市場動向

米国で抹茶が品薄・高騰のいま『茶道具』に商機──茶筌・抹茶碗・茶杓。粉の品薄に左右されにくい繰り返し需要

2026年6月28日 | 出典:Grand View Research等(抹茶市場)+NBC News(品薄・価格)+FDA/USDA-APHIS/USITC+当社(WorldShift)整理(市場動向)

米国で抹茶(matcha)が品薄・高騰している。2025年には価格が2倍超になり、サンフランシスコのカフェでは抹茶コストが6割上がるなど、供給が追いつかない。だがこの“逆風”の裏に商機がある——抹茶を点てる『道具』だ。粉は品薄でも、茶筌(ちゃせん)・抹茶碗・茶杓は一度買えば繰り返し使う。自宅で点てる層が増えるほど、道具の需要はむしろ伸びる。しかも道具は『食品』でないためFDAの食品規制の主対象外で、出しやすい。

TOPIC
約34〜54億ドル
世界の抹茶市場・≒5,400億〜8,600億円(2025・推計幅あり)
拡大
TOPIC
価格2倍超
2025年に抹茶が高騰/京都産の供給が急減
TOPIC
唯一の産地
奈良・高山=日本で唯一の茶筌産地(伝統的工芸品)
TOPIC
道具は食品でない
FDA食品規制の主対象外(碗・急須は溶出に注意)

何が起きている?──抹茶ブームの“裏”に道具の商機

世界の抹茶市場は2025年で約34〜54億ドル(≒5,400億〜8,600億円)規模とされ(調査会社により幅あり)、米国ではZ世代・ミレニアルが“クリーンなエネルギー”や儀式性を求めて消費を伸ばしています。TikTokの#matchaは200万投稿超。一方で供給は逼迫し、2025年に価格が2倍超、日本からの輸出はコロナ前比3倍に達しました(NBC News報道)。

ここで注目すべきは道具の需要です。粉は消費して無くなりますが、茶筌・抹茶碗・茶杓・ふるいは繰り返し使う耐久品。自宅で点てる層が増えるほど、スターターキット(碗・茶筌・茶杓・ふるい等の5〜7点セット、米国で概ね20〜40ドル帯)が売れます。茶筌の本場は奈良県の高山=日本で唯一の茶筌産地(政府指定の伝統的工芸品)職人は約18人(うち伝統工芸士が約15人)と希少で、機械を使わない手作りが“本物”の訴求になります。

背景
米国で抹茶ブーム(Z世代・ウェルネス・TikTok)
2025年
抹茶が品薄・価格2倍超/輸出はコロナ前比3倍
商機
自宅で点てる層の拡大→繰り返し使う『茶道具』に需要

抹茶市場の規模は調査会社間で差が大きく(約34〜54億ドル)、推計・幅ありとしてご覧ください。

輸出の要点──道具は食品規制の外。ただし碗・急須と竹だけ確認

抹茶の粉そのものは食品でFDA規制の対象ですが、茶筌・茶杓・棗・ふるいなどの道具は食品でないためFDAの食品規制の主対象外です。出しやすいカテゴリですが、2点だけ押さえます。

(1)食品に直接触れる抹茶碗・急須は『鉛・カドミウムの溶出』の対象です(FDAが輸入食器を監視、カリフォルニアProp65はさらに厳格)。溶出試験の証明を用意すると安心です。(2)竹製の茶筌・茶杓はリーシー法(Lacey Act)の植物申告が論点ですが、栽培された竹なら申告は原則不要。産地が栽培竹であることを書類化すれば負担を避けられます。HTSは陶磁器の碗・急須が概ね9.8%前後、竹製品が概ね3.2%前後が目安で、茶筌は専用小分類がないため確実を期すならCBPの事前教示(Binding Ruling)で固めます。

