
米国のAD/CVD(アンチダンピング・相殺関税)に注意──突然の高関税、鉄鋼で日本も対象・迂回も摘発強化
通常の関税とは別に、ある日突然の高関税がありうる。AD/CVD(アンチダンピング・相殺関税)は、通常の関税やSection 301/232に上乗せされ、100%を超えることもある。日本も鉄鋼などで対象で、さらに中国産の迂回(EAPA)摘発が強化中だ。2025年は迂回だけで4億ドル超が捕捉された。該当の調べ方と備えをまとめた。
AD/CVDとは:通常関税への上乗せ
AD(アンチダンピング)は不当廉売、CVD(相殺関税)は補助金に対する追加関税です。商務省が税率を決定、USITCが損害を認定、CBPが徴収します。率は二桁〜三桁%で100%を超えることも。入港時はあくまで仮の預託(デポジット)で、後の見直しで確定額が上がり遡って請求されることもあります。通常関税・Section 301/232に上乗せされる点が要注意です。
日本も対象+迂回(EAPA)リスク
日本は熱延鋼板・電磁鋼板など複数の命令で対象です(主に鉄鋼・産業財)。さらに怖いのが迂回(transshipment)——中国産を日本など第三国経由で送ると、知らなくても米国の輸入者が追徴の責任を負います(EAPA)。CBPは2025年(1/20〜8/8)だけで4億ドル超の脱漏を摘発、89件を立件しました。(1ドル≒160円換算)
命令数は2025年に742→777と増加。数字は時点で変動します。
自社が対象か調べる・安全に通すには
「HTSコードだけ」では判断できません。次の順で確認します。
- 命令リストを確認:USITC/商務省(trade.gov)の対象一覧
- CBP ACEで照会:ケース番号で対象範囲を確認
- scope(対象範囲)本文+原産国で判定:HTS一致でも対象外、不一致でも対象になりうる
- 不明ならscope ruling:商務省に範囲確認を申請
- 原産地の根拠を保管:製造記録・BOMで迂回の疑いを回避
該当判定・原産地書類の整備・通関はSLC(発送代行)で対応できます。
AD/CVDはHTSコードだけでは判断できません。命令の『scope(対象範囲)』本文+原産国で決まり、HTSが一致しても対象外、一致しなくても対象になることがあります。特に怖いのが迂回(transshipment)——中国産を日本経由で送ると、知らなくても米国の輸入者(IOR)が追徴の責任を負います。原産地の根拠(製造記録・BOM)を必ず保管し、対象か不明ならCommerceにscope ruling(範囲確認)を求めましょう。
よくある質問
- AD/CVD:不当廉売・補助金への追加関税。
- scope:命令の対象範囲を定める本文。
- EAPA:迂回(transshipment)の摘発制度。
該当しなければ無関係、該当しても事前に分かれば対処できます。命令リストとscopeの確認・原産地書類の整備・迂回に巻き込まれない調達設計・通関まで、当社の発送代行(SLC)が代行。突然の高関税で慌てず、安心して米国へ送れます。

