実務の手順

子ども向け製品の証明書(CPC)をそろえる手順
― 基準の洗い出しから、通関のeFilingまで

米国へ子ども向け製品を送るとき、いちばん止まりやすいのは「試験はしたのに、証明書が無い/中身が足りない」という形です。CPC(Children's Product Certificate=子ども向け製品証明書)は、試験機関が発行してくれる書類ではなく、輸入者または米国内の製造者が、自分の名前で作る書類です。このページは、当たる基準を洗い出すところから、通関でデータを出すところまでを、順番に確かめるための手順です。「子ども向け製品に当たるかどうか」の判断は米国CPSC(子ども向け製品の安全規制)とはに、制度の成り立ちは米国の製品安全の決まりは、どういう考え方でできているかにあります。

そろえるまでの6ステップ

1
製品を1つに絞る型番まで
2
当たる基準を洗い出す複数当たる
3
公認機関で試験CPSC accepted
4
CPCを作る7項目
5
ラベルを入れる製品と包装
6
通関で出すeFiling

①と②を飛ばすと、あとの全部がやり直しになりかねません。当たる基準が1つ増えると、試験も証明書もやり直しになることがあります。先に洗い出してから試験に出してください。

① 製品を1つに絞る ― 「シリーズ」でまとめない

CPCは、製品が特定できる形で作ります。色違い・サイズ違い・素材違いは、当たる基準も試験結果も変わることがあります。「このシリーズ全部」とひとまとめにせず、まず1つに絞って手順を通し、あとから広げられるかを試験機関に確かめる進め方が確実です。

  • 対象の製品を型番まで決めた(色違い・サイズ違いは別に考える)
  • 誰が米国の輸入者になるかを決めた(CPCを作るのはこの人です)
  • 製造した工場の所在地(市・州・国)と製造年月が分かる状態にした(CPCに書きます)

② 当たる安全基準を洗い出す ― たいてい複数当たる

子ども向け製品は、1つの製品に複数の基準が同時に当たるのがふつうです。「玩具だからASTM F963だけ」とはなりません。素材・部品・使い方から、当たりうるものを全部並べてください。

製品そのものの基準

玩具ならASTM F963など、製品の種類ごとに決まった基準

素材・塗装の基準

鉛・フタル酸エステル類など、含まれるものに当たる基準

部品に当たる基準

ボタン電池・ひも・小さな部品は、それぞれ別に当たることがあります

個別の製品の基準

ベビーベッド・ネックフロート・窓まわりのひもなど、その製品だけの基準が新しく作られることがあります

⚠ 見落とされやすいのが「部品」です

本体は玩具でも、付いているボタン電池、ひも、塗装、小さな部品が、それぞれ別の基準に当たることがあります。実際にリコールにつながった型は「CPSCの最新リコールに学ぶ、日本セラーが実際に引っかかる4類型」にまとめています。

③ CPSC公認(accepted)の第三者試験機関で試験する

子ども向け製品は、原則として、CPSCが受け入れている第三者試験機関で試験した結果がCPCの根拠になります。手元にある一般的な試験成績書や、工場が付けてきた社内試験の結果では足りないのがふつうです。CPSCは当たる基準ごとに、受け入れている機関の一覧を公開しています。

例外:登録した小規模製造者(Small Batch Manufacturer)

CPSCに登録した小規模製造者は、一部の基準(Group B)について、自社での試験・CPSC公認でないラボの試験・仕入先からの書面保証などで適合を証明できる定めがあります。ただし塗料中の鉛や耐久性のある乳幼児用品などの基準(Group A)には使えませんし、CPCを作ること自体が免除されるわけでもありません。自社が当たるかどうかは、CPSCの案内と試験機関でご確認ください。

  • 当たる基準ごとに、CPSCが受け入れている機関かを確かめた
  • 試験に出すのは実際に売るものと同じ仕様のものにした(試作品や別ロットではない)
  • 試験した日と場所を控えた(CPCに書きます)
  • 試験成績書を保管する担当者を決めた(この人の連絡先をCPCに書きます)

④ CPCを作る ― CPSCが挙げている7項目

CPCは、証明する人(輸入者または米国内の製造者)が自分で作ります。この証明書の制度はCPSIA(消費者製品安全改善法)で入り、規則は16 CFR Part 1110に置かれています。CPSCは、書くべきものとして次の7つを挙げています。1つでも欠けていると、証明書として認められない可能性があります。

  • ① 製品が特定できる情報(どの製品についての証明かが分かること)
  • ② 当たるCPSCの安全規則(当たるものを全部)
  • ③ 証明する人(輸入者または米国内の製造者)の名前・住所・電話
  • ④ 試験結果を保管する担当者の名前・住所・メール・電話
  • ⑤ 製造した年月と、製造した市・州・国
  • ⑥ 試験した日と場所
  • ⑦ 試験したCPSC公認機関の名前・住所・電話

なお、子ども向け製品ではない一般消費財でCPSCの規則に当たるものには、GCC(一般適合証明書)が求められます。GCCは第三者試験が必須ではない点がCPCと違います。

⑤ トラッキングラベルを、製品と包装の両方に入れる

CPCは書類、トラッキングラベルは表示です。どちらも要ります。12歳以下の子ども向け製品には、あとから追いかけられるように、製造者の特定・製造した年月と場所・ロットや製造番号・どの工場で作ったかが読み取れる消えない表示を、製品そのものと包装の両方に付けます(実際に付けられる場合)。デザインの都合で製品側を先に落とすと、そこで足りなくなります。事業の規模による適用除外はありません。

