
米国で日焼け止めに使えるUVフィルター17成分と上限濃度の一覧(OTCモノグラフM020)──FDAがPABAなど2成分の削除を確定
日本の日焼け止めを米国へ出すとき、最初に見るのはパッケージ裏のUVフィルター——紫外線吸収剤と、酸化チタン・酸化亜鉛のような紫外線散乱剤の両方——の欄だ。米国では日焼け止めが化粧品ではなくOTC医薬品として扱われ、使える成分がOTCモノグラフM020という一覧に固定されているからだ。ところがこの一覧は、FDAの命令本文(英語)を開かないと全体が見えない。そこでこの記事に、現在の全17成分と上限濃度をそのまま表にして置いた。手元の成分表と1行ずつ突き合わせれば、自分の商品が米国の土俵に乗るかが今日わかる。きっかけは、この一覧が動いたことだ——FDAは2026年9月11日に最終命令を出し、PABAとトロラミンサリチル酸の2成分を外すことを確定させた(同日、連邦官報に公表)。ただしこの削除で慌てる必要はほとんどない。FDA自身が「この2成分を含む日焼け止めが米国で売られているとは承知していない」と書いており、発効も2027年9月11日と、まる1年先だからだ。効くのは削除そのものではなく、その手前の事実——2020年にM020ができてから一度も変わらなかった成分表が、2026年に足す方向と引く方向の両方へ動いた。米国で日本製の日焼け止めに関心が集まっていると報じられているいま、いま使える成分と剤形で組めている商品には、待つ理由がない。
何が決まったのか──2成分の削除が確定した
まず、決まった事実だけを並べます。
FDAは2026年9月11日に最終命令OTC000008-1(Amending Over-the-Counter Monograph M020: Sunscreen Drug Products for Over-the-Counter Human Use, and Related Information; Aminobenzoic Acid (PABA) and Trolamine Salicylate)を発出し、同日、その入手可能告示を連邦官報に載せました(91 FR 57892)。内容はOTCモノグラフM020から、アミノ安息香酸(PABA)とトロラミンサリチル酸をUVフィルターとして削除するというものです。
連邦官報は、この2成分について「PABAまたはトロラミンサリチル酸を含む日焼け止め医薬品は、GRASE(一般に安全かつ有効と認められる)ではない」としています。理由は「これらの有効成分を日焼け止めに使うことに伴うリスクが、その便益を上回ることを、入手可能な安全性データの検討が示している」から。FDAは2021年の提案段階で、トロラミンサリチル酸についてはサリチル酸の抗凝固作用による出血等の重篤な健康影響のおそれとサリチル酸中毒のリスクを、PABAについてはアレルギー性・光アレルギー性の皮膚反応の発生率の高さと、構造の似た化合物との交差感作を挙げており、今回の最終命令はその判断を変更せずに確定させたものです。
ここは正確に押さえてください。これは提案でも意見募集でもなく、最終命令です。一方で命令が出たことと、命令が効いていることは別です。次の節で分けます。
M020は、2020年のCARES法により法律の力で最終命令とみなされた日焼け止めの条件集です(当初はFinal Administrative Order OTC000006として示されました)。1999年の規則がそのまま施行されたものではありません。
発効は2027年9月11日──そして今日、あなたの商品に起きることはほぼ無い
削除が効きはじめるのは2027年9月11日です。最終命令の本文(第VI節「Effective Date」)が、「この最終命令は(a) 2027年9月11日に効力を生じる」と明記しています。発出のちょうど1年後です。これはFDAの日焼け止めQ&Aが説明する「CARES法は、これらの日焼け止め最終命令の発効日を、最終命令の発出から1年より前にすることはできないと定めている」という制約に、そのまま沿った日付になっています。それまでは現在のM020(17成分)の条件がそのまま適用されます。
そして発効後がどうなるかも、命令本文が書いています——「この最終命令が効力を生じたとき、PABAまたはトロラミンサリチル酸をUVフィルターとして含む医薬品は、FD&C法201(p)にいう『新薬』となり、505条にもとづく承認申請(NDA)の要件の対象となる」。モノグラフから外れるとは、こういう意味です。
