米Amazon、セット商品は原則メーカー梱包に 1月11日から
2027年1月11日から適用。許諾書があれば例外、本やゲームのセットは解禁

米Amazonは2026年9月10日、セット商品の出品ルールを改めると出品者に告知した。2027年1月11日からは、複数の商品をまとめて1つの商品ページで売る場合、元のメーカーかブランドが箱に詰めたものでなければならない。出品者が自分で、あるいは業者に頼んで詰めたセットは、原則として売れなくなる。
セット売りそのものを禁じるわけではない。問われるのは「誰が箱に詰めたか」だ。ブランドの許諾書がある場合など、例外も設けた。
一方で、これまで制限していた本やゲームのセットは解禁する。食品や日用品で複数のブランドを混ぜたセットも、許諾書があれば認める。締める部分と緩める部分が同時にある改定だ。
変わるのは「誰が箱に詰めたか」
新ルールの柱は1つだ。1つの商品ページで売るセット商品の大半は、元のメーカーかブランドが詰めたものに限られる。適用は2027年1月11日からだ。
今あるセット商品は、2027年1月10日まで売り続けられる。Amazonは出品者に、期限までに売り切るか、ルールに合うよう出品を直すかの対応を示している。
期限を過ぎても合わないセットが残ると、出品は止められる。アカウントの健全性を示す画面に出品違反として記録され、メールでも通知が届く。
| 対象 | これまで | 2027年1月11日から |
|---|---|---|
| 1つの商品ページで売るセット商品 | 出品者が自分で組める | 原則、元のメーカー・ブランドが詰めたものだけ |
| 本・音楽・映像・DVD・ゲームのセット | 制限されていた | 認められる |
| ギフトカードを含むセット | 認められていなかった | 認められる |
| ブランド名のない一般品やサービスプランを含むセット | 認められていなかった | 認められる |
| 複数ブランドを混ぜた食品・日用品のセット | 2024年10月の方針で認められていない | ブランドの許諾書があれば認められる |
Amazonの倉庫で詰めてもらう道もすでにない。Amazonは2026年1月1日、出品者向けの袋詰め・緩衝材・セット組み・商品ラベル貼りの請け負いを終えている。
食品・日用品の詰め合わせは先に制限済み
食品や日用品で、複数のメーカーやブランドの品を混ぜたセットは、今回とは別のルールですでに制限されている。Amazonが2024年10月14日に告知した方針だ。
この方針では、食品・日用品のセットは元のメーカーかブランドが詰めたものに限られ、違うブランドの品を混ぜて自分でセットを作ることはできない。新しいセットには即時、既にあるセットには2025年1月1日から適用された。
日本のお菓子の詰め合わせや、食品のお試しセットがここに当たる。今回の改定にある2027年1月10日までの猶予は、こうしたセットには当てはまらない。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年10月14日 | 食品・日用品のセットを「メーカーが詰めたものだけ」に絞る方針を告知(新しいセットは即時、既にあるセットは2025年1月1日から適用) |
| 2026年9月10日 | セット商品の出品ルールの改定を告知 |
| 2027年1月10日まで | 猶予期間。今あるセットは売り続けられる。ただし、許諾書のないまま複数ブランドを混ぜた食品・日用品のセットは、2024年10月の方針ですでに制限されており猶予はない |
| 2027年1月11日 | 新ルールを適用。合わないセットは出品停止となり、出品違反として記録 |
メーカーが詰めなくてよい3つの場合
Amazonは、元のメーカーが詰めていなくてもよい場合として3つを挙げた。
- ブランドの許諾書がある場合。ブランドの持ち主から許諾書を得た出品者は、商品を詰め直せる。セットに他のブランドの品も入るなら、そのブランドについてもAmazonで売ってよいという許諾が要る。
- ギフト向けの商品分類と、カメラの商品。この2つは、元のメーカーが詰めたものでなくてよいとされた。
- バーチャルバンドル。箱に詰めず、既にある複数の商品ページを画面上で束ねて売るAmazonの仕組みだ。ブランドの持ち主と正規の販売店がこの仕組みで作ったセットは、対象外になる。
このほか、セットを解いて1点ずつ出品し直す方法もある。許諾書もブランド登録も、Amazon側の分類も要らない。
本やゲームのセットは解禁
Amazonは、これまで制限していた本・音楽・映像・DVD・ゲームのセットを認める。ブランド名のない一般品やサービスプランを含むセット、ギフトカードを含むセットも、認める側に入った。
複数のブランドを混ぜた食品・日用品のセットは、これまでの方針では、許諾書があっても同じブランドの品に限られていた。今回の告知で、複数のブランドを混ぜたものも許諾書があれば認められる。
ただ、メーカーが詰めたものに限るという原則がこれらの品目にも同時にかかるのかは、告知の文面からは読み取れない。自分の商品にどう当てはまるかは、出品者向け画面(Seller Central)のルールで確かめる必要がある。閲覧にはログインが要る。
