市場トレンド

米国で日本の日焼け止めが熱望される──だがFDAでは『OTC医薬品』、2025年末に新UVフィルター解禁の動き

2026年6月15日 | 当社(WorldShift)の視点+米国市場・FDA公開情報より(市場トレンド)

SNSで「個人輸入してでも欲しい」と言われる日本コスメの筆頭が日焼け止めだ。ビオレUV・アネッサ・スキンアクアの軽い使い心地は米国製にない武器。だが米国では日焼け止めは化粧品ではなくOTC医薬品扱いで、FDAは1999年以来、新しいUVフィルターを1つも認めていない——だから日本の処方はそのまま売れない。その壁が2025年12月に動いた。需要の今と輸出の勘所をまとめた。

TOPIC
約26億ドル
米国の日焼け止め市場(概算・約4,160億円)
↑成長
TOPIC
1999年以来ゼロ
新UVフィルターの承認
TOPIC
2025/12 新提案
ベモトリジノール解禁の動き
変化
TOPIC
OTC医薬品扱い
日焼け止め=化粧品ではない
注意

なぜ日本の日焼け止めが熱望される?

理由は使用感の差です。米国で主流の有機フィルター(アボベンゾン等)は白浮き・ベタつき・きしみが出やすい一方、日本のビオレUV アクアリッチアネッサ(資生堂)スキンアクア(ロート)みずみずしく高SPFでも軽い。この「毎日塗りたくなる」質感が、スキンケア感度の高い米国のZ世代〜ミレニアル女性に刺さっています。

背景にはK-beauty/J-beautyブームと、皮膚科医がSNSで「日焼け止めは老化対策の最重要アイテム」と発信する流れ。結果、Amazonの並行輸入品やYesStyle等の越境ECで日本製が高評価を集めています。(1ドル≒160円換算)

ビオレUV アクアリッチ軽さで支持
定番No.1
アネッサ(資生堂)高単価帯
高SPFの代表
スキンアクア(ロート)若年層
コスパ
Allie/その他
ファン層

米国の越境EC・SNSでの言及量のイメージ。順位は時期で変動します。

最大の壁:FDAでは『OTC医薬品』

米国では日焼け止めは化粧品ではなく市販薬(OTCドラッグ)。使える紫外線吸収剤はOTCモノグラフに載った成分に限られ、FDAは1999年以来、新しいUVフィルターを1つも追加していません。このため日本・EUで一般的な先進フィルター(Tinosorb S/M、Uvinul A Plusなど)を使った日本の日焼け止めは、米国で『日焼け止め』として合法的に売れないことが多いのです。

転機は2025年12月11日。FDAが新フィルターベモトリジノール(bemotrizinol)をOTCモノグラフに加える提案命令を発表——数十年ぶりの新規UVフィルターで、製品は早ければ2026年後半に米国市場へ。日本処方の追い風になり得ます。

1999年
ensulizoleを最後に新フィルター承認が停止
〜2024年
日本製は『医薬品』の壁で正規販売しづらい
2025年12月
ベモトリジノールの追加を提案(数十年ぶり)
2026年後半〜
最終命令次第で対応製品が米国市場へ(見込み)

米国に日焼け止めを輸出するには:手続きの全体像

『化粧品』ではなくOTC医薬品としての対応が要点です。

  1. 成分の確認:紫外線吸収剤がOTCモノグラフ収載か。未収載フィルターのみの処方は、日焼け止め表示での販売不可
  2. OTC施設登録+製品リスティング:製造施設をFDA登録し、製品をリスト(毎年更新)
  3. Drug Factsラベル:有効成分・SPF・用法を医薬品様式で英語表示。SPF/耐水性は規定の試験で裏付け
  4. HTS分類・通関:3304系で申告(デミニミス終了で少額も正規通関)
  5. “化粧品として”の道:UV訴求を一切せず保湿化粧品として売る選択肢もあるが、日焼け止め効果は謳えない

OTC医薬品の登録・ラベル設計はFDA代行、通関〜発送はSLC(発送代行)で対応できます。

OTCモノグラフ:市販薬の成分・表示の基準集。収載成分しか使えない。
UVフィルター:紫外線吸収/散乱剤。米国は使える種類が限定的。
ベモトリジノール:2025/12にFDAが追加を提案した新UVフィルター。
Drug Facts:OTC医薬品に必須の医薬品表示様式。
💡 実務のワンポイント

日本の日焼け止めを米国で売るとき、最初に見るべきは『パッケージの裏の成分表』です。米国は日焼け止めをOTC医薬品として扱い、使える紫外線吸収剤がモノグラフで決められているため、Tinosorb S/MやUvinul A Plusなど“日本では当たり前”の先進フィルターしか入っていない処方は、SPFを謳って売れません。逆に、酸化亜鉛・酸化チタン(ミネラル)や米国収載の有機フィルターで作られた日本製なら道があります。どうしても先進フィルター処方を売りたい場合は、UV効果を一切表示しない『保湿化粧品』として出すか、2026年後半に見込まれるベモトリジノール解禁を待つのが現実的。輸出前に必ず成分を米国モノグラフと突き合わせましょう。

よくある質問

日本の日焼け止めはそのまま売れる?
成分次第です。米国モノグラフ未収載のUVフィルターのみの処方は、日焼け止め表示での販売ができません。
なぜ薬扱い?
米国では日焼け止め=OTC医薬品。成分・表示・試験が医薬品基準で求められます。
何が変わった?
2025年12月にFDAが新フィルター(ベモトリジノール)の追加を提案。数十年ぶりの動きです。
出典は?
FDAのサンスクリーン関連発表・OTCモノグラフ改定の解説です。
📘 用語ミニ解説
  • OTCモノグラフ:市販薬の成分・表示基準。
  • UVフィルター:紫外線吸収/散乱剤。
  • Drug Facts:OTC医薬品の必須表示様式。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

ポイントはシンプルです。①日焼け止めは米国では“薬”②使える成分が決まっている③だから成分確認とOTC登録・Drug Factsラベルさえ整えれば売れます。煩雑な施設登録・製品リスティング・ラベル設計は当社のFDA代行が、通関・発送はSLCが代行。日本の高品質な日焼け止めを、止められず・遅れず米国に届けられます。

市場規模は概算で調査会社により幅があります。成分可否・規制の最新はFDAをご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。