
米国の金属「派生製品」が拡大──407品目追加、あなたの製品は50%対象か
金属関税の網が、完成品の側へ広がっている。米国はSection 232の「派生製品(derivative)」を大幅に拡大し、ボルトやワイヤ、管、機械・家具の金属部品までを高いSection 232関税の対象(本体50%・多くの派生品25%/課税は製品の全額・2026/4/6〜)に取り込んでいる。「うちは鉄鋼メーカーではない」——そう思っていた輸出者ほど、足をすくわれかねない。自社製品が対象かどうかを、HTSと含有金属から見極める方法をまとめた。
何が変わった?「派生製品」とは
派生製品=鉄・アルミ・銅を部材として含む加工品・完成品です。従来は素材(板・線・管)が中心でしたが、2025年8月18日に米商務省が407のHTS品目を派生製品として追加し、50%の対象を一気に広げました。対象には締結金具(ボルト・ナット・ばね)、ワイヤ製品、管・チューブ、機械・家電・家具・車両の金属部品まで含まれます。
つまり「金属そのもの」を売っていなくても、金属部品を含む製品なら対象になりうる。ここが今回の最大の注意点です。
税率と、ここまでの流れ
税率の目安は鉄・アルミ・銅の本体50%、多くの派生品(Annex I-B)25%。米国産の鉄・アルミ・銅を85%以上含む派生品は軽減税率(10%)の余地があります(2026/6/8発効の改定後閾値。銅の派生品も同じく対象)。(税率は目安・最新は公式をご確認ください)
【2026年4月6日の重要変更】従来、派生品の多くは製品に含まれる金属の価額分だけに課税されていましたが、4月6日発効の布告で鉄鋼・アルミ・銅と派生品とも「製品の全額(full customs value)」に課税されます。上の税率はこの製品全額に対してかかります(以前の「金属分のみ」は終了)。
自社製品が対象か:判定の手順
「対象かどうか」は次の順で確認します。
- HTSを特定:自社製品の米国側HTS(10桁)を確定する
- 対象リスト(Annex)を照合:そのHTSが派生製品の追加リストにあるか
- 金属の含有を確認:鉄・アルミ・銅を部材として含むか(含有金属の価額)
- 該当ヘッディング:9903系の該当コードで申告する
- 課税ベース:2026/4/6以降は「製品の全額(full customs value)」に税率を適用(以前の「金属分のみ」は終了)
- 軽減の可否:米国産の鉄・アルミ85%以上の含有を証憑で示せるか検討(銅派生品は軽減の対象外)
対象HTSの確認や米国向け発送はSLC(発送代行)で対応できます。
『金属はおまけ』でも対象になりえます。主機能が非金属でも金属部材を含めば派生製品扱いに。部品表(BOM)で金属の重量・価額を把握し、9903系の該当ヘッディングを事前確定しておくと、通関での想定外を防げます。
よくある質問
- Section 232:安全保障を理由に追加関税を課す米国の制度。
- 派生製品:金属を部材として含む加工品・完成品。
- Annex:対象HTS番号の一覧。
「自社が対象か分からない」が一番こわい——でも、そこは調べれば確定できます。HTSの特定・対象リスト照合・金属含有分の申告・米国産含有での軽減まで、当社の発送代行(SLC)が代行。対象でも、正しく申告すれば慌てる必要はありません。
- Additional Steel and Aluminum Derivative Products(Steptoe)
- 50% Section 232 Tariffs on 407 New Derivatives(GHY)
- Section 232 Steel and Aluminum Tariff Inclusions Process(Federal Register)
- Strengthening Actions to Adjust Imports of Aluminum, Steel, and Copper(Federal Register)
- Section 232 再調整(2026/6/8発効・米国産含有の軽減閾値85%)(Federal Register)