ここで1つ、取り違えやすい点を外しておきます。この「1年ルール」は2021年の提案命令OTC000008を最終化していく経路にかかるもので、すべてのM020改定が1年待ちになるわけではありません。現に、6月に追加されたベモトリジノール(最終命令OTC000039)は成分メーカーからの申請(OMOR)という別の経路で処理され、6月10日の発出から60日後の8月9日に発効しています。同じM020の改定でも、どの経路で来たかで発効までの時間が違う、ということです。
そして、そもそも該当する商品がほとんどありません。FDAは同じQ&Aで、「FDAは、PABAまたはトロラミンサリチル酸を含む日焼け止め医薬品が現在米国で販売されているとは承知していない」と明記しています。PABAはM020上の上限が15%、トロラミンサリチル酸は12%と一覧には長く載り続けていましたが、FDAは現在これらを含む日焼け止めの販売を把握していないとしています。
つまり今回の削除は、実務への直接の影響がほぼ無い変更です。当社としても、この記事を「至急ご確認ください」という趣旨では書いていません。本当に見る価値があるのは、削除された2成分ではなく、いま使える一覧のほう。次の節に、現在の17成分(発効後に15成分になります)をそのまま置きます。
観測=FDAは該当製品を把握していないと書いている(同じ記述は最終命令の本文にもあります)。解釈=したがって回収・差し替えが直ちに要る話ではない。★発出日について:本記事は最終命令の本文表紙にある『Issued September 11, 2026』を採りました。FDAの日焼け止めQ&Aページは同じ命令を『2026年9月10日にFDAが発出した』と書いており、FDA内で記載が割れています。本文が定める発効日が2027年9月11日=発出のちょうど1年後であることから、本記事は本文側(9月11日)を採っています。
米国で日焼け止めに使える17成分と上限濃度(そのまま突き合わせに使えます)
これが現在のM020 §M020.10に載っているUVフィルターの全部です。ここに無い成分を有効成分にした日焼け止めは、SPFを表示して米国で売ることが原則できません。(NDA=新薬承認申請という別の道もありますが、モノグラフに収める場合とは必要な準備がまったく変わります。どちらで行くかはご自身の商品次第です。)お手元の商品の成分表と、1行ずつ照らし合わせてください。
表の右端が今回の措置です。(a)と(p)の2行が、発効後に消えます。残る15成分が、その後のM020になります。
| M020 | 成分名(原文) | 日本での表記例(参考) | 上限濃度 | 今回の措置 |
|---|---|---|---|---|
| (a) | Aminobenzoic acid (PABA) | アミノ安息香酸(PABA) | 15% | 削除が確定 |
| (b) | Avobenzone | アボベンゾン | 3% | 変更なし |
| (c) | Bemotrizinol | ベモトリジノール | 6% | 2026/8/9発効で追加 |
| (d) | Cinoxate | シノキサート | 3% | 変更なし |
| (e) | Dioxybenzone | ジオキシベンゾン | 3% | 変更なし |
| (f) | Ensulizole | エンスリゾール | 4% | 変更なし |
| (g) | Homosalate | ホモサレート | 15% | 変更なし |
| (h) | Meradimate | メラジメート | 5% | 変更なし |
| (i) | Octinoxate | メトキシケイヒ酸エチルヘキシル | 7.5% | 変更なし |
| (j) | Octisalate | サリチル酸エチルヘキシル | 5% | 変更なし |
| (k) | Octocrylene | オクトクリレン | 10% | 変更なし |
| (l) | Oxybenzone | オキシベンゾン | 6% | 変更なし |
| (m) | Padimate O | パジメートO | 8% | 変更なし |
| (n) | Sulisobenzone | スリソベンゾン | 10% | 変更なし |
| (o) | Titanium dioxide | 酸化チタン | 25% | 変更なし |
| (p) | Trolamine salicylate | トロラミンサリチル酸 | 12% | 削除が確定 |
| (q) | Zinc oxide | 酸化亜鉛 | 25% | 変更なし |
