実務ガイド

自分の商品の関税額を出す手順
― 見積もりに載せる前に、この順で確かめる

関税額は、HTSコード原産国課税価格の3つが決まって、はじめて計算できます。そこに追加関税手数料を積み上げたものが、実際に払う額です。このページは、すでに米国へ送っている方が自分の商品でその数字を出すまでの順番を、チェックリストにしたものです。税率そのものは「米国の関税はどう決まる?」にまとめています。
関税額の出し方(骨格)

関税額=課税価格 × HTSの税率 + 該当する追加関税 + 手数料(MPF・HMF)。①HTSコード ②原産国 ③課税価格 が確定して、はじめて④の税率が引けます。⑤の追加関税と⑥の手数料は、④とは別枠で積み上がります(追加関税の計算方式は制度によって違います)。

全体の流れ(ひと目で)

1
HTSを確定10桁コード
2
原産国を確定どこ製か
3
課税価格を出す取引価格が基本
4
基本の税率General を引く
5
追加関税当たるか確かめる
6
手数料MPF・HMF

①〜③がそろって、はじめて④の税率が引けます。⑤の追加関税と⑥の手数料は、④とは別枠で積み上がります。どれか1つでも仮置きのままだと、出てくる金額は見積もりになりません。

① HTSコードを確定する

  • 商品を英語の一般名で米国のHTS(hts.usitc.gov)に入れて、候補を出した
  • 候補の説明文を、材質・用途・加工まで読み合わせた(似た品目でも小分類で税率が変わります)
  • 10桁まで特定した(6桁までは国際共通、7桁目以降は米国独自)
  • 確信が持てないものは、CBPの事前教示(Binding Ruling)で確定させる段取りをつけた
⚠ ここが決まらないと、この先は全部が仮の数字

HTSコードは、税率だけでなく追加関税の対象かどうかも決めます。誤分類は、後日の追徴通関の遅延として返ってきます。分類の考え方は「米国の関税はどう決まる?」の「HTSコードの調べ方」にまとめています。

② 原産国を確定する(出荷地ではなく製造地)

  • どこで作られたかを、出荷地ではなく製造地で押さえた
  • 部材を複数の国から調達している場合、実質的変更がどこで起きたかを確かめた
  • 原産国が、協定の優遇追加関税のどちらに効くかを確認した

原産国は「どの国から送るか」ではありません。日本から送っても、原産地が別の国なら、その国あての扱いになります。

③ 課税価格を決める(原則は取引価格)

  • 取引価格(インボイス額)を基本に置いた
  • インボイスの品名が具体的か確かめた(「gift」「sample」などの曖昧な品名は、止まる原因になります)
  • 値引き・無償提供分の扱いを、申告の考え方と突き合わせた

課税価格は通常実際の取引価格です。過少申告は、通関の停止・追徴の直接の原因になります。

④ 税率を当てる(General と Special)

  • HTSのGeneral(通常税率)を引いた
  • Special(協定・特恵の優遇税率)が使えるかを確認した
  • 自分の品目が、当社が一次情報(USITC HTS)で確認した品目ごとの率の一覧に載っているか見た(確認日は一覧に明記しています)

品目ごとの率の目安は「米国の関税はどう決まる?」の「品目ごとの関税率の目安」にまとめています。同じ「バッグ」「食器」でも、素材や作りで小分類が変わり、率も変わります。品目名だけでは一つに決まりません。

⑤ 追加関税(Section 301・232 など)が当たるか確かめる

  • 自分の品目と原産国が、追加関税の対象に入っていないか確かめた
  • その制度がどういう計算方式かを確かめた(基本の関税に上乗せする形もあれば、通常関税と合計して上限が決まる形もあります)
  • いつ時点の情報かを、見積書に書いた

追加関税は通商情勢で頻繁に入れ替わります。どの制度が当たるかで金額が変わるため、日付の入っていない見積書は、後から検証できません。情勢の動きは当社の関税ニュース(Trade Watch)で追っています。

