越境ECガイド

米国向け越境ECの始め方
― 売り場・入金・関税の全体像を、輸出者向けに

越境ECで決めることは、大きく5つです。どこで売るか(売り場)・どう送るか・入金をどう受け取るか・関税を誰が払うか・その商品を送れるか売り場が決まると、あとの4つはだいたい決まりますので、順番が大事です。売り場ごとの手数料や市場の動きは、当社の越境ECの記事で追っています。

決める順番(ひと目で)

1
売り場を決めるどこで売るか
2
送り方を決める都度か在庫か
3
入金を決めるUSDの受け取り
4
関税の払い方誰が先に払うか
5
規制を確かめる送れる物か
小さく試すまず少量で

①〜⑤が「決めること」で、最後の「小さく試す」は決めたあとの動き方です。①で売り場を決めると、②〜④の選択肢はかなり絞られます。逆にすると作り直しになります——たとえば入金の口座を先に作っても、売り場によっては使えません。

① 売り場を決める(Amazon・eBay・自社EC・TikTok Shop)

大手のモール

すでに買いに来ている人がいる。手数料と規約がある(Amazonの記事eBayの記事

自社のネットショップ

手数料は低いが、集客を自分でやる(D2C・自社ECの記事

動画・SNSの売り場

見つけてもらう形が違う(TikTok Shopの記事

掛け持ち

在庫と価格の管理が増える。まず1つに絞るのが早い

どれが正解というものではありません。扱う商品・在庫の持ち方・手間のかけ方で変わります。まず1つに絞って、小さく試すのが早道です。

② 送り方を決める(都度発送か、FBAで先に在庫を置くか)

都度発送(売れてから送る)

在庫を持たずに始められる。1個あたりの送料は高くなる

先に在庫を置く(FBAなど)

配送が速く、売り場で有利になりやすい。まとめて送るぶん1個あたりは下がる

納品の要件

先に置く形は、梱包・ラベルの決まりがあります(FBA納品要件

戻ってくる分

返品・売れ残りをどうするかも、先に決めておく

⚠ 在庫を先に置くと、関税は「まとめて先払い」になります

売れてから送る形は、売れた分だけ関税がかかります。先に米国へ在庫を置く形は、売れる前にまとめて関税と送料を払うことになります。資金の出ていく順番が変わるので、採算表も作り分けてください。

⚠ 先に在庫を置く形では、あなたが米国の「輸入者」になります

米国の通関では、申告の責任を負う輸入者(Importer of Record/IOR)を必ず1者立てます。売れてから送る形は、受け取るお客さまが輸入者になるのが一般的です。一方、先に米国へ在庫を置く形(FBAなど)では、出品者であるあなたが輸入者になります(Amazonは輸入者になりません)。誰が輸入者になるかで、必要な番号・書類・関税の払い方が変わります。くわしくは米国へ商品を送って売るときの通関の基本にまとめています。

③ 米ドル売上の受け取りと両替を決める

  • 売上をどの通貨で受け取るかを決めた(米ドルのままか、円に替えるか)
  • 売り場がどの受け取り方に対応しているかを確かめた
  • 両替のコストを、表示される手数料だけでなく適用される為替レートまで見て比べた
  • 入金までの日数を確かめた(資金の回り方が変わります)

受け取りの仕組みと両替のコストは、利益に直接効きます。実際の手数料は提供元と時期で変わるため、越境ECの“入金”の記事で最新をご確認ください。

④ 米国の関税を誰が払うか決める(DDPか、お客さま払いか)

  • 出品者が先に払う形(DDP)か、受け取るお客さまが払う形(DAP/DDU)か、どちらにするか決めた
  • 売り場に関税の払い方の決まりがないか確かめた(売り場によっては前者が求められることがあります。条件は売り場ごとに違うので、各売り場の公式案内をご確認ください)
  • 先に払う形なら、関税と手数料を売価に含めた
  • お客さまが払う形なら、受け取り拒否と返送の費用を見込んだ
⚠ 少額でも関税はかかります