茶筌・茶杓・ふるい(道具)
以前
抹茶(食品)と同じFDA手続きが要ると誤解
道具は食品でない→FDA食品規制の主対象外
抹茶碗・急須(食品接触)
以前
そのまま送れると思い込み
鉛・カドミウム溶出(FDA/Prop65)→溶出証明が安全
竹の茶筌・茶杓
以前
全部Lacey Act申告が要ると思い込み
栽培竹なら申告は原則不要(産地を書類化)
茶筌(ちゃせん):抹茶を点てる竹製の道具。奈良・高山が日本で唯一の産地。
溶出(鉛・カドミウム):食品に触れる陶磁器から有害金属が溶け出すこと。FDA/Prop65が規制。
Lacey Act:米国の植物・木材製品の申告制度。竹も対象だが栽培竹は原則申告不要。

日本の輸出者がやること──3ステップ

  1. 品ぞろえを決める:入門スターターキット/職人の単品(高山の茶筌等)/カフェ業務用
  2. 2点だけ確認:碗・急須は溶出試験の証明、竹の茶筌・茶杓は栽培竹であることを書類化
  3. 送る:HTS分類・送料試算・通関は当社の発送代行(SLC)が支援

粉の需給に振り回されず、“点てる文化”そのものを売れるカテゴリです。

💡 実務のワンポイント

抹茶の“粉”は食品でFDA規制の対象ですが、茶筌(ちゃせん)・茶杓・棗・ふるいなどの『道具』は食品でないためFDA食品規制の主対象外です。ただし2つだけ注意を。(1)食品に直接触れる抹茶碗・急須は『鉛・カドミウムの溶出』(FDA/カリフォルニアProp65)の対象で、溶出試験の証明を用意するのが安全。(2)竹製の茶筌・茶杓はリーシー法(Lacey Act)の植物申告が論点ですが、栽培された竹(商業目的で植栽・収穫)なら申告は原則不要。産地が栽培竹であることを書類化すれば負担を避けやすいです。茶筌は専用のHTS小分類がないため、確実を期すならCBPの事前教示(Binding Ruling)で番号を固めると安心です。

よくある質問

なぜ抹茶でなく道具なの?
粉は品薄・高騰しますが、道具は一度買えば繰り返し使う耐久品です。自宅で点てる層が増えるほど需要が伸び、需給に左右されにくいのが利点です。
茶道具にもFDAの食品手続きが要る?
茶筌・茶杓・ふるい等の道具は食品でないためFDAの食品規制の主対象外です。ただし食品に触れる抹茶碗・急須は鉛・カドミウム溶出の対象です。
竹の茶筌はLacey Actが要る?
竹は対象ですが、栽培された竹なら申告は原則不要です。産地が栽培竹であることを書類化すれば負担を避けられます。
関税はどのくらい?
目安として陶磁器の碗・急須が概ね9.8%前後、竹製品が概ね3.2%前後です。茶筌は専用分類がないため事前教示(Binding Ruling)で固めると確実です。追加関税は出荷時に確認します。
出典は?
Grand View Research等(市場)、NBC News(品薄・価格)、FDA・USDA-APHIS・USITC(規制)です。
📘 用語ミニ解説
  • 茶道具:抹茶を点てる道具一式(茶筌・抹茶碗・茶杓・棗・ふるい等)。
  • 高山(奈良):日本で唯一の茶筌産地。政府指定の伝統的工芸品。
  • スターターキット:碗・茶筌・茶杓・ふるい等をまとめた入門セット。米国で定番。
  • Binding Ruling:CBPの事前教示。商品のHTS分類を法的拘束力をもって事前に確定できる。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

抹茶の粉は品薄でも、道具は“一度買えば繰り返し使う”もの。需給に左右されにくく、むしろ自宅で点てる層の拡大が追い風です。やることは『スターターキット/単品/業務用の品ぞろえを決め、碗・急須は溶出証明、竹は栽培竹を書類化する』だけ。商品選定・送料試算・通関は当社(WorldShift)の発送代行(SLC)が支援します。

抹茶市場の規模は民間調査で幅があります(推計)。品薄・価格はNBC News等の報道。道具がFDA食品規制の主対象外であること、食品接触の碗・急須が溶出規制の対象であることは制度上の事実。HTS税率・追加関税は時点で変動し、茶筌は事前教示が確実。円換算は1ドル≒160円。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。