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FDA規制米国FDA日焼け止めOTC医薬品

米FDA、日焼け止め成分PABAなど2つの削除を確定

使えるUVフィルターは17成分から15成分に。発効は2027年9月11日、該当品は把握されず

米国では日焼け止めは化粧品ではなくOTC医薬品として扱われる(画像はイメージ)

米食品医薬品局(FDA)は2026年9月11日、日焼け止めに使える有効成分から、アミノ安息香酸(PABA)とトロラミンサリチル酸の2つを削除する最終命令を出した。削除は2027年9月11日に発効する。日焼け止めの条件を定めたOTCモノグラフM020に載る有効成分(UVフィルター)は、17成分から15成分になる。命令の番号はOTC000008-1で、同日に連邦官報へ入手可能告示が載った(91 FR 57892)。アミノ安息香酸は、以下では略称のPABAと書く。

米国では、日焼け止めは化粧品ではなくOTC医薬品(市販薬)として扱われる。有効成分に使えるUVフィルターは、M020の一覧にあるものに限られる。UVフィルターには、紫外線吸収剤と、酸化チタン・酸化亜鉛のような紫外線散乱剤の両方が含まれる。この一覧は、2020年にM020ができてから変わらなかった。2026年は、6月に成分が加わり、今回は削除で動いた。

FDAは日焼け止めのQ&Aで、PABAかトロラミンサリチル酸を含む日焼け止め医薬品が、いま米国で売られているとは承知していないとしている。2成分はM020の一覧に長く載り続けていた。上限濃度はPABAが15%、トロラミンサリチル酸が12%だ。

リスクが便益を上回ると判断

連邦官報は、「PABAまたはトロラミンサリチル酸を含む日焼け止め医薬品は、GRASE(一般に安全かつ有効と認められる)ではない」とした。理由として、「これらの有効成分を日焼け止めに使うことに伴うリスクが、その便益を上回ることを、入手可能な安全性データの検討が示している」と述べた。鍵括弧の中は編集部の訳だ。

FDAは2021年の提案命令OTC000008の段階で、2成分について次の懸念を挙げていた。今回の最終命令は、その判断を変えずに確定させた。

  • トロラミンサリチル酸:サリチル酸の抗凝固作用(血を固まりにくくする働き)による、出血などの重い健康影響のおそれ。サリチル酸中毒のリスクもある
  • PABA:アレルギー性・光アレルギー性の皮膚反応が起きる割合の高さ。構造の似た化合物との交差感作もある

今回の命令は提案でも意見募集でもなく、最終命令だ。ただ、命令が出たことと、命令が効いていることは別だ。効力が生じるのは1年後になる。

発効後は「新薬」扱い、NDAが必要に

最終命令の本文は、第VI節「Effective Date」で「この最終命令は(a) 2027年9月11日に効力を生じる」と明記している。発出のちょうど1年後だ。

この日付は、法律の制約に沿ったものだ。FDAのQ&Aは、「CARES法は、これらの日焼け止め最終命令の発効日を、最終命令の発出から1年より前にすることはできないと定めている」と説明している。それまでは、今のM020の条件(17成分)がそのまま適用される。

発効後の扱いについて、命令本文は「PABAまたはトロラミンサリチル酸をUVフィルターとして含む医薬品は、FD&C法201(p)にいう『新薬』となり、505条にもとづく承認申請(NDA)の要件の対象となる」としている。

この「1年ルール」がかかるのは、2021年の提案命令OTC000008を最終化していく経路だ。M020の改定がすべて1年待ちになるわけではない。6月に加わったベモトリジノールは、成分メーカーからの申請(OMOR)という別の経路で処理された。こちらの最終命令OTC000039は、6月10日の発出から60日後の8月9日に発効した。

M020をめぐる経緯(FDA文書・連邦官報より)
日付出来事
1999年日焼け止めの最終規則が出るが、施行されないまま凍結
2020年3月27日CARES法が成立。日焼け止めの条件が「みなし最終命令」としてM020になる
2021年9月24日FDAが提案命令OTC000008を発出(成分・SPF上限・剤形・表示などを一括で提案)
2021年11月22日意見募集期間をさらに45日延長
2026年6月10日最終命令OTC000039でベモトリジノールを追加(上限6%)
2026年8月9日同命令が発効。M020の成分が17になる
2026年9月11日最終命令OTC000008-1を発出(PABA・トロラミンサリチル酸の削除)。同日、連邦官報に入手可能告示(91 FR 57892)
2027年9月11日削除の発効(命令本文 第VI節)

