
申告価格を下げる『ファーストセール』──工場価格で課税し関税を圧縮、高関税の今こそ効く
同じ商品でも、課税の『元値』は下げられる。ファーストセールは、工場→商社→米国輸入者の多段階取引で、課税価格を最後の販売価格でなく最初の販売(工場価格)に基づける米国の法理だ。中間マージンが課税対象から外れ、関税は約15〜20%圧縮できる。従価税の高関税のいまこそ効く。要件と注意点をまとめた。
ファーストセールとは
多段階取引で、課税価格を最初の販売(工場価格)に基づける仕組みです(根拠判例:Nissho Iwai、1992年)。例えば工場が商社に$40、商社が米国輸入者に$60で販売する場合、要件を満たせば課税価格は$60でなく$40に。従価税なので、課税ベースが下がれば関税も比例して下がります。(1ドル≒160円換算)
3つの要件と、今の注意点
CBPは「全体的状況」で審査します。要件は次の3つ。
- 真正な販売:工場と商社の間で所有権・リスクが実際に移転
- 米国向けが明確:最初の販売時点で米国向けと確定(後付け不可)
- 独立企業間価格:関連者間の操作がない(中国経由は否認リスク高)
いまは従価税の高関税で削減額が大きい一方、CBPの評価額監視も強化(CF-28/29)。さらに廃止法案(Last Sale Valuation Act・2025年提出)が出ており、未成立ですが動向注視が要ります。
価格の付け替えではなく、実態と記録が伴って初めて認められます。
米国に多段階で輸出するには:手続きの要点
書類と実態を揃えます。
- 工場価格の開示:中間業者が仕入値を示す
- 記録:各段階の契約・インボイス・支払い・所有権/リスクの移転を出荷に紐づけ
- 米国向けの証拠:米国向けラベル・仕様・発注書
- CF-28対応の備え:照会されても根拠を即提示
構造の確認・書類整備・CBP照会対応はSLC(発送代行)で対応できます。
ファーストセールは『価格の付け替え』ではなく『実態のある多段階取引+監査に耐える記録』が条件です。工場と商社の間で所有権とリスクが実際に移転する真正な売買で、最初の販売時点で『米国向け』と確定していること(後付け不可)。工場インボイス・各段の契約・支払い証憑を特定の出荷に紐づけて保管を。関連会社間や中国経由はarm's-lengthの立証が重く、CF-28で否認されると追徴になります。廃止法案(2025年提出・未成立)の動向も注視を。
よくある質問
- ファーストセール:工場価格を課税価格にできる法理。
- 課税価額:関税計算の基礎となる申告価格。
- CF-28:CBPの情報要求(評価額の照会で来やすい)。
要件は多めですが、構造と記録が整えば合法に関税を圧縮できます。多段階取引の組成確認・工場価格や所有権移転の書類整備・CBP照会(CF-28)への備えまで、当社の発送代行(SLC)が代行。否認リスクを抑え、安心して申告価格を最適化できます。