⑥ 通関で出す ― 2026年7月8日からのeFiling

2026年7月8日から、輸入者は証明書のデータを米国税関(CBP)へ電子的に提出する運用が始まっています。紙を1枚持っていれば済む形ではなくなりました。対象は子ども向け製品に限らず、CPSCの規則で証明書が要る輸入品全般(GCCの対象品も含みます)です。保税地域(FTZ)に入れてから引き取るものは2027年1月8日からです。誰がいつデータを入れるのかを、通関を任せる相手と先に決めておいてください。

  • 米国側で誰が輸入者になるかが決まっている(IOR番号)
  • 誰が証明書のデータを入れるかを、通関業者と決めた
  • CPCの中身がそのまま出せる形になっている(7項目がそろっている)
  • 製品が変わったとき・工場が変わったときに作り直す担当を決めた

制度の開始と対象は「CPSCの証明書「eFiling」が2026年7月8日に義務化」と「CPSCの電子申告(eFiling)義務化が7月8日に開始」にまとめています。

よくある取りこぼし

← 工場の試験成績書で足りると思う

CPSC公認機関の試験でないと、CPCの根拠になりません

◎ 基準を洗い出してから試験に出す

当たる基準が増えると、試験も証明書もやり直しになります

CPCだけ用意して安心する →

トラッキングラベルと、通関のデータ提出が別に要ります

分かれ目は、②で当たる基準を全部並べたかどうかです。

CPC(子ども向け製品証明書)のよくある質問

CPC(子ども向け製品証明書)は、誰が作るのですか?

米国へ輸入する場合は輸入者が、米国内で作る場合は製造者が作ります。試験機関や工場が発行してくれる書類ではありません。試験機関が出すのは試験成績書で、それをもとに証明する人が自分の名前でCPCを作るという形です。日本の輸出者がそのまま作るのではなく、米国側で輸入者になる人が作る点にご注意ください。

試験は、どこの試験機関でもよいのですか?

原則として、CPSCが受け入れている(accepted)第三者試験機関である必要があります。機関の一覧はCPSCが公開しており、当たる安全基準ごとに受け入れられている機関が決まっています。手元にある一般的な試験成績書では、ふつうCPCの根拠になりません。※CPSCに登録した小規模製造者(Small Batch Manufacturer)は、一部の基準(Group B)について自社での試験や仕入先の書面保証などで証明できる定めがあります。塗料中の鉛・耐久性乳幼児用品などの基準(Group A)には使えず、CPCを作ること自体は免除されません。

CPCには何を書きますか?

CPSCは7つの項目を挙げています。①製品が特定できること、②当たるCPSCの安全規則、③証明する人(輸入者または国内製造者)の名前・住所・電話、④試験結果を保管する担当者の連絡先、⑤製造した年月と場所、⑥試験した日と場所、⑦試験したCPSC公認機関の名前・住所・電話です。

トラッキングラベルとCPCは、別のものですか?

別のものです。CPCは書類、トラッキングラベルは製品と包装に付ける表示で、どちらも子ども向け製品に求められます。片方だけそろえても足りません。

通関のときに、CPCはどう出しますか?

2026年7月8日から、輸入者は証明書のデータを米国税関(CBP)へ電子的に提出(eFiling)する運用が始まっています。紙を1枚用意しておけば済むという形ではなくなったため、通関を任せる相手(通関業者・輸入者になる相手)と、誰がいつデータを入れるかを先に決めておいてください。運用の詳細は「CPSCの電子申告(eFiling)義務化が7月8日に開始」にまとめています。

一般向けの製品(大人向け)にも証明書は要りますか?

子ども向け製品ではない一般消費財でも、CPSCの規則に当たる製品にはGCC(一般適合証明書)が求められます。ただしGCCは第三者試験が必須ではなく、自社の試験などを根拠にできる点がCPCと違います。どちらに当たるかは、まず「子ども向け製品かどうか」の判断からです。

ワールドシフトのサポート

  • ✓当たる基準の洗い出し:製品の素材・部品・使い方から、当たりうるCPSCの基準を一緒に並べます(仕入れる前の段階からご相談いただけます)
  • ✓試験・証明書の進め方のご案内:CPSC公認の試験機関の探し方・依頼の出し方と、CPCに書く項目を一緒に確かめます
  • ✓通関手続きのおつなぎ:提携する米国の通関業者におつなぎし、証明書データの提出を含む申告のやり取りを引き継ぎます
  • ✓洗い出しと確認は事前の目安です。当たる基準・試験の要否・輸入の可否の最終判断は、CPSC・第三者試験機関および提携する通関業者の判断によります(試験費・関税などの実費は別途かかります)
子ども向け製品の送り方を無料で相談する

※ご相談は無料です。実際の発送では、関税や実費(品目により試験費・危険物取扱・特殊梱包など)が別途かかります。

出典:U.S. CPSC — Children's Product Certificate/U.S. CPSC — Third Party Testing/U.S. CPSC — Tracking Label Business Guidance/U.S. CPSC — eFiling/U.S. CPSC — Small Batch Manufacturers and Third Party Testing。運用は変わります。実際の手配は、その時点のCPSCの案内と、依頼する試験機関・通関業者でご確認ください。

※本ページの記載は2026年9月15日時点の情報です。一般的な手順の整理であり、個別の該当可否・法的助言ではありません。当たる安全基準・試験の要否・証明書の内容の最終判断は、CPSCおよび依頼する第三者試験機関の基準によります。
※当社は通関業者・弁護士・税理士ではありません。税関への申告の代理、税務・法律に関する個別の相談・代理はお受けできません。該当可否の判断や当局とのやり取りが必要な場面では、提携する米国の通関業者・専門家におつなぎします。