出典は、FDAが2026年6月10日に発出した最終命令OTC000039に収録されているM020の本文(§M020.10)です。「日本での表記例」の列は、成分表との照合を助けるための当社の参考訳で、FDAの原文にある表記ではありません。判断の根拠には必ず原文の成分名をお使いください。
6月に加わったベモトリジノールには、2つの但し書きがある
表の(c)は、2026年に新しく入った成分です。FDAは2026年6月10日に最終命令OTC000039を発出し、ベモトリジノール(bemotrizinol)を上限6%で追加、2026年8月9日に発効しました。これは日本・EUで広く使われてきたタイプのUVフィルターが米国側に加わったという意味で、日本の処方にとって大きな一歩です(この追加に至るまでの経緯と、米国市場で日本製の日焼け止めが求められている背景はベモトリジノールが約25年ぶりに追加された経緯と米国の需要にまとめています)。ただし、「解禁されたから、すぐに日本の処方を出せる」と読むのは早い。命令の本文に、2つの但し書きがあります。
但し書き①──18か月の独占期間がある。この追加は、成分メーカーであるDSM Nutritional Products LLCが2024年9月23日に提出した申請(OMOR=モノグラフの内容を変えてほしいと事業者がFDAに出す申請。Tier 1はその区分の一つ)にもとづくものです。最終命令は、法律によりDSM社(およびその実施許諾先・譲受人・承継人)だけに、この変更を取り込んだ医薬品を販売する権限を与える効果を持つと明記しており、この独占は発効日から18か月続くとしています。発効日の2026年8月9日から18か月を数えると2028年2月ごろにあたります(ただし条文は「DSM社が本命令にもとづき適法に販売できる日から始まる」とも書いており、起算日がこの日付と一致しない可能性があります)。ご自身の商品でこの成分を使う予定がある場合は、原料の供給元がこの独占の範囲内にあるか(DSM社またはその実施許諾先か)を、仕入れの段階で確かめてください。
但し書き②──ベモトリジノールだけ、使える剤形が狭い。パウダーが認められておらず、スプレーにも条件が付きます。詳しくは次の節の表で。
独占の条文は最終命令OTC000039のセクションV(Exclusivity)およびVI(Effective Date)にあります。本記事はその記載の範囲で紹介しており、個別の商品がこの独占に抵触するかどうかを判断するものではありません。
見落とされやすい壁は成分ではなく『剤形』
成分表ばかり見ていると抜けるのが、剤形(どんな形状で売るか)です。M020は剤形も条件にしていて、ここを外すと成分が合っていても売れません。観測=当社に届く輸出のご相談にも、成分は条件に収まっていたのに剤形で止まったものがあります(件数は集計していません)。
最終命令OTC000039は、ベモトリジノール以外の16成分については、現在は次の10剤形が認められていると書いています——oil(オイル)/lotion(ローション)/cream(クリーム)/gel(ジェル)/butter(バター)/paste(ペースト)/ointment(軟膏)/stick(スティック)/spray(スプレー)/powder(パウダー)。
そしてベモトリジノールを使う場合は、認められる剤形が9つに狭まります。パウダーが入っておらず、スプレーにも条件が付きます(噴射剤を使わないか、噴射剤が容器内で処方と完全に隔離され、処方と接触しない方式であること)。
ここがいちばん大事な一文です。FDAの提案命令OTC000008は、「上記の剤形以外の日焼け止めは、現在、販売するために505条の承認された申請(NDA)が必要である」とし、その例としてwipes(ワイプ)、towelettes(シート)、body washes(ボディウォッシュ)、shampoos(シャンプー)を挙げています。そしてこの要件を変更することは提案していないとも書いています。つまり日本でよく売られている「日焼け止めシート」「ふき取りタイプ」は、提案の行方にかかわらず、いま現在モノグラフでは売れない剤形です。成分が17成分に入っていても、です。
なおスプレーのうちエアゾール缶のものは、輸送側でも別の扱いになります。可燃性ガスを使う製品は危険物にあたり、航空便の可否・梱包・書類が通常貨物と変わります。剤形を決める段階で、売れるかどうか(FDA)と運べるかどうか(輸送)の両方を見ておくと手戻りがありません。危険物輸送の手配は当社(SLC)でお引き受けできます。
| 剤形 | 16成分(ベモトリジノール以外) | ベモトリジノール |
|---|---|---|
| オイル/ローション/クリーム/ジェル | 可 | 可 |