M020は日焼け止めの条件集で、2020年のCARES法により法律の力で最終命令とみなされた。当初はFinal Administrative Order OTC000006として示された。1999年の規則がそのまま施行されたものではない。発出日は命令本文の表紙(Issued September 11, 2026)によった。FDAのQ&Aページは、同じ命令を2026年9月10日の発出と書いている。

使えるUVフィルター17成分と上限濃度

今のM020(§M020.10)に載るUVフィルターは、次の17成分だ。ここに無い成分を有効成分にした日焼け止めは、原則としてSPFを表示して米国で売ることができない。別の道として、NDA(新薬承認申請)がある。表の(a)と(p)の2行は2027年9月11日の発効後に消え、残る15成分がその後のM020になる。

OTCモノグラフM020 §M020.10 のUVフィルター 全17成分と上限濃度(2026年9月時点)
M020成分名(原文)日本での表記例(参考)上限濃度今回の措置
(a)Aminobenzoic acid (PABA)アミノ安息香酸(PABA)15%削除が確定
(b)Avobenzoneアボベンゾン3%変更なし
(c)Bemotrizinolベモトリジノール6%2026/8/9発効で追加
(d)Cinoxateシノキサート3%変更なし
(e)Dioxybenzoneジオキシベンゾン3%変更なし
(f)Ensulizoleエンスリゾール4%変更なし
(g)Homosalateホモサレート15%変更なし
(h)Meradimateメラジメート5%変更なし
(i)Octinoxateメトキシケイヒ酸エチルヘキシル7.5%変更なし
(j)Octisalateサリチル酸エチルヘキシル5%変更なし
(k)Octocryleneオクトクリレン10%変更なし
(l)Oxybenzoneオキシベンゾン6%変更なし
(m)Padimate OパジメートO8%変更なし
(n)Sulisobenzoneスリソベンゾン10%変更なし
(o)Titanium dioxide酸化チタン25%変更なし
(p)Trolamine salicylateトロラミンサリチル酸12%削除が確定
(q)Zinc oxide酸化亜鉛25%変更なし

出典は、FDAが2026年6月10日に発出した最終命令OTC000039に収録されたM020の本文(§M020.10)。「日本での表記例」の列は、照合を助けるための編集部の参考訳だ。FDAの原文にある表記ではない。このうちベモトリジノール・アボベンゾン・メラジメート・エンスリゾール・パジメートO・スリソベンゾン・ジオキシベンゾンは、英語名をカタカナに写したものだ。日本の全成分表示には、この字面では載らない。例えば、ベモトリジノールは「ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン」と書かれる。照合には、INCI名と原文の成分名を使う必要がある。

ベモトリジノールは18か月の独占

表の(c)のベモトリジノール(bemotrizinol)は、2026年に加わった成分だ。FDAが2026年6月10日の最終命令OTC000039で上限6%として加え、2026年8月9日に発効した。日本・EUで広く使われてきたタイプのUVフィルターになる。命令の本文には、2つの但し書きがある。

1つ目は独占期間だ。この追加は、成分メーカーのDSM Nutritional Products LLCが2024年9月23日に提出した申請にもとづく。申請はOMORと呼ばれ、モノグラフの内容の変更を事業者がFDAに求めるものだ。Tier 1はその区分の一つだ。

最終命令は、法律によりこの変更を取り込んだ医薬品を販売する権限を、DSM社とその実施許諾先・譲受人・承継人に限って与える効果を持つとし、この独占は18か月続くとしている。条文は、この18か月を発効日(2026年8月9日)の後で、DSM社が本命令にもとづき適法に販売できるようになった日から数えるとしている。発効日そのものが起算日とは限らない。

2つ目は剤形だ。ベモトリジノールを使う場合だけ、パウダーが認められていない。スプレーにも条件が付く。

独占の条文は、最終命令OTC000039のセクションV(Exclusivity)とVI(Effective Date)にある。

剤形にも条件、シート型は対象外

M020は剤形も条件にしている。剤形とは、どんな形状で売るかのことだ。成分が合っていても、剤形が外れると売れない。

最終命令OTC000039によると、ベモトリジノール以外の16成分で今認められている剤形は、オイル、ローション、クリーム、ジェル、バター、ペースト、軟膏、スティック、スプレー、パウダーの10種類だ。