ギフトカードとサービスプランの解禁は、主に米国内の出品者に関わる。
通関の手続きは変わらない
今回変わるのはAmazonの出品ルールで、米国へ送るときの通関手続きは変わらない。複数の品を1つのセットにして米国へ送るときの主な決まりは次のとおりだ。
- 関税の分類。小売り用にまとめたセットで、品目の書きぶりだけでは分類が決まらない場合は、セットの性格を決めている中心の品で分類する(米国の関税率表の通則3(b))。中心の品が決められない場合は、当てはまる項のうち番号が最後の項に分類する(同3(c))。どの品が中心かは、米国税関・国境警備局(CBP)が判断する。
- 中の品ごとの規制。セットにしても、中の品にかかる規制は消えない。食品や化粧品が入ればFDAの手続きが、子ども向けのおもちゃが入れば米消費者製品安全委員会(CPSC)の要件がかかる。
- 原産国の表示。米国の関税法304条は、輸入する外国産の品かその容器に、最後に買う人が分かるよう、目立つ場所に英語で原産国を示すよう求めている。中の品ごとに産地が違うこともある。
- インボイス。品名・数量・単価を、セットとして1行で書くか、中の品ごとに分けて書くかを、関税の分類に合わせて整える。
- 輸入者と申告。Amazonは輸入者(IOR)にならない。米国での輸入申告は、CBPの免許を持つ通関業者が行う。関税のほか、貨物処理手数料(MPF)がかかり、船で運ぶ場合は港湾維持手数料(HMF)もかかる。
- FBAへの納品。ラベル貼りと梱包は出品者側の作業だ。セット商品は「1つの商品」として、Amazonの商品ラベル(FNSKU)を1枚貼る。
「小売り用のセット」に当たるかは3点で判断する。2つ以上の異なる項に分類され得る品からなること、特定の用途や活動のために組み合わせたこと、詰め直さずにそのまま店頭で売れる形であることだ。最終的な判断はCBPが行う。
自社ブランドには追い風、仕入れて組む売り方は作り直し
同じセット売りでも、立場によって影響はほぼ正反対になる。自社ブランドやOEMで売る事業者は、自らが「元のメーカー・ブランド」に当たる。工場で詰めた2本セットや3個パックは、今までどおり1つの商品ページで出せる見込みだ。別の出品者が同じ商品を組み直して売る例は減る方向になるため、当社は、自社ブランドの事業者にとっては売り場が整理される改定だとみている。
一方、日本の他社ブランド品を仕入れ、倉庫や業者で詰めて「お試しセット」「詰め合わせ」として売っている場合は、1月11日までに売り方を変える必要がある。当社は、発送代行やプレップ業者を含め、第三者が詰めたものは「元のメーカー・ブランドが詰めたもの」にはならないと読んでいる。作業を誰に頼むかと、ルールに合うかは別の問題だ。
最初の一歩は棚卸しだ。出品者向け画面の在庫管理(Manage Inventory)で、商品名に「セット」「2個パック」「詰め合わせ」「bundle」「pack」などが入る出品を洗い出し、誰が詰めたかを1つずつ確かめる。見落としやすいのは、替えブラシ付きの本体や試供品を付けた商品のように、中の品が単独でも売られているものだ。食品・日用品の詰め合わせは期限が別なので、最初に確かめたい。
当てはまったセットは、次の順で考えると迷いにくい。ブランドの持ち主か正規の販売店ならバーチャルバンドルを使う。1つのブランドだけならその会社に許諾書を相談する。複数のブランドが混ざるなら全社の許諾が要るので、間に合わなければバラ売りに戻す。許諾書は相手のある交渉で最も時間がかかるため、相談だけでも早めに出しておくと二度手間が減る。
バラ売りに戻すかは数字で決めたい。FBAの配送料は出荷1点ごとにかかる。3点セットを解いて別々に売れば、配送料は1件分から3件分に増える。セット価格と単品の合計の差がこの増分を上回らないなら、解かずに期限までに売り切るほうが利益は残りやすい。
記事公開日の2026年9月21日から2027年1月11日までは16週ある。「週平均の販売数×16週」が売り切れる数の目安になり、この期間は年末商戦と重なる。仕入れたセットを主力にしてきた事業者にとっては、自社ブランドに踏み出す理由が1つ増えた改定とも言える。
(ワールドシフト編集部)
キーワード解説
- セット商品(商品バンドル):単独でも売れる複数の商品を組み合わせ、1つの商品ページ(ASIN)で売るもの。
- バーチャルバンドル:箱に詰めず、既にある複数の商品ページを画面上で束ねて売るAmazonの機能。ブランドの持ち主と正規の販売店が使える。
- 許諾書(LOA):ブランドの持ち主が、そのブランド品の取り扱いを認める書面。英語では letter of authorization。
- ギフト向けの商品分類:Amazonの売り場の分類(ブラウズノード)のうち、ギフト向けのもの。今回はメーカー梱包を求めない対象とされた。
- 通則3(b):米国の関税率表の解釈ルールの1つ。品目の書きぶりで分類が決まらない小売り用のセットを、セットの性格を決めている中心の品で分類する。
Q&A:よくある質問
- 米国Amazonでセット売りは禁止になるのですか?
