」で、出品者が設定する法人向けの価格(ビジネス価格)に、新しい「Business Discount(ビジネス割引)」バッジを近く表示すると発表した。1個単位のビジネス価格が、Amazonが確認した参照価格(VRP)より5%以上安ければ、バッジが自動で付く。これまでのバッジに必要だった「星4つ以上」の評価は、新しいバッジでは求めない。

発表は、出品者向け管理画面「セラーセントラル」の公式お知らせ「Earn the new Business Discount badge to get always-on visibility」で行われた。バッジは検索結果と商品詳細ページに、取り消し線の価格と割引率とともに表示される。開始時期は「近く(soon)」とされ、具体的な日付は示されていない。

お知らせによると、2026年は、ビジネス価格を設定した商品のB2B(企業間)の売上が、設定していない商品のほぼ2倍のペースで伸びた。何と比べた伸びか、どう測ったかは、お知らせには書かれていない。

ビジネス価格が2%安ければ取り消し線、5%でバッジ

お知らせが示した表示の条件は次のとおり。いずれも、商品に参照価格(VRP)があることが前提になる。

ビジネス価格の割引と表示(公式お知らせより)
条件表示
ビジネス価格が参照価格より2%以上安い検索結果に取り消し線の価格。商品詳細ページには取り消し線の価格と割引(赤字)
1個単位のビジネス価格が参照価格より5%以上安い上に加えて「Business Discount」バッジと割引率(赤字)。星の評価は問わない
数量割引の最初の段が3%以上、かつ星4つ以上これまでどおり「Business Savings Blue Badge(BSBB)」(変更なし)

新しいバッジは、1個単位のビジネス価格については従来のBSBBに置き換わる。参照価格がない商品には、バッジも取り消し線の価格も割引も表示されない。数量割引の「最初の段」は、割引を設定した数量のうち最も少ない段を指す。

Amazonはこのバッジを、条件を満たすB2Bの出品に「常に付くセールのバッジ」と説明している。購入をまとめる先を探す法人の買い手に、目立つようにする狙いだという。

参照価格は「定価」か「直近90日の中央値」

Amazonの出品者向け解説(2025年10月28日)によると、Amazon.comに表示される参照価格(Validated Reference Prices)の主な種類は2つある。メーカーや出品者が示す希望小売価格の「List Price」と、Amazonで直近90日に買い手が支払った価格の中央値から自動で計算する「Typical Price」だ。Typical Priceの計算には、期間限定のセールの価格を含めない。

Amazonは、List Priceを自社ストアでの販売と外部の競合の価格に照らして確かめているとしている。どちらの参照価格も、買い手には取り消し線の価格として表示される。

Amazon Businessは年換算600億ドル

Amazonが7月21日に発表したところでは、Amazon Businessの総取扱高(gross sales)は2026年4〜6月期に年換算で600億ドル(約9兆6,000億円、1ドル=160円で換算)に達した。世界で1,100万を超える組織が利用し、2026年上半期には180万を超える組織が新たに加わった。総取扱高は買い手が支払った額の合計で、Amazonの売上高とは異なる。

2015年に米国で始まり、いまは11か国で組織に販売している。買い手には数十万の小規模事業者と、米フォーチュン100社のうち97社が含まれる。出品者向けの解説は、買い手を「小さな店から大企業、学校、官公庁まで」と説明している。法人向けの割引で組織が節約した額は、2025年に世界で10億ドル(約1,600億円)を超えたという。

Amazon Businessの主な数字(Amazonの発表・解説より)
項目数字
総取扱高(2026年4〜6月期・年換算)600億ドル(約9兆6,000億円)
利用する組織1,100万超(2026年上半期の新規は180万超)
展開国11か国(2015年に米国で開始)
法人向け割引で組織が節約した額(2025年)10億ドル超(約1,600億円)

日本の出品者は:大口出品が対象、設定画面で確認を

Amazonの出品者向け解説は「大口出品(Professional)のすべての出品者がAmazon Businessで出品・販売できる」としている。ビジネス価格は、Amazon Businessの買い手だけに見える1個あたりの価格で、一般の買い手向けの価格より低く設定する。お知らせは、ビジネス価格を在庫管理の画面(Manage All Inventory)から設定するよう案内している。

お知らせと解説には、出品者の所在国による条件は書かれていない。ただし、編集部は日本の事業者のアカウントで実際の画面を確認していない。日本から米国Amazonに出品している事業者は、セラーセントラルで米国のマーケットプレイスを選び、在庫管理の画面でビジネス価格を設定できるかを確かめる必要がある。

解説

参照価格があれば、レビューが少なくても法人の買い手に安さを示せる

これまで1個単位のビジネス価格で青いバッジを得るには、商品の評価が星4つ以上必要だった。新しいバッジは評価を問わない。星が4つに届いていない商品でも、販売の履歴があって参照価格が出ていれば、価格の条件だけでバッジが付く。米国での評価がまだ育っていない出品者にとって、法人の買い手に安さを示す入り口が広がったことになる。

買い手は大企業から学校、小さな店まで幅広い。事務用品や文房具、キッチン用品、工具のように、同じものを繰り返し買う商品では、法人の買い手の目に留まる意味は大きい。始めるなら、順番はおおむね次のようになる。

  1. 利益に余裕のある商品の中から、事務用品・文房具・キッチン用品など、法人が繰り返し買いそうなものを選ぶ
  2. その商品に参照価格(List PriceかTypical Price)があるかを、商品詳細ページの取り消し線の価格などで確かめる
  3. 参照価格の95%以下(例:参照価格が20ドルなら19ドル以下)のビジネス価格で、販売手数料・FBA手数料・送料・関税を引いて利益が残るかを計算する
  4. 残るなら、在庫管理の画面からビジネス価格を設定する(一般の買い手向けの価格より低くする)
  5. バッジの表示が始まったら、法人からの注文数と利益を見て、続けるか、ビジネス価格を外すかを決める