ベモトリジノールを使う場合は、認められる剤形が9つに狭まる。パウダーが入っていない。スプレーは、噴射剤を使わないか、噴射剤が容器内で処方と完全に隔離され、処方と接触しない方式に限られる。

FDAの提案命令OTC000008は、「上記の剤形以外の日焼け止めは、現在、販売するために505条の承認された申請(NDA)が必要である」とした。例として、ワイプ、シート、ボディウォッシュ、シャンプーを挙げている。この要件を変えることは提案していない。

日本でよく売られている「日焼け止めシート」や「ふき取りタイプ」は、モノグラフでは売れない剤形に当たる。成分が17成分に入っていても同じだ。

M020における日焼け止めの剤形条件(ベモトリジノールとそれ以外の16成分)
剤形16成分(ベモトリジノール以外)ベモトリジノール
オイル/ローション/クリーム/ジェル可可
バター/ペースト/軟膏/スティック可可
スプレー可可(噴射剤なし、または噴射剤が処方と接触しない方式に限る)
パウダー可認められる剤形の列挙に無い
ワイプ/シート/ボディウォッシュ/シャンプー等モノグラフの対象外。販売にはNDA(またはANDA)が必要

16成分側の10剤形は、最終命令OTC000039が脚注6で述べているものだ。脚注はFD&C法505G(m)(2)と最終命令OTC000006を引いている。ベモトリジノール側の9剤形は、同命令に収録された§M020.40(b)の列挙による。ワイプ等にNDAが必要であることと、その例は、提案命令OTC000008の記載による。ある商品の剤形が実際にどれに当たるかを判断するのはFDAだ。

スプレーのうちエアゾール缶のものは、輸送でも別の扱いになる。可燃性ガスを使う製品は危険物に当たる。航空便で送れるか、梱包、書類が、通常の貨物とは変わる。

輸出には製造元の登録が要る

米国の法律21 U.S.C. §352(o)は、登録されていない施設で製造された医薬品を「misbranded(表示違反)」としている。医薬品リスティングに載っていない医薬品も同じだ。表示違反は差し止めの対象になり得る。

製造施設を登録するのは製造元だ(§360(i))。日本で売られている商品を仕入れて送る側が自分の書類を整えても、この点は解決できない。仕入れる側にも、別途商業輸入者としての登録義務がある(§381(s))。

M020に合わせて輸出する場合の主な手続きは次のとおりだ。

  • 成分と剤形の確認。有効成分がすべて17成分の表に載り、上限濃度に収まっているかを確かめる。剤形がモノグラフの範囲にあるかも確かめる。
  • 施設登録と製品リスティング。FDAの電子システムeDRLS(Electronic Drug Registration and Listing System)に、SPL形式で電子提出する。OTC医薬品の枠組みの手続きで、食品の施設登録や化粧品のMoCRA登録とは別の仕組みだ。
  • 施設使用料(OMUFA)。登録した施設には毎年の使用料がかかる。FY2027は2026年10月1日〜2027年9月30日で、額はMDF 47,891ドル(約766万円)、CMO 31,927ドル(約511万円)だ。円は1ドル≒160円で換算した。MDFは、OTCモノグラフ医薬品の最終剤形を製造・加工する事業者を指す。米国内外を問わず、日本の製造工場も対象になる。工場の所有者もその関係会社も米国の卸・小売・消費者に直接販売していない場合は、CMO扱いで、額は3分の2の31,927ドルになる。
  • SPF試験・ブロードスペクトラム試験。§M020.80(SPF試験)と§M020.90(ブロードスペクトラム試験)の方法で試験する。表示するSPF値と「Broad Spectrum」表示の裏付けを取るためだ。
  • Drug Facts様式の英語ラベル。有効成分・効能・用法・注意を、医薬品の様式で英語で表示する。SPFや耐水性の表示は、試験の結果と一致している必要がある。
  • 通関の書類。インボイスの品名、HTSコードの分類、原産地の整理が要る。

SPFを一切表示せず、保湿化粧品として売る道もある。この場合、米国ではOTC医薬品ではなく化粧品として扱われる。ただし、米国で紫外線を防ぐ効能を表示したり訴えたりはできない。

OMUFAの手数料額は、連邦官報 2026-15344(FY2027のOTCモノグラフ医薬品ユーザーフィー)による。円換算は1ドル=160円での概算だ。実際の負担は為替と個別の事情で変わる。

