米国のSection 301(通商法301条)とは
― 対象の判定と原産地を、輸出者向けに
当たるかを確かめる順番(ひと目で)
①と②が決まらないと、③以降は判定できません。原産地とHTS分類が、Section 301の入口です。
① Section 301は、どういう制度か
米国の通商法301条。米国側が「不公正な貿易慣行」と認定したことが理由
USTRが調査し、対象の品目(HTS)を指定する
原産地。送り元の国ではない
通常の関税に上乗せする形。計算方式は措置ごとに違う
通商法301条は手続きの根拠で、実際の追加関税は調査ごとに別の措置として出ます。対中のものと、強制労働を理由とするものなど、複数が同時に走っていることがあります。「301に当たるか」は、どの措置のことかを特定してから判定してください。
② 原産地は「送り元」ではない
- 商品の製造地を、出荷地ではなく作った場所で押さえた
- 部材を複数の国から調達している場合、どこで実質的変更が起きたかを確かめた
- 裏取りの資料(製造工程・部材の調達先)をそろえた
- 確信が持てないものは、CBPの事前教示(Binding Ruling)で確定させる段取りをつけた
原産地が変わるのは実質的変更が起きたときです。部材を並べて組んだだけでは変わらないことがあり、その場合は部材の原産国あての扱いになります。米国税関は第三国での積替え・誤分類・過少申告の摘発を強めています。判断に迷うときは、CBPの事前教示で確定させてください。
ここで押さえるのはSection 301に当たるかを決めるための原産地です。関税額そのものの積み上げ(課税価格・税率・手数料)は「自分の商品の関税額を出す手順」にまとめています。
③ Section 232との違い ― 根拠も対象も別。足す前に確かめる
不公正な貿易慣行が理由。USTRが調査して品目を指定
安全保障が理由。鉄鋼・アルミなどの素材と、その派生品
ほかの措置の対象品を除く、という定めが置かれることがある
上乗せの形と、通常関税と合計して上限が決まる形がある
措置ごとに除外規定(ほかの措置の対象品は除く、など)と計算方式(上乗せか、通常関税と合計して上限が決まるか)が違います。足す前に、その措置の官報で除外と計算方式を確かめてください。いま実際にどの措置がどう当たるかは、当社の関税ニュースで、制度が変わるたびに一次情報を照合して記事にしています。
④ いまの税率・対象は、どこで見るか
- 連邦官報で、その措置の対象リストと発効日を確かめた
- 自分のHTS 10桁が対象リストに入っているか見た
- 計算方式を確かめた(上乗せか、通常関税と合計して上限が決まるか)
- いつ時点の情報かを、見積書に書いた
当社の関税ニュースでは、制度が変わるたびに一次情報を照合して記事にしています。関税額の出し方は「自分の商品の関税額を出す手順」に、通常の税率は「米国の関税はどう決まる?」にまとめています。
よくある取りこぼし
「日本から送るから関係ない」。原産地が別の国なら当たります
どの措置か特定し、いつ時点かを見積書に残す
除外規定と計算方式を確かめずに全部足し、自分で価格競争力を落とす
分かれ目は、①原産地の裏取りと、③どの制度が当たるかの特定です。
Section 301のよくある質問
Section 301とは何ですか?
米国の通商法301条にもとづく追加関税の制度です。相手国の不公正な貿易慣行を理由に、米国通商代表部(USTR)が調査して品目を指定し、通常の関税に上乗せする形で課します。調査ごとに別の措置になるため、複数の措置が同時に走っていることがあります。
日本から送れば、Section 301は関係ありませんか?
関係ないとは限りません。まず、判定は「どの国から送るか」ではなく「どこで作られたか(原産地)」です。そのうえで、日本を対象に含む措置もあります。「日本原産だから対象外」とは言えません。自分の品目にいま何が当たるかは、その時点の対象リストと通関業者でご確認ください。
Section 232とSection 301は、重ねてかかりますか?
措置ごとに違います。ほかの措置の対象品を除外する定めが置かれることがあり、その場合は重ねてかかりません。また、単純な上乗せではなく、通常関税と合計して上限が決まる形もあります。足す前に、その措置の官報で除外規定と計算方式をご確認ください。
ワールドシフトのサポート
- ✓原産地の考え方の整理:部材が複数の国にまたがる場合に、確認すべき点を一緒に洗い出します
- ✓HTS分類の確認:材質・用途から、どの小分類が候補になるかを一緒に確認します
- ✓通関手続きの手配・連携:提携する米国の通関業者と連携し、書類・申告を手配します。分類・税額の最終判断は通関業者・税関によります
- ✓洗い出しと見積もりは事前の目安です。最終的な該当可否・分類・税額は、税関および提携する通関業者の判断によります。実際の税額は、貨物の条件で変わります(関税・通関業者手数料などの実費は別途かかります)
※ご相談は無料です。実際の発送では、関税や実費(品目により試験費・危険物取扱・特殊梱包など)が別途かかります。
ほかの発送ルールガイド
出典:USTR — Section 301 Investigations/Federal Register — 強制労働を理由とするSection 301の措置(2026年7月28日付)/U.S. Customs and Border Protection — Rulings(事前教示)。対象品目・税率・発効日は情勢で変わります。実際の適用は、その時点の官報と通関業者でご確認ください。
※本ページの記載は2026年9月14日時点の情報です。一般的な情報の整理であり、個別の該当可否・法的助言ではありません。該当可否・申告の適否の最終判断は、税関・当局および提携する通関業者の基準によります。最新・個別の判断は無料相談でご確認ください。
