関税ガイド

米国デミニミス(少額免税)はいつ停止したか ― 答えは2025年8月29日
混同されやすい3つの日付と、停止後の小口輸出

米国のデミニミス(少額免税)は、2025年8月29日に全世界で停止しました。デミニミスは、1日1人あたり800ドルまでの輸入を、関税も正式な申告もなしで通せた仕組みです。いまは少額でも通常の関税・申告が必要です。この件は3つの日付が混同されやすく、当社の記事監査でも最も多い取り違えです。このページでその整理と、小口の輸出をどう組み直すかをまとめます。

停止後に組み直す5つの手順(ひと目で)

1
止まった日を押さえる2025年8月29日
2
3つの日付を分ける混同が最多
3
輸入者を決める誰が申告するか
4
送り方を組み直すまとめるか都度か
5
売価に入れる関税・手数料

まずいつ何が変わったかを正しく押さえないと、③以降の設計を間違えます。とくに②の日付の混同は、「いつまで免税で送れたか」の理解そのものを狂わせます

① 止まったのは2025年8月29日 ― 混同されやすい3つの日付

2025年8月29日|止まった日

大統領令 E.O. 14324(7月30日署名・8月29日発効)。多くの商品について全原産国で停止。「いつ止まったか」の答えはこの日

2026年6月24日|規則にした日

CBPが自らの規則として無期限に位置づけ直した日。止まった日ではありません

2026年7月24日|郵便の手続きが変わった日

国際郵便の簡易な扱いが別建てに。これも止まった日ではありません

⚠ 「2026年6月24日に止まった」は誤りです

「デミニミス(非課税基準額)が廃止された」という言い方も見かけますが、ここで押さえるのはいつ止まったかです。止まったのは2025年8月29日です。2026年6月24日は、大統領令にもとづいていた停止をCBPが自らの規則として無期限に位置づけ直した日で、「免税が止まった日」ではありません(手続の面では、この前後で郵便・郵便以外それぞれに新しい申告の定めが置かれています)。「6月24日に止まった」と書くと、6月23日までは免税で送れたことになってしまいます。なお中国・香港は先行して2025年5月2日に停止しています。

② 何が変わったか ― 少額でも輸入者(IOR)と申告が要る

誰が輸入者になるか

少額でも申告が要るので、輸入者(IOR)を先に決める必要があります

少額でも申告

「$800まで無税」を前提にした売価・送り方は組み直しが要ります

郵便は別建て

国際郵便は2026年7月24日から別の手続きになりました

1個あたりのコスト

手数料には下限があるため、小さい荷物ほど1個あたりが重くなります

いちばん効くのは「誰が輸入者になるか」を決めないと送れなくなったことです。免税で通していたころは、意識せずに済んでいました。

③ 小口の輸出をどう組み直すか ― 輸入者・まとめ方・売価の3点

  • 誰が輸入者(IOR)になるかを決めた(通関の基本
  • まとめて送るか、都度送るかを決めた(まとめると1個あたりの手数料は下がります)
  • 関税と手数料を売価に入れた関税額を出す手順
  • お客さまに関税を払わせる形にしていないか確かめた(受け取り拒否と返送の原因になります)
  • インボイスの品名を具体的にした(曖昧な品名は止まる原因になります)

関税額の出し方は「自分の商品の関税額を出す手順」に、通関の全体像は「米国へ商品を送って売るときの通関の基本」に、売り場ごとの決め方は「米国向け越境ECの始め方」にまとめています。

④ よくある取りこぼし ― 「2026年6月24日に止まった」は誤り

← 止まった日を取り違える

「2026年6月24日に止まった」と思い込む。6月23日までは免税だった、と誤解する

◎ 3つの日付を分ける

止まった日・規則にした日・郵便の手続きが変わった日は、別の話

$800が使える前提で出す →

停止済みなのに「少額だから大丈夫」と、売価に関税を入れずに出品する

分かれ目は、①の日付を正しく押さえたうえで、③の輸入者と売価を決め直したかどうかです。

デミニミスのよくある質問

デミニミス(少額免税)とは何ですか?

米国に輸入される1日1人あたり800ドルまでの貨物を、関税も正式な申告もなしで通せた制度です(デ・ミニミス、非課税基準額とも呼ばれます)。2025年8月29日に全世界で停止し、いまは少額でも通常の関税・申告が必要です。

米国の$800までの少額免税(de minimis)は、いつ止まりましたか?

2025年8月29日です。大統領令 E.O. 14324(2025年7月30日署名・8月29日発効)により、多くの商品について全原産国で停止しました。中国・香港はそれより早く、2025年5月2日に停止しています。

2026年6月24日に停止した、と聞きましたが違うのですか?

違います。2026年6月24日は、大統領令にもとづいていた停止を、CBPが自らの規則として無期限に位置づけ直した日です。免税の停止そのものは2025年8月29日から続いており、6月24日に止まったわけではありません(手続の定めは、この前後で郵便・郵便以外それぞれに置かれています)。「6月24日に止まった」と読むと、6月23日までは免税で送れたことになってしまいます。

少額なら、いまも関税はかかりませんか?

かかります。クーリエ・貨物便などの商業貨物では、少額でも通常の関税・申告が必要です。「$800まで無税」を前提にした売価・送り方は、組み直しが要ります。

ワールドシフトのサポート

  • 送り方の組み立て:まとめて送る形と都度送る形の、どちらが合うかを一緒に整理します
  • 書類の確認:インボイスの品名・数量・価額など、止まりやすい点を一緒に洗い出します
  • 通関手続きの手配・連携:提携する米国の通関業者と連携し、書類・申告を手配します。分類・税額の最終判断は通関業者・税関によります
  • 洗い出しと見積もりは事前の目安です。最終的な該当可否・分類・税額は、税関および提携する通関業者の判断によります。実際の税額は、貨物の条件で変わります(関税・通関業者手数料などの実費は別途かかります)
小口の送り方を無料で相談する

※ご相談は無料です。実際の発送では、関税や実費(品目により試験費・危険物取扱・特殊梱包など)が別途かかります。

出典:大統領令 E.O. 14324 — Suspending Duty-Free De Minimis Treatment for All Countries(連邦官報)19 CFR 145.31(郵便)U.S. Customs and Border Protection — E-Commerce。制度は変わる場合があります。実際の適用は、その時点の官報と通関業者でご確認ください。

※本ページの記載は2026年9月14日時点の情報です。一般的な情報の整理であり、個別の該当可否・法的助言ではありません。該当可否・申告の適否の最終判断は、税関・当局および提携する通関業者の基準によります。最新・個別の判断は無料相談でご確認ください。