SPF上限などは提案のまま

今回の最終命令が確定させたのは、2021年の提案命令OTC000008のうち、PABAとトロラミンサリチル酸の部分だけだ。連邦官報は「FDAは提案命令OTC000008のその他の側面を、今後の命令で扱う」としている。FDAのQ&Aも、「CARES法は提案命令を最終化する期限を定めていない」と説明している。

提案命令OTC000008には、成分以外の項目も含まれていた。SPF表示の上限、ブロードスペクトラム要件、剤形、表示、最終処方の試験と記録保持などだ。これらはいずれも提案のままで、期限も示されていない。今のM020には、表示できるSPF値の上限は設けられていない。

提案(proposed order)は、そのままの内容で最終化されるとは限らない。今回のように、一部だけが先に確定することもある。

解説

削除より、いま使える一覧と剤形を確かめる

今回の削除が、日本から米国へ日焼け止めを出す事業者に与える直接の影響は小さい。FDA自身が、2成分を含む日焼け止めの米国での販売を把握していないとしている。発効も2027年9月11日と1年先だ。

意味が大きいのは、2020年から変わらなかったM020の一覧が、2026年に動いたことだ。足す方向と引く方向の両方があった。合わせるべきは提案の中身ではなく、今のM020だ。17成分の一覧、剤形、Drug Facts表示の3つになる。

最初の確認は、費用も申請も要らない。手元の商品のUVフィルターを、17成分の表と1行ずつ突き合わせる。名前が一致したら、配合率も上限濃度と比べる。

つまずきやすいのは名前だ。米国側は「Octinoxate」のような慣用名で書く。日本の全成分表示は「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」のような化学名で書く。このため、名前が一対一で並ばない。日本でよく使われる一部のUVフィルターは、米国の一覧に相当するものが無い。これは名前の問題ではなく、本当に使えない。

全成分表示をINCI名に直した対照表を一度作れば、以後の商品やMoCRAの表示にも使い回せる。迷ったら、原料メーカーにINCI名と配合率を尋ねるのが早い。剤形も同時に見たい。当社に届く輸出の相談にも、成分は条件に収まっていたのに剤形で止まったものがある(件数は集計していない)。

そのうえで、道は2つに分かれる。自社ブランドで製造元を動かせるのか、仕入れて送るのかだ。仕入れて送る立場なら、次の3つから選ぶことになる。製造元が米国向けの登録をしているかを最初に確かめる。SPFをうたわない売り方にする。別の商材にする。

製造元を動かせる場合も、OMUFAの固定費とSPF試験の費用を織り込んでから進めたい。M020は2026年に2回動いた。新しい商品を仕入れるときと、年に一度の棚卸しのときに一覧を開き直すと、変更を取りこぼしにくい。ある処方がGRASEに当たるかを最終的に判断するのはFDAだ。

(ワールドシフト編集部)