⑥ 手数料(MPF・HMF)を足す

  • MPF(通関手数料)を入れた。下限と上限があるため、小口ほど1個あたりの負担が重くなります
  • HMF海上輸送だけにかかることを確認した(航空便には付きません)
  • 通関業者の手数料など、当局以外に払う実費を別の行で持った

手数料の率・下限・上限の実額は「米国の関税はどう決まる?」の「関税のほかにかかる手数料」にまとめています。数字は一か所だけで持ち、見積書はそこを見に行く形にしておくと、改定のたびに直す場所が1つで済みます。

見積書・原価表の、どこを直すか

① 関税率を引いている行

品目ごとに率が違う前提になっているか。1つの率で全商品を通していないか

② 手数料を固定額で置いている行

「一律いくら」で置くと、下限に張り付く小口では合わなくなります

③ 海上と航空が混ざっている行

HMFは海上だけ。同じ行で両方を扱うと合いません

④ 「いつ時点か」を書く行

追加関税は変わります。日付が無いと、あとから検証できません

実際の数字の入れ方は、このページでは扱いません。品目・原産国・輸送手段・申告の単位で変わるため、自分の商品への当てはめは無料相談でご確認ください。

よくある取りこぼし

← 低く見積もる

率だけで出して、追加関税と手数料を入れ忘れる。着地で足が出る

◎ 順番どおりに出す

①〜⑥を通して積み上げ、いつ時点かを残す

高く見積もる →

当たらない追加関税まで乗せる。自分で価格競争力を落とす

どちらへ振れても損をします。分かれ目は、①HTSの確定と②原産国の確定です。

よくある質問

関税額はどうやって計算しますか?

課税価格にHTSの税率を掛けて基本の関税を出し、そこに該当する追加関税と、MPF・HMFなどの手数料を別枠で積み上げたものが、実際に払う額です(追加関税の計算方式は制度によって違います)。①HTSコード ②原産国 ③課税価格 のどれか1つでも仮置きのあいだは、出てくる金額は見積もりになりません。

日本から送れば、原産国は日本になりますか?

送り出す国と原産国は別のものです。原産国は製造地、つまり実質的変更が起きた国で決まります。日本で作った商品なら日本ですが、部材を複数の国から調達している場合は、どこで実質的変更が起きたかの確認が要ります。日本から送っても、原産地が別の国ならその国あての扱いになります。

見積書には関税をいくら見込めばいいですか?

品目・原産国・輸送手段で変わるため、一律の率は置けません。実務では①品目ごとに率を引く行 ②下限・上限つきで手数料を持つ行 ③海上と航空を分ける行 ④「いつ時点か」を書く行、の4つに分けておくと、制度が変わったときに直す場所が1か所で済みます。

ワールドシフトのサポート

  • HTS分類の確認:材質・用途から、どの小分類が候補になるかを一緒に確認し、分類の考え方を整理します
  • 原産地の考え方を整理:部材が複数の国にまたがる場合に、確認すべき点を一緒に洗い出します
  • 通関手続きの手配・連携:提携する米国の通関業者と連携し、書類・申告を手配します。分類・税額の最終判断は通関業者・税関によります
  • 実際の税額の当てはめは、貨物の条件で変わります(関税・通関業者手数料などの実費は別途かかります)
関税額の出し方を無料で相談する

※ご相談は無料です。実際の発送では、関税や実費(品目により試験費・危険物取扱・特殊梱包など)が別途かかります。

出典:U.S. International Trade Commission — HTS(米国関税率表)U.S. Customs and Border Protection — Trade(関税・通関)。税率・追加関税・手数料は変更される場合があります。

※本ページは一般的な情報の整理であり、個別の該当可否・法的助言ではありません。該当可否・申告の適否の最終判断は、税関・当局および提携する通関業者の基準によります。最新・個別の判断は無料相談でご確認ください。