少額貨物の免税(de minimis)は2025年8月29日に全世界で停止しました(2026年6月24日にCBPの規則として明文化)。クーリエ・貨物便などの商業貨物では、少額でも通常の関税・申告が必要です。

関税額の出し方は「自分の商品の関税額を出す手順」に、税率そのものは「米国の関税はどう決まる?」にまとめています。

⑤ 米国の規制に当たらないか確かめる(FDA・CPSC・FCC・CITES)

  • 口に入る・肌に触れる物か(FDA食品接触材
  • 子ども向けか(CPSC
  • 電波や電池が入るか(FCCリチウム電池
  • 動植物由来の素材か(ワシントン条約
  • ブランド品・キャラクター物か(権利者の許諾がないと、米国の税関で止まることがあります)

該当しそうなら、先に発送ルールガイドの各ページをご覧ください。売り場が決まっていても、送れない商品は売れません。

よくある取りこぼし

← 売り場を決める前に動く

口座や在庫を先に用意して、売り場の条件に合わずに作り直す

◎ 順番どおりに決める

売り場 → 送り方 → 入金 → 関税 → 規制。そのうえで小さく試す

売価に関税を入れ忘れる →

受け取り時にお客さまが払う形のまま出品し、受け取り拒否と返送が続く

分かれ目は、①売り場と④関税の払い方を、出品する前に決めたかどうかです。

米国向け越境ECのよくある質問

米国向けの越境ECは、何から決めますか?

売り場が先です。どこで売るかで、送り方・入金の受け取り方・関税の払い方が決まります。売り場 → 送り方(都度発送か、先に在庫を置くか)→ 入金の受け取り → 関税を誰が払うか → 規制の確認、の順で決めると、あとから作り直しになりにくくなります。

関税は、売り手と買い手のどちらが払いますか?

決め方が2通りあります。出品者が先に払って売価に含める形(DDP)と、受け取るお客さまが配達時などに払う形(DAP/DDU)です。売り場によっては前者が求められることがあり、条件は売り場ごとに違います。後者はお客さまが受け取りを拒む原因になりやすく、返送の費用がかかります。

少額なら関税はかかりませんか?

少額貨物の免税(de minimis)は2025年8月29日に全世界で停止しました(2026年6月24日にCBPの規則として明文化)。クーリエ・貨物便などの商業貨物では、少額でも通常の関税・申告が必要です。

ワールドシフトのサポート

  • 送れる商品かの確認:出品する前に、規制・書類・危険物の該当を一緒に洗い出します
  • 送り方の組み立て:都度発送と、先に在庫を置く形の、どちらが合うかを一緒に整理します
  • 通関手続きの手配・連携:提携する米国の通関業者と連携し、書類・申告を手配します。分類・税額の最終判断は通関業者・税関によります
  • 洗い出しと見積もりは事前の目安です。最終的な搭載可否・受入可否・税額は、航空会社・税関・提携する通関業者の判断によります。実際の採算は、売り場・数量・条件で変わります(関税・通関業者手数料などの実費は別途かかります)
越境ECの送り方を無料で相談する

※ご相談は無料です。実際の発送では、関税や実費(品目により試験費・危険物取扱・特殊梱包など)が別途かかります。

出典:U.S. Customs and Border Protection — Trade(関税・通関)U.S. International Trade Commission — HTS(米国関税率表)。売り場ごとの手数料・ポリシーは各社の公式案内が正本で、条件は変わります。個別の動きは当社の越境ECの記事に出典を添えています。

※本ページは一般的な情報の整理であり、個別の該当可否・法的助言ではありません。該当可否・申告の適否の最終判断は、税関・当局および提携する通関業者の基準によります。最新・個別の判断は無料相談でご確認ください。