キーワード解説
  • OTCモノグラフ:米国の市販薬について、使える成分・剤形・表示・試験方法を定めた条件集。日焼け止めはM020。
  • M020:日焼け止めのOTCモノグラフ。2020年のCARES法により、法律の力で最終命令とみなされた。
  • GRASE:Generally Recognized As Safe and Effective の略。一般に安全かつ有効と認められること。モノグラフの条件をすべて満たした製品だけが、NDAなしで売れる。
  • UVフィルター:日焼け止めの有効成分。FDAの原文では sunscreen active ingredients。§M020.10に17成分が並ぶ。日本でいう紫外線吸収剤(化学系)と紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)の両方を含む。
  • OMUFA:OTCモノグラフ医薬品のユーザーフィー制度。登録した製造施設に、毎年の使用料がかかる。
  • NDA:新薬承認申請。モノグラフの条件に収まらない日焼け止めを売るための別の道。
Q&A:よくある質問
PABAとトロラミンサリチル酸の削除はいつから効きますか?
2027年9月11日です。最終命令OTC000008-1の本文は、第VI節『Effective Date』で、この日に効力を生じると明記しています。発出(2026年9月11日)のちょうど1年後です。発効後、この2成分をUVフィルターとして含む医薬品は『新薬』扱いになり、NDA(新薬承認申請)の要件の対象になります。
いま米国で売っている日焼け止めを、すぐに止める必要はありますか?
今回の削除に限れば、その必要はほぼありません。FDAは日焼け止めのQ&Aで、PABAかトロラミンサリチル酸を含む日焼け止め医薬品が、いま米国で売られているとは承知していないとしています。発効までは、今のM020(17成分)の条件がそのまま適用されます。まず、成分表にこの2成分が入っていないことを確かめてください。
ベモトリジノールは6月に出て8月に発効しました。1年ルールと矛盾しませんか?
矛盾しません。1年ルールがかかるのは、2021年の提案命令OTC000008を最終化していく経路です。ベモトリジノールの追加は、成分メーカーからの申請(OMOR)という別の経路で処理されました。その最終命令OTC000039は、2026年6月10日の発出から60日後の8月9日に発効しました。
ベモトリジノールが追加されたので、日本の処方を米国へ出せますか?
成分が使えるようになったのは事実ですが、条件が2つあります。第一は独占です。最終命令は、この変更を取り込んだ医薬品を販売する権限を、DSM Nutritional Products LLCとその実施許諾先・譲受人・承継人に限って与える効果を持つとされ、その独占は18か月続きます。18か月は、発効日(2026年8月9日)の後でDSM社が適法に販売できるようになった日から数えるとされ、発効日そのものが起算日とは限りません。第二は剤形です。ベモトリジノールを使う場合は認められる剤形が9つに狭まり、パウダーは列挙にありません。スプレーにも噴射剤の条件が付きます。
日焼け止めシートやふき取りタイプは米国で売れますか?
モノグラフの範囲では売れません。FDAの提案命令OTC000008は、ワイプ、シート、ボディウォッシュ、シャンプーなどの剤形の日焼け止めについて、販売には505条の承認された申請(NDA)が必要としています。この要件を変えることは提案していません。成分が17成分に入っていても同じです。
日本の日焼け止めを仕入れて米国へ送るだけでも、FDA登録は要りますか?
施設を登録するのは製造元です。米国の法律(21 U.S.C. §352(o))は、登録されていない施設で製造された医薬品や、医薬品リスティングに載っていない医薬品をmisbranded(表示違反)としています。差し止めの対象になり得ます。仕入れる側が自分の書類を整えても解決できないため、まず製造元が米国向けの登録をしているかを確かめてください。仕入れる側にも、別途、商業輸入者としての登録義務があります(§381(s))。
OTC医薬品として登録すると、どのくらい費用がかかりますか?
毎年の施設使用料(OMUFA)がかかります。FY2027(2026年10月1日〜2027年9月30日)は、MDFが47,891ドル(1ドル≒160円で約766万円)、CMOが31,927ドル(同 約511万円)です。日本の製造工場も対象です。このほか、SPF試験・ブロードスペクトラム試験の費用が別にかかります。
SPF50+の日本製は、米国でもSPF50+と表示できますか?
現行のM020には、表示できるSPF値の上限が設けられていません。ただし、表示するSPF値は§M020.80の方法で裏付ける必要があります。SPF表示の上限を設けることは2021年の提案命令に含まれていますが、その部分は今のところ決まっていません。
出典本記事が鍵括弧で示したFDA文書・連邦官報の記載は、当社が原文から訳したものです。原文は英語で、文言の解釈が問題になる場面では必ず原文をご参照ください。成分一覧と上限濃度、剤形の条件、ベモトリジノールの独占は、FDAが2026年6月10日に発出した最終命令OTC000039に収録されたM020の本文と同命令の記載によります。「日本での表記例」の列は照合を助けるための当社の参考訳で、FDAの原文にある表記ではありません。削除の発効日(2027年9月11日)は、最終命令OTC000008-1の本文 第VI節によります。発出日について本記事は本文表紙の『Issued September 11, 2026』を採りましたが、FDAの日焼け止めQ&Aページは同じ命令を『2026年9月10日にFDAが発出した』と記載しており、FDA内で記載が割れています。本文が定める発効日が発出のちょうど1年後であることから本文側を採りました。OMUFAの手数料はFY2027(2026年10月1日〜2027年9月30日)の額で、連邦官報 2026-15344 によります。円換算は1ドル=160円での当社概算です。提案命令OTC000008に含まれるSPF上限・ブロードスペクトラム要件・剤形・表示等の各提案は、本記事の執筆時点でいずれも決まっておらず、期限も示されていません。本記事は一般的な情報提供であり、個別の製品がM020の条件を満たすか、米国で販売できるかについての法的助言ではありません。「解説」は当社(WorldShift)の意見で、個別の製品がGRASEに当たることや、FDAの判断・通関の結果を保証するものではありません。個別の可否は、原本とFDA、必要に応じて米国の専門家にご確認ください。

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