米国で日本茶(緑茶)が拡大──抹茶に続きほうじ茶が急伸。関税は7/24から新Section 301へ、農薬残留にも注意
市場トレンド

米国で日本茶(緑茶)が拡大──抹茶に続きほうじ茶が急伸。関税は7/24から新Section 301へ、農薬残留にも注意

2026年6月14日(執筆:ワールドシフト編集部

抹茶の次は、お茶全体だ。米国の緑茶市場は2025年に約29.3億ドル(≒約469億円)・年率約7%で拡大し、なかでもほうじ茶が急伸(検索+54.6%・ラテ+173%)。緑茶(茶)は2025年11月の大統領令(農産品除外・11/13発効)で相互関税の対象外となり、2026年2月から一律10%のSection 122関税が加わっていたが、122は2026年7月24日に法定失効。現在は強制労働Section 301(日本原産品はMFN込み合計12.5%になる方式・詳細はarticle_202)に切り替わっている。さらに茶は農薬残留での差し止めが起きやすい品目だ。需要の今と勘所をまとめた。

なぜ日本茶が売れる?

共通の訴求は健康です。カテキン・ポリフェノール(EGCG)に加え、カテキンやL-テアニンといった成分イメージ、カフェインがマイルドとされる点が、コーヒー代替として支持されています。これは抹茶だけでなく緑茶全般の強みです。

いま注目の非抹茶ストーリーがほうじ茶。焙煎で低カフェイン・香ばしい味わいが「抹茶の次(new matcha)」として広がり、検索は2025年初頭比+54.6%、「hojicha latte」は+173%。カフェ採用はまだ少なく伸びしろ大です。ほかに煎茶(Ito Enなど日常の主役・RTDも)玄米茶(香ばしく入門向き)玉露(日本の生産の1%未満の最高級・単一産地で高単価)と段階があり、ウェルネス志向の高まりが全体を押し上げています。(1ドル≒160円換算)

29.3億$
2025
50.6億$
2033予
米国の緑茶市場規模(ドル)/2033は予測(CAGR約7.1%)

誰が・どこで・いくらで買っているか

販路はAmazon、専門・DTC(Ippodo・O-Cha等)、Whole Foods・Target等の量販。RTD(無糖・ゼロカロリーのペットボトル)も大きな入口です。価格帯は日常の煎茶 約1,600〜4,800円/100gから、玉露は煎茶の3〜5倍の高級帯まで。買い手は健康志向・コーヒー代替を探す層と、単一産地を求めるお茶通に分かれます。

玉露・単一産地煎茶の3〜5倍
高単価
ほうじ茶低カフェイン
急伸
煎茶(日常)主役
約1,600〜4,800円/100g
玄米茶/RTD数が出る
入門

価格帯のイメージ。等級・産地で変わります。

米国に日本茶を輸出するには:手続きの全体像

関税は下がりましたが、食品手続きと農薬が要点です。

  1. FDA施設登録(米国代理人)+事前通知(出荷ごと)FSVP
  2. 英語ラベル:栄養成分・原材料を英語で
  3. ⚠️農薬残留:米国に基準値のない農薬は検出=違反(ゼロ許容)。出荷前に残留農薬検査を
  4. HTS分類:緑茶は0902.10。Section 122の+10%(2026/2/24〜7/24)は法定失効済み。現在は強制労働Section 301(日本原産品はMFN込み合計12.5%になる方式・免除品目の該否は要確認→article_202)。正式通関は必要
  5. 茶器は別:ティーポット等は課税対象(デミニミスも終了)

通関〜発送はSLC(発送代行)、食品衛生の専門対応はFDA代行で対応できます。

L-テアニン:緑茶のうま味成分。穏やかな集中感の訴求点。
Import Alert 99-05:農薬残留での検査なし留置(DWPE)の根拠。
ゼロ許容:米国に基準のない農薬は検出だけで違反になる。
HTS 0902:茶の分類(緑茶0902.10)。Section 122の+10%は2026/7/24に法定失効し、現在は強制労働Section 301の枠組み。
💡 実務のワンポイント

緑茶ならではの最大リスクは農薬残留です。米国はEPAが残留基準を定めFDAが水際で取り締まり、茶は要注意品目。怖いのは『米国に基準値のない農薬は、検出された時点で違反(ゼロ許容)』——日本で合法・安全な農薬でも、米国で未登録なら一発でアウトになりえます。一度違反するとImport Alert 99-05(生鮮農産物・農薬)や99-08(加工食品・農薬)で『検査なし留置(DWPE)』のレッドリスト入りし、解除には複数回のクリーン実績が要ります。出荷前に500項目級の残留農薬検査(EPA登録物質準拠)で事前スクリーニングを。茶葉は2025年11月の大統領令(コーヒー・茶など農産品を相互関税から除外・11/13発効)で相互関税の対象外になり、2026年2月からのSection 122一律+10%も2026年7月24日に法定失効しました。現在は強制労働Section 301(日本原産品はMFN込み合計12.5%になる方式)が追加関税の枠組みで、正式通関とFDA手続きは引き続き必要です。

よくある質問

緑茶の関税は?
茶は2025年11月の大統領令(農産品除外・11/13発効)で相互関税の対象外です。2026年2月からのSection 122一律+10%は2026年7月24日に法定失効し、現在は強制労働Section 301(日本原産品はMFN込み合計12.5%になる方式・免除品目の該否は要確認)に切り替わっています(詳細はarticle_202)。正式通関とFDA手続きも必要です。
農薬で止められる?
はい。米国に基準のない農薬は検出だけで違反(ゼロ許容)。事前検査が安全です。
抹茶との違いは?
ほうじ茶・煎茶・玉露など非抹茶が同じ健康文脈で伸びています。
出典は?
FDAの食品輸入ガイド・Import Alert 99-05、緑茶市場の調査。
📘 用語ミニ解説
  • FSVP:外国供給者検証制度。
  • Import Alert:違反歴で検査なし留置にする仕組み。
  • HTS 0902:茶の分類(緑茶0902.10)。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

日本茶の追い風が続くいま、押さえどころは『FDA手続き+農薬の事前検査』だけ。施設登録・事前通知・FSVP・英語ラベル・通関まで、当社の発送代行(SLC)と食品分野のFDA代行が連携して代行。残留農薬スクリーニングは当社の対応範囲外で、試験機関へのご依頼になります。差し止めを避け、安心して米国に日本茶を届けられます。

市場規模は調査会社で幅があります。関税・規制の最新はHTS/FDAをご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。金額のうち当社試算と明記した箇所は概算で、個別の通関・税務判断を保証するものではありません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。