| バター/ペースト/軟膏/スティック | 可 | 可 |
| スプレー | 可 | 可(噴射剤なし、または噴射剤が処方と接触しない方式に限る) |
| パウダー | 可 | 認められる剤形の列挙に無い |
| ワイプ/シート/ボディウォッシュ/シャンプー等 | モノグラフの対象外。販売にはNDA(またはANDA)が必要 | |
16成分側の10剤形は、最終命令OTC000039が脚注6でFD&C法505G(m)(2)と最終命令OTC000006を引きながら述べているものです。ベモトリジノール側の9剤形は同命令に収録された§M020.40(b)の列挙です。ワイプ等にNDAが必要である旨と、その例示は提案命令OTC000008の記載によります。ある商品の剤形が実際にどれに当たるかを判断するのはFDAです。
米国に日焼け止めを輸出するには:通関・手続きの全体像(M020に適合させる7ステップ)
日焼け止めは化粧品ではなくOTC医薬品として扱われるため、スキンケアやメイクとは通る道が違います。
その前に、道が2つに分かれます。自社ブランドで、製造元を動かせる立場なのか、日本で売られている商品を仕入れて送る立場なのか。ここで手順の意味がまったく変わります。米国の法律(21 U.S.C. §352(o))は、登録されていない施設で製造された医薬品、および医薬品リスティングに載っていない医薬品を「misbranded(表示違反)」としており、差し止めの対象になり得ます。これは仕入れる側が自分の書類を整えても解決できません——製造施設を登録するのは製造元だからです(§360(i))。なお、仕入れる側にも別途商業輸入者としての登録義務があります(§381(s))。つまり製造元の登録は肩代わりできず、輸入者自身の登録も免除されない——どちらも要ります。仕入れ・転売の立場で日焼け止めを扱うなら、製造元が米国向けの登録をしているかを最初に確認するか、SPFを謳わない売り方(後述)に切り替えるか、別の商材にする——この3つから選ぶことになります。
以下は、製造元を動かせる前提での全体像です。
- UVフィルターを、上の17成分の表と突き合わせる。有効成分がすべて表に載っていて、上限濃度に収まっているかを確認します。ここが合わなければ、以降の手続きをどれだけ整えてもSPFを表示しての販売にはたどり着けません。まずここから始めてください(費用も申請も要りません)
- 剤形を確認する。前節の表で、自社の剤形がモノグラフの範囲にあるかを見ます。シート・ワイプ型はここで止まります
- 製造施設をFDAに登録し、製品をリスティングする。FDAの電子システムeDRLS(Electronic Drug Registration and Listing System)にSPL形式で電子提出します。これはOTC医薬品の枠組みの手続きで、食品の施設登録や化粧品のMoCRA登録とは別の仕組みです。登録した施設には毎年の施設使用料(OMUFA)がかかります——FY2027(2026年10月1日〜2027年9月30日)はMDF 47,891ドル(約766万円)/CMO 31,927ドル(約511万円)(1ドル≒160円で換算)。MDFは米国内外を問わず、OTCモノグラフ医薬品の最終剤形を製造・加工する事業者を指すので、日本の製造工場もこの対象になります。ただし工場の所有者もその関係会社も、米国の卸・小売・消費者に直接販売していない場合はCMO扱いとなり、額は3分の2の31,927ドル(約511万円)です。受託製造だけを行う日本の工場は、多くがこちらに当たります。この固定費を織り込んでから進めてください。なお、このOTC医薬品側の登録・リスティングについて当社が対応できる範囲は商品によって異なります。ご相談時に個別にご案内します
- SPF試験・ブロードスペクトラム試験を実施する。§M020.80(SPF試験)と§M020.90(ブロードスペクトラム試験)の方法で、表示するSPF値と「Broad Spectrum」表示の裏付けを取ります。試験の実施・手配は当社の対応範囲外です——試験機関へ直接ご依頼ください
- Drug Facts様式の英語ラベルを作る。有効成分・効能・用法・注意を医薬品の様式で英語表示します。SPF表示や耐水性の表示は、試験の結果と一致している必要があります
- 通関申告の中身を整える。インボイスの品名、HTSコードの分類、原産地の整理を行います。少額の貨物でも正規の通関が要る前提で組み立てます
- FBA納品まで運ぶ。梱包・保険・輸送を手配し、Amazon倉庫への納品まで進めます(エアゾールなど危険物にあたる剤形は、ここで扱いが変わります)