ビジネス価格は法人の買い手だけに表示される価格で、一般の買い手向けの価格はそのまま残る。値下げが効くのは法人からの注文の分だけだ。一方で、Typical Priceは直近90日に買い手が支払った価格から計算されるため、販売の履歴が少ない商品には参照価格がまだないこともある。同じ商品を複数の出品者が売っている場合、ビジネス価格の下げ合いになれば利益は薄くなる。バッジが付いても売れることが約束されるわけではない。下げ幅はバッジに届く範囲にとどめ、下げた後の価格で利益が残るかを先に確かめてから設定するのが、無理のない始め方になる。

(ワールドシフト編集部)

キーワード解説
  • Amazon Business:法人・団体の買い手向けのAmazonの購買サービス。2015年に米国で始まり、11か国で展開している。
  • ビジネス価格(business price):Amazon Businessの買い手だけに表示される1個あたりの価格。一般の買い手向けの価格より低く設定する。
  • 参照価格(VRP:Validated Reference Price):割引の大きさを示す基準としてAmazonが確認した価格。主な種類は、希望小売価格のList Priceと、直近90日に買い手が支払った価格の中央値のTypical Price。
  • Business Discountバッジ:1個単位のビジネス価格が参照価格より5%以上安いと自動で付く新しいバッジ。星の評価は問わない。
  • BSBB(Business Savings Blue Badge):従来の青いバッジ。数量割引では、最初の段が3%以上かつ星4つ以上の条件で引き続き付く。
  • 数量割引(quantity discount):Amazon Businessの買い手がまとめて買うときに、数量の段ごとに設定する割引。
Q&A:よくある質問
Amazon Businessの「Business Discount」バッジとは何ですか?
米国Amazonが2026年10月16日(米国時間)のセラーセントラルのお知らせで発表した、法人向けの価格に付く新しいバッジです。1個単位のビジネス価格が参照価格(VRP)より5%以上安いと自動で付き、検索結果と商品詳細ページに取り消し線の価格と割引率とともに表示されます。開始時期は「近く」とされ、日付は示されていません。
Amazon BusinessのBusiness Discountバッジは、いつから表示されますか?
2026年10月16日(米国時間)のセラーセントラルのお知らせでは、開始時期は「近く(soon)」とされ、具体的な日付は示されていません。表示の条件は、1個単位のビジネス価格が参照価格(VRP)より5%以上安いことです。
Amazon BusinessのBusiness Discountバッジに、星の評価は必要ですか?
必要ありません。お知らせは、新しいバッジには星4つ以上の評価が要らないとしています。従来の青いバッジ(BSBB)は、数量割引で最初の段が3%以上かつ星4つ以上の場合に、これまでどおり付きます。
Amazon Businessのビジネス価格で、取り消し線の価格が表示される条件は何ですか?
取り消し線の価格は参照価格より2%以上、バッジは5%以上安い場合に表示されます。2%以上安いと、検索結果に取り消し線の価格が、商品詳細ページに取り消し線の価格と赤字の割引が出ます。いずれも、商品に参照価格がない場合は表示されません。
Amazonの参照価格(VRP)とは何ですか?
割引の基準としてAmazonが確認した価格です。Amazonの出品者向け解説によると、主な種類は、メーカーや出品者が示す希望小売価格の「List Price」と、Amazonで直近90日に買い手が支払った価格の中央値(期間限定のセール価格を除く)の「Typical Price」の2つです。
日本からAmazon.comに出品していても、ビジネス価格は設定できますか?
Amazonの出品者向け解説は、大口出品(Professional)のすべての出品者がAmazon Businessで出品・販売できるとしており、お知らせにも所在国による条件は書かれていません。ただし当社は日本の事業者のアカウントで実際の画面を確かめていないため、セラーセントラルで米国のマーケットプレイスを選び、在庫管理の画面で設定できるかをご確認ください。
Amazon Businessの市場はどのくらいの大きさですか?
Amazonの2026年7月21日の発表では、Amazon Businessの総取扱高は2026年4〜6月期に年換算で600億ドル(約9兆6,000億円・1ドル≒160円で当社換算)に達し、世界で1,100万を超える組織が利用しています。総取扱高は買い手が支払った額の合計で、Amazonの売上高とは異なります。
出典本記事は、Amazon セラーセントラルの公式お知らせ「Earn the new Business Discount badge to get always-on visibility」(ログインせずに閲覧できるページ。投稿日はページに埋め込まれた投稿時刻 2026-10-16 20:16 UTC による)、Amazonのプレスリリース(2026年7月21日)、Amazonの出品者向け解説2本を2026年10月29日に確認し、事実を整理したものです。日本語は当社の訳です。バッジ・取り消し線・BSBBの条件と、B2B売上の伸び(ほぼ2倍のペース)はお知らせの記載、Amazon Businessの総取扱高・組織数・展開国・節約額はプレスリリースの記載、出品できる出品者・ビジネス価格の定義・買い手の説明・参照価格の種類と計算は出品者向け解説の記載によります。B2B売上の伸びはAmazonの発表で、測り方はお知らせに書かれていません。円の金額は1ドル≒160円で当社が換算した目安です。日本の事業者のアカウントで実際の画面を確かめたものではありません。「解説」は当社(WorldShift)の意見で、バッジの表示や、特定の商品の売れ行き・売上・利益を保証するものではありません。お知らせと解説の内容は改訂されることがあります。最新・正確な条件は、必ずセラーセントラルでご確認ください。

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