- いいえ。2027年1月11日から、1つの商品ページで売るセットの大半に「元のメーカーかブランドが詰めたもの」であることが求められます。ブランドの許諾書がある場合、ギフト向けの商品分類とカメラの商品、バーチャルバンドルで作ったセットは対象外です。どれにも当てはまらなければ、バラ売りに戻す方法があります。
- 自社ブランド(OEM)で作っているセットはどうなりますか?
- 自社が「元のメーカー・ブランド」に当たるため、工場で詰めたセットはこれまでどおり1つの商品ページで出せる見込みです。細かい条件はAmazonの規定によりますので、Seller Centralのルールでご確認ください。
- 日本のお菓子の詰め合わせを出しています。2027年1月11日まで猶予はありますか?
- ありません。複数のメーカーやブランドを混ぜた食品・日用品のセットは、2024年10月14日に告知された方針ですでに制限されています(新しいセットは即時、既にあるセットは2025年1月1日から)。期限を待たずにご確認ください。なお2026年9月10日の告知では、複数ブランドを混ぜた食品・日用品のセットも、許諾書があれば認められるとされています。
- 発送代行やプレップ業者に詰めてもらえば、条件を満たせますか?
- それだけでは満たせないと当社は読んでいます。第三者が詰めたものは「元のメーカー・ブランドが詰めたもの」にならないためです。ブランドの持ち主から許諾書を得れば詰め直しは認められるとされていますが、誰が実際に作業してよいかの線引きはAmazonの規定によります。
- いま出しているセット商品の在庫は、どうすればよいですか?
- Amazonは、2027年1月11日までに売り切るか、ルールに合うよう出品を直すかの対応を示しています。記事公開日(2026年9月21日)から期限までは16週で、年末商戦と重なります。バラ売りに戻すとFBAの配送料が点数分かかるため、セット価格と単品の合計の差と見比べて決めてください。
- 1月11日を過ぎても合っていないと、どうなりますか?
- 出品が止められ、アカウントの健全性を示す画面に出品違反として記録されます。メールでも通知が届くとAmazonは告知しています。
- 逆に、新しく認められるセットはありますか?
- あります。本・音楽・映像・DVD・ゲームのセット、ブランド名のない一般品やサービスプランを含むセット、ギフトカードを含むセット、許諾書がある場合の複数ブランドの食品・日用品のセットです。ただ、メーカーが詰めたものに限るという原則がこれらにも同時にかかるのかは告知の文面から読み取れないため、Seller Centralのルールでご確認ください。
- 一次情報はどこですか?
- Amazonの出品者向け公式告知『New requirements for product bundles starting January 11』(2026年9月10日)と、食品・日用品のセットに関する方針の告知(2024年10月14日)です。記事末尾の出典からご確認いただけます。
- Amazon セラー向け公式告知『New requirements for product bundles starting January 11』(2026/9/10)
- Amazon セラー向け公式告知『Updated Product Bundling policy for consumables』(2024/10/14)
- Amazon Seller Central『Product bundling policy』(閲覧にはSeller Centralへのログインが必要)
- 米国国際貿易委員会(USITC)『Harmonized Tariff Schedule of the United States』一般解釈原則(通則3)
- 19 U.S.C. §1304(原産地表示)