なお「SPFを一切表示せず、保湿化粧品として売る」という道もあります。この場合は米国ではOTC医薬品ではなく化粧品として扱われますが、米国で紫外線防御の効能を表示・訴求することはできません。どちらで行くかは、商品の売り方そのものの選択になります。
このうち成分表と剤形の突き合わせ、効能表現のチェック、英語ラベルの整備、MoCRA対応、通関申告に載る中身(インボイスの品名、HTSコードの分類、原産地の整理)、危険物を含む輸送とFBA納品までは、FDA代行とSLC(発送代行)でお引き受けします。SPF試験・ブロードスペクトラム試験の実施と手配は当社の対応範囲外です(試験機関へ直接ご依頼ください)。OTC医薬品側の登録・リスティングは対応できる範囲が商品により異なるため、ご相談時に個別にご案内します。
この手順はM020の条件と一般的な輸出実務の並びを整理したものです。OMUFAの手数料額は連邦官報 2026-15344(FY2027のOTCモノグラフ医薬品ユーザーフィー)によります。円換算は1ドル=160円での当社概算で、実際の負担は為替と個別の事情で変わります。通関の可否・所要日数・費用は最終的に当局の判断によります。
まだ決まっていないこと──ここから先は『提案』です
最後に、混ぜてはいけない話を分けておきます。
今回の最終命令が確定させたのは、2021年の提案命令OTC000008のうち、PABAとトロラミンサリチル酸の部分だけです。連邦官報は「FDAは提案命令OTC000008のその他の側面を、今後の命令で扱う」としています。FDAのQ&Aも「CARES法は提案命令を最終化する期限を定めていない」としています。
提案命令OTC000008には、成分以外にもSPF表示の上限、ブロードスペクトラム要件、剤形、表示、最終処方の試験と記録保持などが含まれていました。これらはいずれもまだ提案のままで、決まっていません。期限も示されていません。本記事では、決まっていないものを「そうなる」と書かない方針をとっています。関心のある方は、提案命令の原文(下の出典)をご覧ください。
実務としての結論は、1行にすると次のとおりです。いま合わせるべきは現行のM020(17成分・剤形・Drug Facts表示)であって、提案の中身ではありません。そして現行のM020は、2026年に2回動きました。新しい商品を仕入れるときと、年に一度の棚卸しのとき。この2つのタイミングで一覧を開き直せば、2026年のような変更を取りこぼしにくくなります(頻度は取り扱い点数に合わせてご判断ください)。
そしてこの確認は、米国で日本製の日焼け止めに関心が集まっていると報じられているあいだに済ませておく価値があります。米国市場で日本製がどう受け止められているかは米国で日本の日焼け止めが熱望されるにまとめました。成分と剤形が現行のM020に収まっている商品は、待つ理由がありません。削除が効くのは2027年9月11日で、それもいま流通している処方には当たらない——つまり、動くなら今です。一覧は公開されていて、開くのに費用も申請もかかりません。
提案(proposed order)は、そのままの内容で最終化されるとは限りません。今回のように、一部だけが先に確定することもあります。
日焼け止めの成分照合でいちばん多いつまずきは、日本の成分表示名と米国の成分名が一対一で並ばないことです。米国側は「Octinoxate」「Octisalate」のような慣用名で書かれますが、日本の全成分表示は「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」「サリチル酸エチルヘキシル」のような化学名で書かれます。名前が違うだけで同じ成分、ということが普通に起きます。逆に、日本でよく使われている一部のUVフィルターは米国の一覧に相当するものがなく、これは名前の問題ではなく本当に使えません。実務では、照合の前に一度だけ「自社の全成分表示をINCI名に直した対照表」を作ってください。INCI名は日米で共通なので、これがあれば以後の商品でも使い回せますし、化粧品側のMoCRA表示にもそのまま使えます。それと、名前が一致しても安心しないでください。米国側には成分ごとに上限濃度があります。名前で照合したあと、必ず配合率も表の数字と突き合わせてください。この対照表づくりで迷ったら、原料メーカーに「この成分のINCI名と配合率を教えてください」と聞くのが最短です。
よくある質問
- OTCモノグラフ:米国の市販薬について、使える成分・剤形・表示・試験方法を定めた条件集。日焼け止めはM020。
