
米国で日本の日焼け止めが熱望される──だがFDAでは『OTC医薬品』。新UVフィルター『ベモトリジノール』が約25年ぶりに承認(2026/6/9発出・8/9発効)
SNSで「個人輸入してでも欲しい」と言われる日本コスメの筆頭が日焼け止めだ。ビオレUV・アネッサ・スキンアクアの軽い使い心地は米国製にない武器。だが米国では日焼け止めは化粧品ではなくOTC医薬品扱いで、FDAは1999年以来、新しいUVフィルターを1つも認めていない——だから日本の処方はそのまま売れない。その壁が動いた——FDAは2026年6月9日にベモトリジノールを承認(8/9発効)。需要の今と輸出の勘所をまとめた。
なぜ日本の日焼け止めが熱望される?
理由は使用感の差です。米国で主流の有機フィルター(アボベンゾン等)は白浮き・ベタつき・きしみが出やすい一方、日本のビオレUV アクアリッチやアネッサ(資生堂)、スキンアクア(ロート)はみずみずしく高SPFでも軽い。この「毎日塗りたくなる」質感が、スキンケア感度の高い米国のZ世代〜ミレニアル女性に刺さっています。
背景にはK-beauty/J-beautyブームと、皮膚科医がSNSで毎日の日焼け止め習慣(紫外線ダメージ対策)を勧める発信を広げる流れ。結果、Amazonの並行輸入品やYesStyle等の越境ECで日本製が高評価を集めています。(1ドル≒160円換算)
米国の越境EC・SNSでの言及量のイメージ。順位は時期で変動します。
最大の壁:FDAでは『OTC医薬品』
米国では日焼け止めは化粧品ではなく市販薬(OTCドラッグ)。使える紫外線吸収剤はOTCモノグラフに載った成分に限られ、FDAは1999年以来、新しいUVフィルターを1つも追加していません。このため日本・EUで一般的な先進フィルター(Tinosorb S/M、Uvinul A Plusなど)を使った日本の日焼け止めは、米国で『日焼け止め』として合法的に売れないことが多いのです。
その転機が現実になりました。FDAは2025年12月に提案し、2026年6月9日に最終命令(OTC000039)を発出してベモトリジノール(bemotrizinol)を承認。2026年8月9日に発効します(最大6%・生後6カ月〜)。約25年ぶりの新規UVフィルターで、日本処方の追い風になり得ます(ただし承認は1成分)。
米国に日焼け止めを輸出するには:手続きの全体像
『化粧品』ではなくOTC医薬品としての対応が要点です。
- 成分の確認:紫外線吸収剤がOTCモノグラフ収載か。未収載フィルターのみの処方は、日焼け止め表示での販売不可
- OTC施設登録+製品リスティング:製造施設をFDA登録し、製品をリスト(毎年更新)
- Drug Factsラベル:有効成分・SPF・用法を医薬品様式で英語表示。SPF/耐水性は規定の試験で裏付け
- HTS分類・通関:3304系で申告(デミニミス終了で少額も正規通関)
- “化粧品として”の道:UV訴求を一切せず保湿化粧品として売る選択肢もあるが、日焼け止め効果は謳えない
OTC医薬品の登録・ラベル設計はFDA代行、通関〜発送はSLC(発送代行)で対応できます。
日本の日焼け止めを米国で売るとき、最初に見るべきは『パッケージの裏の成分表』です。米国は日焼け止めをOTC医薬品として扱い、使える紫外線吸収剤がモノグラフで決められているため、Tinosorb S/MやUvinul A Plusなど“日本では当たり前”の先進フィルターしか入っていない処方は、SPFを謳って売れません。逆に、酸化亜鉛・酸化チタン(ミネラル)や米国収載の有機フィルターで作られた日本製なら道があります。どうしても先進フィルター処方を売りたい場合は、UV効果を一切表示しない『保湿化粧品』として出すか、2026年8月9日に発効するベモトリジノール承認を活用するのが現実的。輸出前に必ず成分を米国モノグラフと突き合わせましょう。
よくある質問
- OTCモノグラフ:市販薬の成分・表示基準。
- UVフィルター:紫外線吸収/散乱剤。
- Drug Facts:OTC医薬品の必須表示様式。
ポイントはシンプルです。①日焼け止めは米国では“薬”②使える成分が決まっている③だから成分確認とOTC登録・Drug Factsラベルさえ整えれば売れます。煩雑な施設登録・製品リスティング・ラベル設計は当社のFDA代行が、通関・発送はSLCが代行。日本の高品質な日焼け止めを、差し止めや遅れのリスクを抑えて米国に届けられます。