- M020:日焼け止めのOTCモノグラフ。2020年のCARES法により、法律の力で最終命令とみなされた。
- GRASE:Generally Recognized As Safe and Effective。一般に安全かつ有効と認められること。
- UVフィルター:日焼け止めの有効成分(FDA原文は sunscreen active ingredients)。§M020.10に17成分が列挙されている。日本でいう紫外線吸収剤(化学系)と紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)の両方を含む。
- ブロードスペクトラム:UVBだけでなくUVAもカバーしていることを示す米国の表示。§M020.90の方法で裏付けが要る。
- PABA:アミノ安息香酸。M020では上限15%で載っていたが、削除が確定した。
- トロラミンサリチル酸:M020では上限12%で載っていたが、削除が確定した。
- ベモトリジノール:2026年6月10日の最終命令OTC000039で上限6%で追加され、8月9日に発効したUVフィルター。
- Drug Facts:OTC医薬品に必須の英語表示様式。有効成分・効能・用法・注意を定型で書く。
- eDRLS:FDAの医薬品の施設登録・製品リスティングを行う電子システム。SPL形式で提出する。
- OMUFA:OTCモノグラフ医薬品のユーザーフィー制度。登録した製造施設に毎年の使用料がかかる。
- NDA:新薬承認申請。モノグラフの条件に収まらない日焼け止めを販売するための別ルート。
最初の一手に、費用も申請も要りません。お手元の日焼け止めのUVフィルターを、この記事の17成分の表と1行ずつ突き合わせるだけです。M020は公開されていて、どなたでもご自身で確認できます。そのうえで必要になる作業——成分表と剤形の突き合わせ、効能表現のチェック、英語ラベルの整備、MoCRA対応、通関申告に載る中身(インボイスの品名、HTSコードの分類、原産地の整理)、危険物を含む輸送とFBA納品までの発送実務は、当社(WorldShift/SLC)がお引き受けします。ただしSPF試験・ブロードスペクトラム試験の実施と手配は当社の対応範囲外です——試験機関へ直接ご依頼ください。OTC医薬品側の施設登録・リスティングは、対応できる範囲が商品により異なるため、ご相談時に個別にご案内します。また、ある処方がGRASEに当たるかどうかを最終的に判断するのはFDAです。
- Final Administrative Order OTC000008-1(2026年9月11日発出・発効日2027年9月11日を第VI節に明記/U.S. FDA)
- Amending Over-the-Counter Monograph M020: Sunscreen Drug Products for Over-the-Counter Human Use, and Related Information; Aminobenzoic Acid (PABA) and Trolamine Salicylate(連邦官報 91 FR 57892・2026年9月11日・FR Doc 2026-18551)
- Final Administrative Order OTC000039(2026年6月10日発出・M020の本文と剤形条件を収録/U.S. FDA)
- Proposed Administrative Order OTC000008(2021年9月24日発出/U.S. FDA)
- Questions and Answers: FDA's regulatory actions on over-the-counter sunscreen(U.S. FDA・更新日 2026年9月10日)
- Over-the-Counter Monograph Drug User Fee Rates for Fiscal Year 2027(連邦官報 2026年7月30日・FR Doc 2026-15344)
- Electronic Drug Registration and Listing System (eDRLS)(U.S. FDA)
- OTC Monographs@FDA ポータル(U.S. FDA)
- 21 U.S. Code §352 — Misbranded drugs and devices(Cornell LII)
- 21 U.S. Code §355h — Nonprescription drugs marketed without an approved application(Cornell LII)

